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フォース・オブ・1996

1996年に発売された「Star Wars: The Essential Guide to Vehicles and Vessels」という本が私をクリエイターの道に進ませたと思っています。

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スター・ウォーズ スピンオフ作品のビークルや艦船の図鑑です。これに掲載のダグ・チャンという人物の絵を見て当時22歳の未熟な私は「スター・ウォーズのヴィジュアル面が危ない」と勝手に焦ってCGイラストを制作してウェブサイトで発表することに。まだ「特別篇」公開前、「エピソード1」の噂が出始めた頃でした。

使用ソフトは「StrataStudio Pro」です。背景は「KPT Bryce」という地形生成ツールを使いました。当時のパソコンはApple PowerMac7500/100でした。

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元のデータは随分前にロストしてしまったのですが、最近プリントアウトしたものを見つけてスキャンしました。元々の解像度が低かったり、ちょっと見苦しいですがご容赦下さい。まずは映画からお気に入りのメカをモデリングしました。
1996年の作です。(ちなみに当時はリトルファルコンのメンバーでした)

Xウイングは大気圏内をこのアングルで飛ぶ絵を見たことが無かったので作りました。陽光の下で砂漠を飛行するファルコンも同様です。どっちも「フォースの覚醒」より19年前。AT-ATは雪原か森林にいる絵しかなかったので荒野に立たせてみました。スター・デストロイヤーをモデリングしてPhotoshopでXウイングと合成していますが、当時のバージョンは4.0です。フィルタの「逆光」をやたら使ってしまいました。

以下、スピンオフからの機体です。左が元ネタです。

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「ダークエンパイア」のハウルランナーです。今思うとマクォーリーの「バック・ロジャーズ」の宇宙戦闘機っぽいですね。そして「逆光」。

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こちらも「ダークエンパイア」からE-ウイングです。この機体、キャノピー上にレーザーキャノンがあるのが格好いいような不便なような。ドロイドも乗れないし。

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TIEアドバンストx1TIEインターセプターです。こういう編成が見たかったので作りました。当時の資料は1993年のジョージ・ルーカス展の図録と竹書房のスター・ウォーズ・クロニクルです。今は色々充実してて良い時代になりました。

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TIEファイターです。背景にはデス・スター プロトタイプ。「エピソード3 シスの復讐」のラストに出て来た奴です。その9年前の作。

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Aウイングです。昔はブルーバックの光学合成だったから実現できなかったマクォーリーのコンセプト画のブルー中隊仕様。「反乱者たち」や「エピソード8」でもこれ見よがしにブルーのAウイング出て来ますね。

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クエーサー・ファイア級クルーザーです。フィローニが「反乱者たち」(2016)に登場させてくれましたね。アレンジもコレより全然帝国軍らしく格好良かったです。

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「Han Solo at Stars' End」に登場のXウイングの旧型機のヘッドハンターです。マラ・ジェイドも乗ってました。「クローン・ウォーズ」(2011)ではマクォーリーのXウイング原画風あるいはコリン・キャントウェルの試作モデルにエンジンをアレンジしたもの(Sフォイルではなく)が登場していました。全く解ってる漢フィローニ。憎い。ああ一緒に仕事したい😢

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ゲーム「TIE FIGHTER」に登場のTIEディフェンダーです。ダグ・チャンの絵がまた残念で、トロイ・ビジルの図面を参考にCGを作りました。これも「反乱者たち」(2016)に登場して大活躍でした。最高かよフィローニ!

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「ダーク・エンパイア」からTIE-Dです。「ダーク・エンパイア」結構好きなんですよね。TIE-D、続三部作に出して欲しかったです。

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AT-PTは絵としては左図のダグ・チャンのものが最初ですかね。脚とか「かわいそうなダグ・チャン、この人スター・ウォーズのメカデザインが全然わかってないんだ」と生意気に試行錯誤した覚えが。まさか副社長にまで上り詰めるとは。
「ハン・ソロ」のAT-DTは超良かったですね。ジェイムズ・クラインの仕事?

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「フォースの覇者」のMT-ATです。「面白いんだけど帝国軍の兵器らしくない」と思ってアレンジを検討した記憶があります。今思うとドワーフ・スパイダー・ドロイドの延長線上のものとしたら有りかも?「ワイルド・ワイルド・ウエスト」にこんなの出て来ましたね。

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「Tales of the Jedi」のケイ・ケル=ドローマの船ネビュロン・レンジャーです。これだけプリントが痛んでしまってました。コミックだともっとメカメカしてるんですが、当時のマシンスペックではこれが限界でした。

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最後も「ダーク・エンパイア」から、シレッと復活したボバが乗るスレーヴIIです。
スレーヴIの格好良さから比べると何だよコレって感じですよね。カノンのボバにはスレーヴIのまま最後まで頑張って欲しいです。「バトルフロント2」ではマズの城のそばに放置してありましたけれど。

それから時は経って

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脱サラしてフリーとなり、ゲームや映像作品など色々な現場でお仕事をやらせていただくようになりました。そこで培った技術で3年前(2018)に何となく作ったのがこのイラストです。

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ジョー・ジョンストンが「帝国の逆襲」で制作した戦車の没ネタがもし実際に採用されていたら、という体で制作しました。

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これはケナー社の「MTV-7」という80年代の玩具向け企画のビークルが、実際に本編に出ていたら、という体で制作したもの。他にもアイデアが尽きません。

全然「スター・ウォーズ」に関われる機会もコネも無くて、悔しいのでこういうのたくさんやるつもりでしたが日々の業務に追われて全く余裕がありませんでした。

今はBlenderを習得しようと思っているので、練習がてらまた時間を作って再開したいと思っています。noteで習得の経過なども記事にしたいと考えています。

追記:
ダグ・チャンについてはナラティブアートを愛するルーカスが何故彼を選んだのか今となっては理解できますし、現在は前線を退いて若く優れたクリエイターに重要な仕事を任せる場面が多くなったように思われ、そうした姿勢にリスペクトを感じています。何より自分の創作心に火を付けてくれた事には感謝しかありません。

追記2:
私が運営していたファンサイトは「Micro Star Wars Museum」です。ドット絵でSWキャラを描いていた事に由来します。自作アイコンが流行っていた頃に発足し徐々に3DCGアートに移行しました。現在は跡形も無くウェブアーカイブサービスでも見つけられません。バックアップもロストしてしまったのですが掲載してもらった1996年頃のMACLIFE誌が入手できれば証拠になるかも。実家に残しておいたのですが実家が転居した際に捨てられてしまったのです。

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