「反乱者たち」シーズン2の見所紹介（前編）
2014年の秋から2018年の春まで放送されたディズニー初となるスター･ウォーズ シリーズのアニメ作品『反乱者たち』をシーズンごとに、私なりの見所や楽しみ方と合わせて紹介したいと思います。
本作は「クローン･ウォーズ」に続き、2012年に引退した原作者ジョージ･ルーカスの弟子的存在であるデイブ･フィローニが原案・製作総指揮・総監督を務めました。映画第１作「スター･ウォーズ エピソード４ 新たなる希望」の５年前から反乱同盟結成に至るまでが描かれます。
2023年夏に配信予定の「アソーカ」では本作のキャラクター登場とクロスオーバーが期待されています。
シーズン２は「クローン･ウォーズ」や旧3部作に関連したサプライズ要素が多く、記事ではそれらに触れています。
なるべく「結末は見てのお楽しみ」という形で物語のさわりを紹介していますが、完全なネタバレ回避にはなっていませんのでその点ご注意ください。
1話から4話までの見所
ゴースト･チームは《1〜2話》からシーズン１で合流したフェニックス反乱分子と行動。コマンダー･ジュン･サトーという日本人らしい名前のキャラクターが登場しますが、総監督のデイブ･フィローニが敬愛する日本のクリエイター福田純と佐藤勝の２名の名前から取られています。
このアークでついにダース･ベイダーがロザルに現れます。ケイナン＆エズラ、そしてアソーカが初めて彼と接触する様子が描かれ衝撃的な幕開けを見せます。
《3〜4話》のアークでは３人のクローン･トルーパーが復活。「クローン･ウォーズ」が前年のシーズン６で中途半端な状態で打ち切りとなって以来の登場でした。劇中ではクローン戦争から14年余りが経過し、倍の速さで肉体が歳を取るクローンたちの見た目は大分変化しましたがその力は健在。帝国軍が襲来し新旧のウォーカーが対決します。非常に痛快かつ感動的なアークです。
5話から7話までの見所
《5話》からはシーズン１で倒された大尋問官に代わるヴィランとして２人の尋問官が登場。フィフス･ブラザーは2022年に配信された「オビ＝ワン・ケノービ」でも韓国人俳優サン･カンが演じて実写化されました。
まだまだジェダイ入門者のエズラが相対するには非常に強力な敵ですが、３人のチームワークで危機に立ち向かいます。
《6話》ではホンドー･オナカーが登場。「クローン･ウォーズ」からの人気キャラ復活が続きます。彼は今後もエズラの前に登場することになりますが、ジェダイとも対等に渡り合い、共闘もしたホンドーがエズラの成長をどう見るのかも見所です。
1988年のテーブルトークRPG由来の設定ではB･ウイングはアクバー提督によって「シャンティポール計画」の中で設計したとされていましたが、この《7話》で正史においては「シャンティポール」は研究所のある惑星名、設計者はアクバー提督と同じモン･カラマリ種族のクアリーという形に設定が更新されました。
このエピソードは総監督のデイブ･フィローニが監督を務めています。自身の祖父がパイロットで叔父が飛行機の整備士でもあったとインタビューで語っており、そうした境遇が作品に反映されているように見えます。
8話から11話までの見所
《8話》ではサビーヌがアカデミーを離脱後、ケツーと共に賞金稼ぎとして活動していた事が語られます。ケツーを雇うブラック･サンは「クローン･ウォーズ」でモールの犯罪同盟にも加わっていた大きな犯罪組織です。初出はルーカスが積極的に企画に携わった「帝国の影」で、こちらも映像化の噂がある作品です。
《9話》のインターディクター級スター･デストロイヤーは古くは1989年のウエストエンドゲームズ刊の「帝国軍ソースブック」、1992年の小説「帝国の後継者」に登場。デザインは1996年の「エッセンシャル･ガイド･トゥ･ビークルズ･アンド･ヴェッセルズ」のダグ･チャンのイラストが元になっています。
ケイナンとレックスのペアが任務に当たります。彼らの関係の変化も大きな見所となります。ケイナンが抱くクローンへの不信は前年（2015年）のコミック「ケイナン」（あるいはのちの「バッドバッチ」）で描かれています。
「反乱者たち」は日本の地上波／テレビ東京でも放送されましたが、《10話》が最終回となりました。放送は2016年3月でした。以降のエピソードには同年12月に公開された「ローグ･ワン」にも繋がる要素もあったので残念な終わり方でした。
「クローン･ウォーズ」シーズン２第３話「フォースの子供たち」ではダース･シディアスがシスの兵隊として育成するためフォース感応者の子供の誘拐を企てますがこのエピソードによればそうした陰謀がまだ存続している事がうかがえます。
アソーカが久々にライトセーバーを抜きます。白色の光刃には特殊な事情があるのですが、その経緯が語られた同年10月に発売された小説「アソーカ」と合わせて光刃の色（カイバー･クリスタル）にまつわる設定が大きく更新され、当時物議を醸しました。
《11話》はシーズン２前半のクライマックスです。テレビ放送もせめてこのお話まで放送して欲しかったと思ってしまいます。
10話で反乱分子の潜伏地を把握した帝国軍がガレルを急襲。フェニックス戦隊が脱出を急ぐなかエズラは両親の手がかりを求めケイナンとともにロザルへ。兄弟のような関係性がより強くなったケイナンのエズラに対する態度の変化も見所になっています。
シーズン２の見所紹介（後篇）に続きます！