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伊豆川飼料、走る!

決算関係の仕事が色々片付いたので、続けて書いていきたいと思います。

前回までのあらすじ

70年以上前から地元静岡のマグロやカツオの加工残渣(魚の頭や骨やしっぽなどの人間が食べない部分)を回収し、加工して飼料や肥料を製造する伊豆川飼料株式会社。原料の仕入れ先である静岡の水産加工業は、製造コストの削減に苦しんでおり、水産加工業が国内製造する量は少しづつ減っていた。それにより、伊豆川飼料の入ってくる原料も少しづつ減り、会社だけではなく、静岡や日本の将来の不安を感じるようになったイズカワはこのピンチを救うべく、食品分野に首を突っ込み、静岡産のツナ缶を盛り上げるため、ツナ缶新商品の「とろつな」「しろつな」を開発した。しかし、売り先を全く考えていなかったイズカワは在庫の山を目の前にして呆然とするのだった!!!

過去の成功体験にすがる

新商品を開発したところまでは良かったのですが、伊豆川飼料はこの道70年のBtoB企業。飼料や肥料は食品に関連する商材とはいえ、食品関係の商流を全く持っていませんでした。
そこで私イズカワはあることを思い出します。何かのセミナーで存在を知った「しろくまジャム」というお店です。しろくまジャムは「ジャムを使って静岡の魅力を発信していく」コンセプトのカフェ併設のお店で、なんとなく向いてる方向同じじゃん!!って勝手に共感していました。(諸事情があってお店は閉店していますが、オーナーは違う形で静岡のために頑張ってます。実は今も私はお世話になっています。)

しろくまジャム(当時)今は閉店し、別のフィールドで活躍されてます。

とろつなしろつなの開発の半年くらい前にさかのぼるのですが、ある日、清水の金柑の農家さん(もちろんウチの魚の肥料のユーザーさん)から「こん太という金柑のブランド化(大きさ・見た目維持)のために、規格外のものがどうしても出てきてしまう。市場に出しても0円で回収されちゃって、もったいないんだけどなんとかならない?」という相談がありました。「こん太」は今でこそ、糖度20以上のスイーツ金柑としてメジャーになりましたが、当時はまだ始まったばかりで、色、大きさ、傷などの規格を定め、規格外品は市場で没収みたいな形を取っていました。味には何の問題もないので本当にもったいなあと。収穫をいつも手伝っていたのでこん太への愛情は人一倍ありました。

左がOK品で右がNG品の「こん太」

その時にパッと頭に浮かんだのが、「しろくまジャム」セミナーで話を聞いただけで、名刺交換もせずに帰ってきたので面識は全くなかったのですが、ダメ元で飛び込んだんです。そうしたらあれよあれよと話ががっちりと嚙み合いまして、なんと数週間後には商品化&取材まで受けてしまうという展開になったのです。スゴイ!!

規格外の「こん太」がチョコレートジャムとスパイスの入ったジャムに変身。
取材もされてしまいます。イズカワの出番は無し。

その時の成功体験そのままに、売れない缶詰達を抱えて再び「しろくまジャム」へ飛び込んだんです。

運命が変わり始める

私イズカワは、小学校の頃までは比較的活発で明るく誰とでも友達になれるようなピュアな子供でしたが、成長していく過程で色々拗らせたのか人見知りで初めて会う人なんか何も喋ること思い浮かばないタイプでして、飛び込みで話をしに行くなんてありえない行動でした。しかし、この行動がイズカワの運命を変えることになるのです。

しろくまジャムのオーナーであるタケマさんに、なぜ肥料屋がツナ缶を作るのか、そして今まさに静岡の産業のピンチであり、それをこのツナ缶を使って救いたいんだ!!と鼻息荒く伝えると(恐らくですが)熱い想いに共感していただき、とりあえず5缶づつ置いてもらえることになったのです!!2017年2月のことでした・・・初回の生産から半年の月日が流れていました・・・(賞味期限3年あってヨカッタ・・・)

こん太ジャム発売の1年後、とろつな・しろつなと共演することに。

翌日、タケマさんから連絡があり、「とろつなが全部売れたので次はもっと沢山持ってきて!」と。ええ!こんなことってあるんですか?そして更に、近くにあるお店で置いてくれそうなところを紹介してもらえたのです!!(実際に注文ももらえました。)神ですね。そしてその年の6月、「小さい商店をやっている人たちの集まり(飲み会)があるんだけど来ない?」とのお誘いをもらいます。そうです、人見知りにとっての天敵・大人数のアウェイです。普段なら、「予定みてみますねー」(棒読み)で終わりなんですが、急にたくさん売れて気をよくしたイズカワ、二つ返事で「行きますっ!!」と・・・一体、人見知りイズカワの運命はどうなるんでしょうか。

ということで続きます。目指せ!毎週更新!!ありがとうございました。

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