遠征しました。その1
10月20日〜10月21日、1年と2ヶ月ぶりに東京へ行って来ました。
目的は帝国劇場で上演中だった(東京ではすでに公演終了)の『ローマの休日』と東京宝塚劇場で上演中の『はいからさんが通る』を観ること。交通手段は夜行バス、一泊四日の金なし遠征です。去年の8月に『エリザベート』を観に行って以来2度目の遠征、かつ初めての一人旅。
まずバスに乗るため、梅田に着いたのは21時半ごろ。ラストオーダー直前のタピオカ屋に駆け込んで、バスに乗る前の腹ごしらえから始まりました。なんてやってたら体がちょっと冷えた上にバス酔いになりやすそうな状態を作ってしまい、少し反省するところからのスタート。
バスの乗り場は梅田の茶屋町のあたりにあって、久々に梅芸の前へ。こんな時間にこの辺り歩くのいつぶりだろう。いつもなら終演後、ふわふわしながら通ってた道。終演後、すぐに出てくるスタッフさんたちを横目に通る楽屋口の横。なんて考えたら、なんだかすごく泣きそうでした。初めてほんとに1人で旅をする心細さもあったかもしれない。しかもイヤホンで聞いてたTWICEが”you & I 언제나 곁에 있을게(いつでもそばにいるから)”なんていうもんだから余計に泣きそうに。
22時半、バスに乗り込みいざ出発。どこでも寝られる自信があったのにほぼ眠れませんでした。やっぱり一人で緊張してたのかな。当たり前のことかもしれないけど、バスがちゃんと東京に到着して、東京駅にたどり着いたときはめちゃくちゃ感動しました。朝の丸の内駅舎に向かっておはようございます!って心の中であいさつしたくらい。それと同時に、去年も見たオリンピックのカウントダウンクロックがまだそこにあることになんとも言えない気持ちになりました。
さて、夜行バスなので東京駅に着いたのが朝7時、この後11時に帝劇でローマの休日の当日券をとって13時から観劇、その後ホテルにチェックインして18時半からはいからさんが通る、というスケジュール。10時半に帝劇前と考えても、それまで3時間半もあります。しかもまだ朝の7時や8時、お店なんてほとんど開いてません。それで私はどうしたか。
歩きました。
丸の内有楽町日比谷あたりのエリアをひたすらうろうろ。銀座にある不二家の看板に懐かしさを覚えたり(幼少期に関東に住んでて、母との二人きりのお出かけの時に連れて行ってもらった)、有楽町駅前でファミマとセブンが真横にあるのに心の中で突っ込んだり、阪急メンズ館の存在にホッとして自分の阪急民を実感したりしながら3時間。東京駅構内も含めてとにかく歩いて歩いて歩き回って時間をつぶしました。今回のプチ目標として、東京駅周辺の地理を把握する、というのがあったんですが、それなりに達成できたんじゃないかと思います。ちなみにこの日の総歩数、2万5千歩を超えました。
10時45分ごろに帝劇前へ行き、11時すぎに当日券を無事にゲット。ラッキーなことに一階席の最後列を取ることができました。しかもセンターブロック。当日券だしいくら言っても2階席だよなあ、でも某梅田の劇場と違って観やすいしいっか、なんて考えてたので結構嬉しかったです。そして余談ですが劇場前で見かけた人が大学の教授にすごい似ててなんか焦りました…
チケットが取れたあとは日比谷公園へ行ってそれなりにぼーっとして、夜の花組公演のチケット発券して、シャンテでローマの休日のサインポスターと花組の衣装展示見て。HMV日比谷コテージ行ってみたかったんです。ミュオタ的にたまらないですねあそこ。大阪にもあんなのないのかな。
いよいよ13時になっていざ観劇!
なんてったって大好きな二人の舞台で、そのために遠征したわけなので、楽しくないわけないんです。宝塚時代から大好きな朝夏まなとさんに、私を東宝ミュージカルの世界に突き落とした加藤和樹さんの二人が主演。しかも演目は大好きな映画の一つ、ローマの休日。しっかりと自分の責任をわかっていながら、1日だけでも逃げ出したかったアン王女と、そんな彼女に惹かれていくジョー。庶民になりきれないアーニャと、下心で近づいたはずなのにアーニャを記事になんて到底できなくなってしまうジョー。最後の再会のシーンが特に大好きなんですが、映画を見た時に感じた喜びと切なさ、そして少しの期待がそのまま感じられて、作品も、主演の二人(とアーヴィング)も、改めて好きだなあと感じました。
まあ様のアン王女が可愛くって!多分、まあ様のアン王女はもう大人だと思うんです。自分が負うべき責任も、その意味も、覚悟もほとんどできている。ただ、ほんの一瞬だけ、一人の女の子として自由な時間が欲しかった。それさえあれば、あとは頑張れるから、と、そんなふうに見えました。たおちゃんのも観れてたら二人の差からも色々と感じられたかもしれないんですが、残念ながらタイミングが合わず。ポスターを見ていても二人から受ける印象がかなり違うので、観てみたかったです。
和樹さんのジョーは、あんまり和樹さんであんなチャラい役というか不真面目な感じの役を見た覚えがないので、まず新鮮でした。(友達に言わせると「珍しく死なない」笑)和樹さんのジョーはすごく懐が深い感じがして、何をしても笑顔で見守ってくれている感じがしました。もちろん、アーニャといるのは下心からだったけど、ひとつひとつ新鮮に反応するアーニャを単純に面白がってそうな。
そして今回この演目を観たかったのにはもう一つ理由があって、それはずばりまあ様のダンス!宝塚を退団してしまうとショーが無くなってしまうので、踊っている姿をなかなか見ることができません。コンサートは東京でしかやってもらえないことが多いし。それが今回のローマの休日は、時間としては長くなくても、かなり踊ってる方らしいことが公式の動画で伺えて、何がなんでも観なくては!となったのです。久しぶりのまあ様の踊り、やっぱり素敵でした。長い手足を余すことなく使ってのびのびと踊る姿はいつ観てもほれぼれします。指先、爪先まで本当に綺麗なんです。あんなふうに踊れたらなあ。(午前中に歩きすぎたせいですこーしだけ寝そうになっちゃったのはごめんなさい…)
終演後は一旦ホテルにチェックインし、次の準備をして
夕方からは東京宝塚劇場ではいからさんが通る!
この演目、母娘揃って原作の大ファンということもあり一緒に観に行こうと話していたのですが、元のスケジュールの時に全然前売りが取れなかったんです。当日券という手段も考えましたが、初日が近づいてくるとそろそろコロナの影が見え出していて、これは当日券はキツそうだなー、というか幕開くのだろうか、という感じになっていました。その後、公演をやるつもりだということ、そして当日券扱い分を前売りにするとの告知が出て、なんとか当日B席分の前売りを買いました。が、結局初日はやってこなかった。そのあと夏に再開した時もやっぱりチケットを取って、でも今度はクラスター発生で観られなくなって。初演は初演で受験生が故に観られなかったので、今回念願の観劇となりました。
初めての東京宝塚劇場。映像では何回も見たことがありますが、実際に行ってみると思っていた感じと違って結構面白かったです。というかかなり狭く感じました。よく考えてみれば梅芸とそこまで変わらないし、そりゃあんな都会のど真ん中でおっきい劇場立てようとすればコンパクトにもなるよなあ、とは思いますが、大劇場の、周辺も含めて土地がたっぷりな、広々とした空間に慣れきっていたので結構な衝撃でした。
観劇前にはキャトルで東京公演のプログラムと、自分のお土産に東京劇場限定クリアファイルを買って地域共通クーポンを消費。1000円だけだったのでここで使おうと決めてました。キャトルも梅田の店舗とほぼ変わらない狭さにびっくり。割と密になってたので買うものだけ買ってすぐに店を出ました。席に着くと客層がムラと違って幅広い印象があって、子供も大人も、男性も女性も、まさに老若男女という印象を受けました。(私の隣もお仕事帰りの男性だった)それに、直前に観たピガールで空席が目立つ大劇場を見ていたので、満席なのには本当に感動しました。
で、肝心の舞台はというと、もうめっっっちゃくちゃ良かったです。本当は2日目もローマの休日の当日券取る気でいたんですが、それやめちゃうくらい、はいからさんが楽しくて仕方なかったです。売り切れてなかったら絶対二日目も観てた。(完売自体はおめでとうございます!)だって、少尉が、紅緒が、蘭丸が鬼島さんが環が、そこにいるんですもの!!!紅緒を見つめる少尉がまさに伊集院忍少尉そのもので、紅緒さんの逞しさと可憐さが漫画そのままで、この2人に関しては何をどう表現していいのか分からないくらい素敵でした。
他のキャストも、マイティの鬼島さんは荒々しさと色気があってかっこいいし、音くりちゃんの環は「殿方に選ばれるのではなくて私たちが殿方を選ぶのです」という姿を凛と見せてくれるし、ほのかちゃんの蘭丸はひたすら可愛いかと思ったらふと男の子だし、ほんっとに劇場で観られて良かった!!冬星さんの「全部忘れさせてやる」と「来たな、恋人」のセリフが増えてたのも嬉しかったしあきらさんめっちゃかっこよかったです。(でも冬星さんと牛五郎は初演が好きでした…この2人に関しては初演が良すぎた)
それに生で観られて何が良かったって、冗談社のシーンなんかで鬼島さんと環が結構絡んでるところを見られたりとか、蘭丸と牛さんの細かい絡みが見れたのが嬉しくて。はいからさんが通るってキャラが誰も彼も個性的だし数も多いし、映像だと抜けてしまう部分がかなり出てしまってると思うんですよね。それが細かく見られて、漫画の世界観を直に感じることができたのがすごくすごく嬉しかった。ていうか蘭丸が可愛すぎたんですよ!基本は非力で紅緒さんより乙女な蘭丸だけど、忍さんに対してものすごく嫉妬してるのがよく分かって。青薔薇の時にすごくかっこよくなったなあと感じてたけど、さらにほのかちゃんの成長を感じました。
で、ひとしきり舞台の感想を語ったところで遠征の話に戻ると、終演後はコンビニ寄ってからホテルに戻って、ご飯食べてすぐ寝ました。感想をまとめる体力はもう残っていなかった…(ほとんど眠らないまま17kmも歩いて観劇×2なんてやったら当たり前)しかもこの日ややこしかったのは、大好きなPENTAGONがデビュー4年目にして初めて音楽番組で1位を取るという感動的な日で、久しぶりのまあ様と和樹さん、久しぶりの花組と念願のはいからさん、フイさん入隊前に間に合ったタゴニの1位と、心が忙しすぎてついていけませんでした笑
あ、帰り道、劇場を出た人の雰囲気がムラと違うなあと感じてなんだか面白かったです。ムラは劇場を出てもまだ屋内ですが、東京だと劇場を出る=建物を出るになるので余韻が少し残りにくいのかなーと思ったり。あとは多分、関西と関東の違いがここで出てるんだろうなと感じました。聞こえてくる会話が関西弁じゃないのがすごく久しぶりだったので余計にそう感じたのかも。観劇後に都会的な雰囲気の中にいるのがものすごく不思議な感じがしました。
さて、ここから2日目の話に入るのですが、長くなってきたので次回の投稿に続きます。(こんなこと言うと大体続かないから今回は頑張るよ!)