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ワンタンメンが愛おしい

子どもの頃、母に連れられて行く外食といえば、デパートの食堂だった。デパートと言っても、当時は最寄駅から10分ほどで行ける立川の駅前にある、あれは何という名前だったかなあ。
高島屋じゃなかったように思う。第一デパートだったのかしら。
その上の階にある食堂で、私はお子様ランチを食べ、母はラーメンを食べるというのが定番だったように思う。

高度成長期のあのころ、住宅街でラーメンはハイカラな食べ物だったんじゃないか。駅前のお蕎麦屋さんでも母が頼むのは中華そばで、家にはチキンラーメンの箱買いがいつでもあった。

そんなこんなで、私は立派なラーメン好きに、育った。


中でもワンタンメンが好きだ!



ワンタンは、薄ければ薄いほどよい。
餡は、少なければ少ないほどよい。

よく、まるまると太ったワンタンを売りにしているお店があるけれど、あれはもうワンタンではなく餃子焼売と思ってしまうので、噛まずにツルツルと喉越しのよいワンタンが、愛おしいなあと思う。

それはつまり、ワンタンの皮が好きってことなのかしら、と思い

一度、ココ(稲荷町の喜多方食堂)で、トッピングに「ワンタンの皮」とあるのを見つけて狂喜乱舞して注文してみたけれど、ありゃあ、ワンタンの皮だけじゃだめなんじゃった。
皮だけだと重なって団子のようになって、ツルツルとした食感が消えてしまう。

ワンタンにほんの少しだけ餡を入れるのは、ワンタン同士をくっつかなくさせるという意味もあるんだ。奥深い。


どうでもいいことばかり書いている。
こういう、どうでもいいことは、どんどん書けるなあ。

ちなみに、ワンタンメンと非常によく似た語感の「タンメン」というのもあって、そちらも好きだ。
ワンがつくかつかないかで、全く別の食べ物になる。

さらにいえばタンタンメンも好きだ。こちらは、タンがくっつく。

以上が私の好きなラーメンベスト3で、タンメンと、枕詞にワンがつくのと、タンがつくのと。
ありゃ。

枕詞をつなげたら ワンタン になった。

やっぱりワンタンは最強だ。


カバーにある写真は稲荷町にある支那そば大和のワンタンメン。
これは私にはちょっと大きすぎるワンタンなのだけれど、全体的に美しいのでよしとする。おいしい。

ここのワンタンメンはワンタンの数と種類を選べる。この日は肉2個えび2個。切り落としチャーシューをトッピングでつけて。

先日おすすめ記事を見て行ったのが、1950年創業の浅草の老舗中の老舗、来集軒。ほとんどの人がワンタンメンを頼んでた。

オーソドックスの極みといったワンタンメン。どっか普通のおうちに行ったかのようなとっちらかった店内で、しみじみいただく昭和のワンタンメン。何の変哲もない。ちょっとしょっぱい。それが、いい。下町だ。まったくもって、下町だ。

以前、食いしん坊の編集者さんと話していて、なるほどねと思ったのだけれど、彼は「餃子のスタンダードラインが王将なんです」と。王将の餃子以上のものに出会えればうれしいけれど、とりあえず、王将の餃子が食べられればそれで十分幸せ。そういうスタンダードラインみたいなもの、ありますよね、って。

それでいくと、私のワンタンメンのスタンダードラインはこれだなあ。

写真大きくしてやった。
喜多方ラーメン小法師のワンタンメン。

とりあえず、これが食べられていれば十分しあわせです。

今日はほんと、どうでもいい話ばかりでごめんなさい。
でも愛おしい。
ワンタンメン、愛おしい。

タンメンとタンタンメンの話も、きっとまたいつか。

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