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出雲重機ワークス 1/12アートトイ(1)

アートトイ開発の経緯について記録としてまとめたいと思います。
長いので記事を数回に分けます。

出雲重機の発足とアートトイ企画以前まで

1998年頃、出雲重機はウェアブランドとしてとして始動、各種展示会への参加と2000年に「designplex」誌で特集を組まれ広く知って頂けるようになりました。

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2006年には画集「出雲重機 INDUSTRIAL DIVINITIES」を出版。それがきっかけになってガレージキット開発計画、大手メーカーから商品化企画の提案はあったのですがいずれも実現しなかったのです。徐々に「出雲重機」の表立った活動はやめて広告分野のデザインやAD業務をメインに活動していました。ちょっと異質な仕事に関わっていた時期もありました。2011年には仕事が激減したため、ゲーム会社に契約社員としてお世話になっていた時期もあります。

アートトイ企画スタート

2014年夏頃、1000toysよりアートトイ企画をご提案いただきました。
大変ありがたいお話でしたが一方で私自身が「出雲重機」に対して諦め気味であったことや様々な広告や商品開発に携わったことで客観的に『「出雲重機」のようなものは日本では受け容れられ難いのではないか』という不安がありました。
ですから、まず最初に『「兵器」表現に依存しては』という提案をさせていただいてそのラフのやり取りが2ヶ月ほどありました。

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そうは言いつつも物語があるわけでもないのに「俺が考えた強くて格好いいメカ」を描く照れ臭さであったり氾濫している類似企画に埋没する懸念や本来とは真逆のコンセプトに迷いが拭いきれず、描いたラフもなんだか中途半端で余計に迷走しかねない状況に陥ったため、協議の末にやはり本来の「インダストリアルアート」の形を取ることに。自分の作品については、信念を曲げて媚びたものを作っちゃうとずっと後悔を抱える事にもなってしまうので、この葛藤の期間を与えてくれた事も振り返って大変ありがたかったなと思います。

組換え構造のアイデア

ただそれでも発足以来の人気の無さの自覚は拭えず心配ではあったので、些細な「遊び」の要素として「組換え構造」について提案をさせていただきました。

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この「組換え」については、オリジナルの段階でうっすらイメージはありましたが、より玩具性の高いアイデアとしてはガレージキット開発計画の頃にデザイナーであり「ミクロマン」コレクターとして知られる指田稔さんからいただいたご提案を活かしたものでもありました。指田さんからのアイデア詳細は発売中の「出雲重機 INDUSTRIAL DIVINITIES 2017」に掲載されていますので是非ご覧ください。

(2)へ続きます。