膵臓癌の母との1年。
ある年、年始からなんとなく具合が悪いと言っていた母。健康そのもの!というタイプではなかったが、大きな病気をすることもない母には珍しいことだった。
症状としては、オリモノがいつもより多い。とのこと。更年期症状の1つかな、と本人も世間話程度に話された私も気にしなかった。
かかりつけの内科医に相談した際も、特に心配はないでしょうとのこと。
年末年始は1年の疲れが溜まる時期なので疲れが出たのかと思っていた。
オリモノが減らず、ほかに特別な症状があるわけではないが、不快なので婦人科に行くことにした。定期的に通って、更年期に関わる薬を飲んでいたかと思う。
そして夏頃、婦人科にたまたま月1度来ているガン関係のお医者様からの勧めで国立がんセンターを受診することになった。
10年ほど前に癌になった父を支え続けた母はまさか自分が行くことになるとは思ってもみなかっただろうと思う。
家族もそれは一緒だった。
仮に癌だとしても早期発見ならいい、そうじゃなくても、乳がんや子宮癌の生存率は比較的高いからそれなら一緒に戦えばいい、とさまざまな想像をしていた。
そして結果がわかる日、仕事が終わるとメールが1通届いていた。
「ごめんね。ママ癌になっちゃった。」
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