うちのみえこさん(21)
議員の場所
8年前にみえこさんが最初に立候補したときによく言われた。
「なぜ県会議員なのですか、政治をめざすなら最初は市会議員をやって議員としての経験を積んでからでいいのではないでしょうか」と。
この問いの背景には市会議員→県会議員→国会議員というような上下関係を暗に想定した段階認識があるようだ。
しかしみえこさんはあくまでも県会議員にこだわり続けた。
このことについて話し合ったことはないけれど、みえこさんはそもそも反原発から出発している。これは地球的・国家的レベルの問題である。とともに私たちの日常生活の在り方にも直接的に関わっている。今の生活を具体的により良くしたい、安心を得たいという現在の思いと、子孫たちの地球環境のあり方に関わらざるを得ないという歴史的な思いが原発問題に横たわっている。この両方を繋ぐのに最も適切な場所は県議会ではないだろうか。
最初にみえこさんを担ぎ上げてくれた人たちは生活や人権、差別といった様々な社会運動に関わってきた運動家たちであった。この人たちの問題のありかも市町村に限られるものでなかった。やはり県議会なのである。そして市議会は市町村を本拠地として取り組む問題がある。人間としての議員に違いはない。しかし自分の使命にどこが適切な展開の場所なのかということは決してどうでもいいことではないと思う。
市会→県会→国会という上昇図式とは職業としての議員の熟達度に応じているという意味はあるが、そのゆえをもって上下関係があってはならないはずだ。
同じことは国会について特にいえる。「鞍替え」などということが何の疑問も反省もなく繰り返されるならば参議院は衆議院のカーボンコピー(古い言葉だなあ)であり続けるほかない。