母の家を片付ける 番外編 高齢の親はなぜ物を片付けたがらないのか
母の寝室を移動して、衣類を整理した1ヶ月。ものすごく働いた! ことは前回その19で総括しました。
今回はその中で学んだ、親との片付けについてまとめてみることにしたよ。いやあ、いろいろ学んだ! まずはここから。
高齢の親はなぜ物を片付けたがらないのか
これね。ほんと、すんなりとお片付けに同意してくれる親って、意外と少ないようなのです。
わが家も1ヶ月頑張り抜いて、やっと「手放す」ことの練習の入り口付近に立てたのではないかと思える母。ここにたどり着くまでに何年もかかったわけで、なぜここまで片付けに抵抗していたのか、今回一緒に片付けてみてちょっとわかった気がしました。
1,片付けろと言われることで直面する人生の残り時間
まず、「こんなにたくさんのものを持っていったいどうする」「なぜ片付けない」「これじゃああとが大変」といった言葉を繰り返されることで、否応なく人生の残り時間が少ないことを突きつけられている気になるのだと思う。直視できる人は抵抗なく片付けられるのかもしれないけれど、「死」が不安であり恐怖である人は多いので、片付けはそこに直結してしまうのかもしれない。
2,「できない」ことを認めたくない
できない、できないと言われるが、私はまだまだ大丈夫。年寄り扱いしないでほしい。この気持はかなり大きいのかも。転ぶから、危ないから、汚いから、できないから。。。。。つい繰り返されがちな言葉に、自尊心を傷つけられるんじゃないか。
3,私のこれまでの人生を否定するのか
こんなつまらないものを後生大事に。。。。。とか、よくまあ、こんなに溜め込んだね、、、、なんていう言葉をかけられることで、自分の人生を否定された気持ちになる。今が「ダメ」だから整理してちゃんとしてあげる、というスタンスで向き合うことは、相手の積み重ねた時間を否定していると受け取られることもあることは、忘れないでいたほうがよさそう。
4,指図しないでほしい
親子だからこそ遠慮がなくなり、相手が高齢になればなるほど、口調は命令口調になってしまう。こちらは頑張っているつもりでも、相手にとっては偉そうに指図しないでほしいと伝わることもあるのでは。
年を取ると親子関係が逆転していくものだけれど、それを受け入れられないうちは、子の指図に素直に従いたくないと思う人も多いはず。
一口に「片付ける」といっても、いろいろな気持ちの背景があるんだなあというのが今回の実感。自分自身もいずれ通っていく道で、若いころはてんでわからなかった親の気持ちが、かなりわかるようになってきたなあって思う。
それで思った。片付けで大事なのはここかなーと。
とにかく一気にやろうとしない
片付けは長い道のりと思って、一気に済ませようとしないほうがよさげ。かといって、ずっと張り付いてエネルギーを費やすこともできないので、自分ができる範囲を決めて取り組み、無理なところは業者さんを上手に使ってやっていくしかないというのが、今回の教訓でした。
その意味で、手をつけたほうがいいものと、つけなくていいものについて分類してみたよ。
<手っ取り早くできる片付け>
キッチン道具や食品
衣類>特にアンダーウエアやパジャマ、普段着類は片付けやすい(フォーマルウエアやよそ行きは、処分できないものが多いので別の場所に移動するなどの工夫を)
本、雑誌、スクラップ
バッグや旅行かばん、くつ
<後回しにしてよい片付け>
写真>一緒に見てフォトブックにまとめるといった作業もいいけれど、とにかく時間がかかるので、これは極言だけど亡くなったあとでよい部類の片付けかと思う
手紙類や思い出の品>上記同じく。ただ、残されても処分に困ることだけは伝えて、本人にひとりでやっておいてもらうのがよさそう
ふとんやリネン類>今回は場所を空けるために一気に処分したけれど、よほど古いもの以外は「来客の可能性」を奪うことに。置く場所があるなら急いで処分しなくてよさそう
趣味の材料>「これからもまだ作る」可能性を奪うことになるので、多少じゃまでも置いておくほうがよさげ
ほか、なんかあるかしら。あったら教えてねー。
そして、もうひとつ、これ。
時間のものさしは違うと心得る
この記録の中でも書いたけど、年を取ると時間の観念があやふやになっていく。10年前に買ったものが「つい最近買った」となるし、何度か使っていても「ほとんど使っていない」となりがち。
古いから、昔のものだから、ぜんぜん使っていないものだから、といった観念はあまり通用しないと心得て、相手の時間のものさしに寄り添うほうが良いように思った。
「つい最近買ったの」と言われたら、違うでー! と思ってもとりあえず「そうなのね」と同意して、「これから先も使うかしら?」と判断を促していくのがいいように思う。
まあ、とにかく忍耐いる。
がんばれ。
どんどん長くなっちゃうので、とりあえず今回はここまで。自戒、高齢の親とうまく片付けをするコツをまとめてみますー!
おやすみなさいなのだ。