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目に見えているものは

目に見えているものは全て、実態のないものでできている。

実態のないものが全てを形作っている。

全ての物事は全体のうねりの中から現れ、全体の中へと還りゆく。
現れたり、消えたり、世界という物語が進行しているように見えるが、
一切の囚われを脱ぎ、ありのまま目の前の世界を見る事ができた時、

目の前では、本質的に何も起きていないという様をありありと見る事ができる。

目の前の世界の中で動き回っていた自分さえも錯覚だったと気づく。

今まで外側に広がっていると思っていた世界が内側にあると知る。
それまで自分の周りを包み込んでいた世界は反転し、世界を包み込むこの感覚が絶対的な事実だということに気づく。


現象界は映し出された世界。その根源は内にある。目の前ではない。
目には見えてこない内側に本当の宇宙は広がっている。

内側の宇宙は、隔たりのない、命の神秘と雄大さと、どこまでも奥行きのある深い深い力強く静かな愛であると感じる。

この事が内側から現象界まで発露してきた時、
人間の外に向きがちな欲求はようやく暴走をやめ、この瞬間を慈しみながら、今ここに留まる事ができるのだろう。


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