
AIツールの効果的な使い方(プロンプト方法)について解説する。
今では、「AI」は避けて通れない時代になっています。Chat GPTやMicrosoft Copilotなど、皆さんがお持ちのデバイスに入っていたり、会社でも導入・利用される場面が増えてきているのではないでしょうか。
特に、最近のAIツールでは「CoT(Chain-of-Thought)プロンプティング」や「LLMテンプレート」といった用語がよく登場しています。
初心者の方々にとっては何のことかさっぱりわからないかもしれませんが、実際にはこれらの概念は、AIを効果的に使いこなすための重要なテクニックとなります。本記事では、これらの用語の意味と、それぞれの利点について解説したいと思います。上手く活用できれば、前回の記事のように「素人でもアプリが簡単に作成」できるようになったり、仕事や日常のタスク効率が倍増します。
1.CoT(Chain-of-Thought)プロンプティングとは?
CoTプロンプティングとは、日本語に訳すと「思考の連鎖」を促すプロンプティングです。これはAIに問題解決をさせるとき、解決への過程(思考の流れ)を意識的に考えさせる手法です。簡単に言えば、”どのような立場で””どのような考え方をして””どのように答えればいいか”をAIに明確化させてあげるイメージです。
1.1 CoTプロンプティングの仕組み
従来のAIは、1つの質問に対して直接的な答えを出すように設計されていました。しかし、複雑な問題の場合、答えに至る過程が重要です。CoTプロンプティングを使うと、AIは「なぜそうなるのか」「次に何を考えるべきか」といった順序立てた考え方をしながら、答えを導き出すようになります。
1.2 CoTプロンプティングが役立つ場面
CoTプロンプティングは、次のような場面で非常に有用です。
複雑な問題を解く:計算や論理的な推論が必要な場合。
判断が複雑な質問:多くの条件を比較する場合。
ステップバイステップの説明が必要な場合:分かりやすい答えを提供するために、手順を追って答えを出す必要がある場合。
2.LLMテンプレートとは?
LLM(Large Language Model)テンプレートとは、AIに使わせるフォーマットや言い回しを一定の形にまとめたものです。これにより、質問の意図がわかりやすくなり、AIがより精度の高い答えを返しやすくなります。
2.1 LLMテンプレートの概要
LLMテンプレートは、AIに特定の形式で応答させたいときに役立つ「型」のようなものです。例えば、「~について詳しく説明してください」といった形でプロンプトをテンプレート化することで、AIが返答する際に話題を限定し、焦点を合わせることができます。
2.2 LLMテンプレートの用途と利点
LLMテンプレートには以下の利点があります。
一貫性のある出力:フォーマット化されるため、答えの質や形式が安定する。
効率化:一度テンプレートを作成しておけば、繰り返し使えます。
多用途な応用:異なる質問にも同じテンプレートを使うことで、回答の質を保ちながら効率よく応答させることができます。
3.CoTプロンプティングとLLMテンプレートの組み合わせの効果
上記で紹介した、CoTプロンプティングとLLMテンプレートを組み合わせることで、AIが論理的な思考を通して、かつ一貫した形式で回答できるようになります。これにより、複雑な問題にもステップごとに考えを進めながら答える、安定した質の高い応答が期待できます。
4.実際に使ってみよう:基本プロンプト例
以下に、実際の例を紹介します。
下記のように”役割”と”条件”と”出力内容(出して欲しい回答)”を入力することで、精度の高い回答を得られるようになります。
#命令:
あなたは{プロのpythonエンジニア}です。
以下の条件と入力文をもとに、優れた出力をしてください。
#条件:
文字数は400文字程度
素人でも分かるように
細かな順序を記載して
誰でもわかる簡潔な文章
#出力内容:
GOALを入力すれば、必要なタスクを自動で洗い出してくれるコードと手順を教えて
5.まとめ
CoTプロンプティングは、AIが思考の過程を踏まえて答えを導く手法であり、複雑な問題に対して非常に有用です。一方、LLMテンプレートは、一定の形にプロンプトをまとめることで、安定した出力を引き出す技法です。これらを組み合わせることで、AIの力を最大限に引き出し、あなたの仕事や日常のタスクを更に効率化してくれると思いますので、是非試してみてください。