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私たちに与えられた試練⑫

前回は2回目の開胸手術のお話をしました。
カテーテル検査の際、アブレーションを試みましたが、不整脈をすべて焼き切ることは出来ませんでした。
そのまま次の手術が決まり、もともと入っていた3mmのシャントを4mmに変更する手術が行われました。

術後、容態が良くなったり悪くなったりを繰り返し、思っていたよりも入院が長引いてしまいました。

しかし明らかに、手術をしてからの方がサチュレーションがあがり、脈も薬でコントロール出来るようになり、体調が安定したと感じました。

それからは、感染症に気を付けながら過ごす日々ではありましたが、夏に気管支炎、そのあとすぐにノロウイルスに感染し、地元の医療センターへ入院となりました。


カテーテル検査入院③回目(2017.9.11~9.14)

今回もまた1例目ということで、9時に検査室へ搬送。
すると、途中でカテ中の主治医から呼び出しがあった。
今までで初めてのことだ。
私は何かあったのではと思い、一気に不安になった。
急いで検査室の前まで行くと、
『血管が細いところがあり、バルーンを行っても良いか』
ということだった。
検査前にそのお話は聞いていなかったので、確認のための呼び出しだった。
私はホッとして、また部屋で息子が帰ってくるのを待っていた。

医療用の小さなバルーン(風船)を使って狭くなった血管を内側から押し広げ、血液のスムーズな流れを取り戻す方法です。

【結果】
肺動脈の右側に狭窄している部分があった。全体的にも細い。
左右バルーンを行った。
肺動脈がまったく育っていない訳ではなさそうだが、今の状態で
グレン手術にいけるか?といったら、まだその時ではない。

選択肢として、
①もう一度バルーン療法
②血管を広げる手術
③同時にグレン手術

どうするかは、外科とのカンファレンスにかけられることになった。

予定通り退院し、翌日病院から電話があった。
カンファレンスの結果、12月に再度カテーテル検査とバルーンを行うことになった。(①でいくことに)

カテーテル検査入院④回目(2017.12.11~12.14)

この日も1例目だったため、9時検査室へ搬送。
予定通りバルーンも行い、大きな動きはないままに、年が明けて1月に外来を受診することになった。

その1月の受診の際、ようやく次の
グレン手術へすすみましょう』
との待ちに待った言葉を頂いた。

グレン手術(2018.5.17~6.10)

オペ当日2018.5.21


手術1例目8:25手術室へ搬送。
私たちは荷物をまとめ、家族待合室へ。
13:15頃執刀医の先生が出て来られた。
グレン手術・肺動脈形成術、同時進行で行いました。
あとは、胸を閉じるだけです。

14時半頃、主治医の先生も出て来られた。
肺動脈は右側だけ形成。
肺動脈圧10。とても良いスタートです。
人工呼吸器は2.3時間後に外す予定です。
SPO2:90くらい。

15時過ぎにPICUへ通されると、すでに人工呼吸器は外されていた。
これまでで一番はやい。説明を受け安心し、私たちはマクドナルドハウスへチェックインした。

2018.5.24

術後の状態も良く、3日後にはHICUへ移動することになった。
が、すべて順調とはいかず、気胸がみられドレナージを行ったとのこと。
一瞬不安がよぎる。
調子が良いと思っていると、そこからまた急降下。
術後にはよくあることだと自分に言い聞かせる。

気胸(ききょう)とは肺から空気がもれて、胸腔(きょうくう)にたまっている状態をいいます。空気が漏れてたまっても、胸は肋骨があるために風船のように外側に膨らむことはできません。その代わり、肺が空気に押されて小さくなります。つまり、肺から空気がもれて、肺が小さくなった状況が気胸なのです。

ドレナージ
とは、胸膜・腹膜腔などの体腔から排液するためにチューブ・ドレーンをおく操作のことをいう。

2017.5.25

【外科主治医より】
再び気胸がみられた。
痛み止めを打って管を入れ、肺を膨らました。
管を入れたまま、病棟へ上がるのはまだ危険なのでもう少しHCUで診ていきます。
心臓、その他は問題ないので肺の問題が解決したら、病棟へあがります。

2017.5.29

HICUより一般病棟へ移動。
病棟へ上がってからは順調だった。
糖質制限と水分制限があり、食べた食事も水分も重さを量らなければならないので、付き添い中はとても忙しい。
食事は段階を経て普通食へ。
日に日に回復し、6.10に退院することとなった。
術後3週間で退院ということで、これまでの入院生活でいちばん短い入院期間だった。

ワーフアリンの服用が開始となり、いくつか気を付けなければならない点がある。
納豆・クロレラはビタミンKを多く含むため、薬の作用を弱めてしまうのでNG!
血液をサラサラにする作用があるので、頭を強く打ったり、出血を伴うケガにはじゅうぶん気を付ける。
当時まだ伝い歩きをしていたので、フラフラして転んだり、わが家は階段もあるので、家の中でも危険がいっぱいではないかと私はとても怖くなった。
先輩ママさんたちに聞くと、
『大丈夫!気を付けないといけないけど、そんなに意識しすぎないでも大丈夫だよ!』とみんな口を揃えて言っていた。
私は少しホッとした。
そしてその言葉通り、最初こそ緊張はしたものの段々と慣れていった。

退院後、自宅へ戻るとドッと疲れが出てしまい、私は体調を崩してしまうことも多かった。
退院の日から10日ほど、記録が途絶えてしまっているのは、きっとそのせいだろう。


退院後1ヶ月の受診では、とても順調ですとの言葉を頂いた。
心臓が小さくなっています。
そういわれたのは初めてのことで、本当に嬉しかった。
ワーフアリンの値INRも問題なし!

次に目指すのはフォンタン手術!!
根治術だ。

フォンタン手術とは、上大静脈(上半身の血液がもどってくる静脈)、下大静脈(下半身の血液がもどってくる静脈)の両方を肺動脈をつなぐ手術です。最近では、Total Cavopulmonary Bypassの頭文字をとってTCPCと呼ばれることもあります。フォンタン手術の前にグレン手術が行われている場合には、すでに上半身から帰ってくる血液は肺動脈に流れているので、下半身の血流を肺動脈に流す手術となります。フォンタン手術は、「(使える)心室が一つしかない」心臓病に対して行われる手術です。

まとめ


フォンタン手術は12㎏を目標に行うとのことだった。
11㎏になったらカテーテル検査をし、体重の増加を待ってフォンタン手術。
 
フォンタン手術までは、まだしばらくかかりそうなので、この間に先延ばしにしていた予防接種を受けたり、市の健診へ行ったり…

発達面は当然ゆっくりなので、1歳半健診のときにはまだ歩くことが出来なかった。

2歳になる頃にはミルクも卒業していて、ようやく一人歩き出来るようになったと記録してあった。

体重の増加を待ちながら、家で出来ることを努力した。
遊びの中で筋力をつけたり、たくさん声掛けをして言葉を教えたり、興味のあることを一緒に楽しんで、運動面も情緒面もどちららも少しずつ成長していってくれたらいいなと思っていた。

大好きなプライマリー看護師さんが言って下さった
『子育てを楽しむこと』を実行していた。

そのお話はこちらの回でお話しています。
良かったらご覧ください♡


つづく(●'◡'●)

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