忘備録>半導体製造工程は非常に複雑で、各工程にはそれぞれ特有の検査項目があります。

半導体製造工程は非常に複雑で、各工程にはそれぞれ特有の検査項目があります。より詳しく説明するために、前工程と後工程に分けて、主要な検査項目とその内容、使用する装置について解説します。

1. 前工程 (ウェーハプロセス)

  • ウェーハ製造

    • 検査項目:

      • 表面欠陥: スクラッチ、ピット、パーティクルなどの欠陥を検出します。

      • 平坦度: ウェーハ表面の凹凸を測定します。

      • 結晶欠陥: 転位、積層欠陥などの結晶構造の欠陥を検出します。

      • 酸素濃度: シリコン結晶中の酸素濃度を測定します。

    • 検査装置:

      • レーザー顕微鏡

      • 光干渉計

      • X線トポグラフィ装置

      • フーリエ変換赤外分光光度計 (FTIR)

  • 酸化

    • 検査項目:

      • 膜厚: 酸化膜の厚さを測定します。

      • 均一性: 膜厚のばらつきを評価します。

      • 欠陥: ピンホール、パーティクルなどの欠陥を検出します。

      • 屈折率: 酸化膜の屈折率を測定します。

    • 検査装置:

      • 分光エリプソメーター

      • 膜厚計

      • 光学顕微鏡

  • 成膜

    • 検査項目:

      • 膜厚: 成膜された膜の厚さを測定します。

      • 均一性: 膜厚のばらつきを評価します。

      • 密着性: 下地との密着性を評価します。

      • 欠陥: ピンホール、パーティクル、ボイドなどの欠陥を検出します。

      • 応力: 膜に生じている応力を測定します。

      • 組成: 膜の組成を分析します。

    • 検査装置:

      • 分光エリプソメーター

      • 膜厚計

      • 走査型電子顕微鏡 (SEM)

      • 透過型電子顕微鏡 (TEM)

      • X線回折装置 (XRD)

      • X線光電子分光法 (XPS)

  • フォトリソグラフィ

    • 検査項目:

      • レジストの膜厚: レジストの厚さを測定します。

      • パターン寸法: 転写されたパターンの線幅などを測定します。

      • 位置ずれ: 設計値からのパターンの位置ずれを測定します。

      • 欠陥: レジストの欠陥、パターン欠陥などを検出します。

    • 検査装置:

      • 走査型電子顕微鏡 (SEM)

      • 光学顕微鏡

      • 計測SEM (CD-SEM)

      • オーバーレイ計測装置

  • エッチング

    • 検査項目:

      • エッチング形状: エッチングされた形状を検査します。

      • 寸法: エッチングされた部分の寸法を測定します。

      • 残渣: エッチング後に残った残渣を検出します。

      • 異方性: エッチングの異方性を評価します。

    • 検査装置:

      • 走査型電子顕微鏡 (SEM)

      • 透過型電子顕微鏡 (TEM)

      • 原子間力顕微鏡 (AFM)

  • イオン注入

    • 検査項目:

      • 注入量: 注入されたイオンの量を測定します。

      • 深さ: イオンが注入された深さを測定します。

      • 分布: イオンの濃度分布を測定します。

    • 検査装置:

      • 二次イオン質量分析法 (SIMS)

      • ラザフォード後方散乱分光法 (RBS)

  • 洗浄

    • 検査項目:

      • パーティクルの数: ウェーハ表面に付着したパーティクルの数を測定します。

      • サイズ: パーティクルのサイズを測定します。

      • 残留物の有無: 洗浄後に残った残留物を検出します。

    • 検査装置:

      • レーザーパーティクルカウンター

      • 全反射蛍光X線分析装置 (TXRF)

  • CMP (化学機械研磨)

    • 検査項目:

      • 平坦度: 研磨後のウェーハ表面の平坦度を測定します。

      • 研磨レート: 研磨速度を測定します。

      • 欠陥: スクラッチ、ディッシング、エロージョンなどの欠陥を検出します。

    • 検査装置:

      • 光干渉計

      • 走査型白色干渉計

2. 後工程 (組立・検査)

  • ダイシング

    • 検査項目:

      • 切断精度: チップの切断位置の精度を測定します。

      • チップの破損: チップのクラック、チッピングなどを検出します。

    • 検査装置:

      • 光学顕微鏡

      • 自動外観検査装置 (AOI)

  • ボンディング

    • 検査項目:

      • 接続強度: ワイヤやバンプの接続強度を測定します。

      • 位置ずれ: ワイヤやバンプの位置ずれを測定します。

      • 欠陥: ワイヤの断線、バンプの剥離などを検出します。

    • 検査装置:

      • 引張試験機

      • 超音波顕微鏡

      • X線検査装置

  • モールド

    • 検査項目:

      • 封止状態: 樹脂の充填状態、ボイドなどを検査します。

      • 気泡: 樹脂中の気泡を検出します。

      • クラック: パッケージのクラックを検出します。

    • 検査装置:

      • X線検査装置

      • 超音波顕微鏡

      • 赤外線カメラ

  • マーキング

    • 検査項目:

      • 印字内容: 印字された文字が正しいかを確認します。

      • 位置: 印字位置が正しいかを確認します。

    • 検査装置:

      • 光学顕微鏡

      • 自動外観検査装置 (AOI)

  • 最終検査

    • 検査項目:

      • 電気的特性検査: チップの電気的特性を測定します。

      • 動作試験: チップが正常に動作するかを確認します。

      • 信頼性試験: 温度サイクル試験、高温高湿試験などを行い、チップの信頼性を評価します。

    • 検査装置:

      • テスタ

      • バーンイン試験装置

      • 信頼性試験装置

上記は代表的な検査項目と装置であり、実際の検査では、製造する半導体の種類や工程によって、さらに多くの検査項目や装置が使用されます

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