照明器具の選び方
今日、照明器具はほとんどがLED化され、一つ一つの単価も昔の電球より高くなっています。また、家庭用照明器具、いわゆるLEDシーリングライトも近年ますます普及しています。近い将来、蛍光灯はなくなってしまうのではないかとさえ思ってしまいます。では、実際そのような器具をどのように選んでいくのでしょうか。今回のお話では、LED電球の選び方、LEDシーリングの選び方をご紹介してきたいと思います。
LED電球
まず、比較的安価であるLED電球の選び方から行きましょう。家電量販店に足を運ぶと様々なLED電球があり、選ぶのに気が遠くなってしまいそうです。作っている会社もたくさんありますし、同じ会社でも金額が異なるものがたくさんあります。まず、一般家庭のダウンライトなどに使われる電球には2種類あります。E26とE17といったものです。これはいったい何でしょうか。これは口金といわれるものです。電球をはめる際、大きさがあってないと入りませんよね。その大きさは基準ごとに統一されています。26や17といった数字は、下の金具が26mm、17mmを表しているということになります。ここまでわかったところで、実際のLED電球を選ぶ際のコツといったことをご紹介していきます。まずどこのメーカーがいいのでしょうか。即答です。それはパナソニックです。とりあえず、良いLEDが欲しいというのであれば、パナソニックに限ります。良いという言葉には、寿命と光の質の両方が含まれています。どこのメーカーでも基本的にLEDの寿命は40000時間となっていますが、あくまでも公称値であり、実測値でありません。もともと、LEDというのは構造的に切れるというものではなく、長期間使うことによって、だんだん明かりが暗くなっていきます。40000時間使用で、光の明るさが70%になってしまうことからこれを寿命としているのです。
LEDの寿命についてわかったところで、次は実際に商品を選ぶ際に見るべき点について話していきます。
結論から申し上げます。
1.明るさ選び
2.調光機能の有無
3.断熱材施工の有無
詳しく書いていきます。
まず、電球の明るさを選びます。60W形、40W形など、明るさは白熱電球の消費電力に基づいて設定されています。例えば、60W形では、白熱電球で60Wの明るさに相当するということです。以前白熱電球を使っていた方ならば、その明るさを基準にして、さらに明るくするか暗くするかを選択すればよいということになります。LEDでは消費電力が白熱電球の10分の1前後ですから、たとえ、明るくする場合でも消費電力を気にする必要はありません。以前、白熱電球で60Wを使っていたけれど、暗かった、明るくしたいとなれば、100W形を購入すればよいというわけです。LEDをもともと使っていて、新しいものに買い替えるという場合。これは少し厄介なことになります。インターネットを使って、自分の使っている型番を打ち込んで、何W形のものかを判断するというのが正攻法になります。それが面倒くさいという方に、本体だけで、ある程度絞ることができる方法をお伝えします。例えば、消費電力が8.2WのLED電球があったとします。これは何W相当でしょうか。答えははっきりとは確定しませんが、一番確率が高いのは60Wです。どうしてこのような結論になるのでしょうか。私は以下のように考えます。まず、LEDの消費電力は白熱電球の消費電力の10分の1以下になることは通常ではないと考えます。すると、60W形のLEDは最低でも6Wは消費するということになります。次に、100W形のLEDを考えたとき、これは、最低でも10Wは消費します。よって、この中で最も可能性が高いのは、60Wということになります。LEDが数年前のものでしたら、変換効率が現在より劣っていると考えることができ、8.2Wでもあり得る話なのです。
明るさが選定できたところで、次に見るポイントは、調光機能があるかどうかです。電球を設置するところのスイッチを見てみてください。ダイヤルや、バーがあれば、それは調光機能です。つまり、電球の明るさを壁についたスイッチでコントロールする機能がついているということです。それがなければ、調光機能が付いていないということになります。これが何か関係があるのかと思うかもしれません。白熱電球や、蛍光灯の時代ではそのようなことは気にしなくてもよかったのですが、LEDは回路が複雑で、調光機能をつけるのにコストがかかってしまいます。現に、調光機能がついているものとついていないもので値段が異なります。スイッチに調光機能があるのに、調光機能のないLEDをはめると、点灯しない、または点滅するなど、正常に動作しない可能性があるので注意が必要です。
次に、断熱材対応かどうかということです。電球をはめるところに、SGI、SBなど書かれている場合は断熱材施工されており、断熱材施工対応LEDというモデルを買わなければなりません。こちらは、マニアックで知られていないかもしれません。当然、対応のLEDは値段が高くなります。仮に、対応していないLEDをはめるとどうなるのでしょか。発火します。といえば、脅しになるのでしょうか。一般的にLEDは発熱しても60度前後にしかならないといわれています。その熱が発散できなければどんどん熱がこもり、温度が上がります。断熱材施工されているところでは、放熱できずに通常使用より発熱する恐れがあります。発火するかといわれれば、する確率は非常に低いと考えます。ただ、問題が起きれば責任を問われることになります。メーカーは責任を負うことを非常に嫌います。いわゆる、保険をかけているということです。自己責任で対応ではないものを買ってもいいですが、問題が起きてもメーカーは対応してくれないということです。
LEDはお金を積めばある程度良い商品が買えます。それだけ、放熱にコストをかけたり、発熱を抑えるような素子にしたりできるからです。では、どの商品がお勧めになってくるのでしょうか。まず、イオンなどで売られている300円前後の自社ブランドは期待しないほうがよいです。パナソニックが一つ2000円前後で売られていて、買う人がいるわけです。LEDは700円から1000円ぐらいが適正価格だと個人的には考えています。300円で作ることができて、全員がそれを買うならパナソニックは値下げをするか撤退するしかありません。商品として維持できている以上、需要はあるのです。とりあえず、お試しで使ってみたいというのであれば、そういった商品でもよいのですが、少しでも長く使いたいのであれば、おすすめはしません。
いくつかおすすめのものを例に挙げておきます。
色はそれぞれ個人で選んでください。上から順に高いです。どれも調光器非対応、断熱材施工も対応していないです。コスパは真ん中が一番高いと思います。
LEDシーリングライト
次にLEDシーリングライトの選び方に行きます。
これも先、結論から申し上げます。
1.部屋の大きさをもとに明るさを決定する
2.調色機能の必要性
3.拡散レンズの必要性
家電量販店に足を運ぶと様々なLEDシーリングライトが展示されており、選ぶのに大変苦労します。目もチカチカして早く現場から立ち去りたいとさえ思うかもしれません。何も知識もないまま、選ぶとなればどんどん悩む時間も増えていきます。かといって、販売員のいいなりになるのも嫌だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。なので、ここではどのように選んでいくのかをご紹介していきます。
まず、エアコンと同じで部屋の大きさをまず調べます。シーリングライトは部屋の大きさによって明るさが異なってきます。8畳用や、12畳用といった具合にそれぞれの部屋の大きさにあった明るさのモノを選ばなければなりません。
次に、調色が必要かどうかということです。つまり、色を変える機能が必要どうか。近年のシーリングライトは、白色のLEDと黄色のLEDを組み合わせて、リモコンを使用することで色を変える機能が備わっているシーリングライトが存在します。主に、夜間の寝る前などに電球色、いわゆる黄色みたいなリラックスした色に変えたいという需要にマッチした商品ということになります。この機能があるかどうかで、価格帯が変わってくるため、この選定は非常に重要になります。具体的な数値で表すと、調色がないモデルだと、7000円以下かもしくはそのあたり、調色機能がついているモデルだと1万円ぐらいの予算になってきます。
次に部屋の大きさが大きい場合、拡散レンズが搭載されているものをお勧めします。拡散レンズ(メーカーにより呼称は異なる)を採用しているものは本体のサイズが比較的大きく、光がより遠くに届くように調整、または開発されているものです。一般的なLEDシーリングライトは、真下周辺に光が届きやすくなっています。8畳用などでしたら大した問題にはならないのですが、12畳用など、比較的な大きな部屋になってきますと、部屋の端のほうに十分に光が行き届かないため少し暗く感じることがあります。このようなことを防止するために、部屋の大きさが大きい場合、値段は少々かかりますが(20000円あたり)拡散レンズを搭載している機種をお勧めします。どの機種についているのかよくわからないというのであれば、販売員にリビングにお勧めで光を拡散するようなモデルはどれですかと聞いて、価格帯を2万円前後と指定してあげればたいていの場合はそれがお勧めになります。
ここで、一つ、調色がないモデルで比較的お買い求めやすいモデルをご紹介しておきます。
NEC HLDZ08203
最後に、LEDシーリングライトで消費電力を気にされる方がまれにいらっしゃるのですが、メーカーによって差があります。大体、10Wぐらいの違いでしょうか。この違いであれば、消費電力の差で選ぶということないと思います。この消費電力差では、本体代金の差額分を取り返すことができないからです。自分の欲しいものを選ぶほうがよっぽど満足度は高いでしょう。