恐怖!大雨高速教習
先日、無事に車の運転免許を取得した。
教習所の卒業検定、運転免許センターでの学科試験も1発でパスした時は流石にガッツポーズだった。嬉しい。
ここに至るまで実に10年もの長きに渡る車の運転免許取る取る詐欺を働いていた人間だと誰が思うだろうか。
教習所での各種教習、効果測定、みきわめ、検定等諸々色々あったが、その中でもとにかく忘れられない項目がある。
高速教習である。
路上教習の後半にドンと待ち構えていた高速教習に私はとにかくビビっていた。
場内だろうと路上だろうと指導員から
「もっとアクセル踏んで!」
「加速が足りない!」
「アクセルが上手く使えないとブレーキも上手くならないよ!」
と散々注意されていたビビりのため、最低時速50km以上で走らねばならない高速道路を走行するなど考えただけで震え上がった。
とはいえこれをクリアしないとどうにもならないのも事実。とにかく事故らず安全運転で…等と神に祈った後で高速教習当日の天気予報を見てみると、とんでもない情報が表示された。
高速教習当日に大雨予報が出ていたのである。
私はスマホを片手に固まった。
学科教本等でも散々雨の日の高速走行は危険、と言われていたのに大雨の中高速道路を走る?仮免許が?マジで?
いやでも大雨警報が出るほど降るとも限らんしHAHAHA、もしかしたら雨で延期になるかもしれんしHAHAHA、とギリ正気を保っていたが、その後も大雨予報は変わることなく、高速教習当日を迎えた。
予報通り大雨が降るも、電車も止まらず教習も中止にならず高速道路も通行止めになどもちろんならず、予定通り高速教習を決行する事となった。
社会インフラは私が思っているよりもずっと強かった。恐れ入る。
やがて教習開始の時刻となり、私と同乗する教習生もう1人の前に指導員が登場した。
指導員はテンション高めに教習で使用するETCカードを見せてくれたが、当の私は大雨の中高速走行する恐怖と緊張に頭が支配されていたため、全く盛り上がれなかった。これについては今でも申し訳なく思う。
あと緊張のあまりETCカードのスロット挿入にも手こずり、5分ぐらい無駄にした事も申し訳なく思う。
さていよいよ教習所出発である。
緊張のあまり場内で右折する際縁石に乗り上げるなど信じられないミスをしたが、とにかく教習所から一番近いインターチェンジを目指して出発した。
ビビりながら路上を運転し、無事インターチェンジまで到達。ETCでゲートがぱかんと開いた時はちょっとだけ感動した。
ETCを抜けた後は坂道になっていたため必死にアクセルを踏み込むもなかなか速度が上がらない。
焦っていると指導員から「他の車はもっと加速してますよーアクセルもっと踏んでくださいね」と煽られ、「他の車待ってえ置いていかないでえ〜…」と半泣きの勢いでアクセルを踏んだ事は今でも忘れられない。
やっとの思いで坂道を越え、いよいよ高速道路の本線車道が見えてきた。
この時「おお…」と感動したものの、それも一瞬の話で「え?私が今からこの本線車道に入る?正気?」と即恐怖と緊張に頭が支配された。
だがここまで来たら本線車道に突入するしかない。やるしかないのだ。
加速車線で充分に加速、ミラーと目視で確認し、右合図を出す。入るタイミングを伺う。
さっきまで散々私を煽っていた指導員も無言で右後方の様子を伺っていた。
この辺で車内の緊張は最高潮に到達していたと思われる。誰も発声しなかったし、私も緊張のせいか本線車道突入の記憶がやや曖昧である。
ふと本線車道第一走行帯の右後方を走る車が見えた。
こちらは加速しているが、その車は次第に遠ざかっていく。恐らく減速しているのだ。
「譲ってくれてる!今しかねえ!」と判断した私はそのまま「行っけぇぇぇぇ」と渾身の勢いでアクセルを踏み抜いた。
一瞬の間、自分の意識が継続している事に心底安堵した事も忘れられない。無事、本線車道に合流出来たのである。あの時譲ってくれたドライバーの方、本当にありがとうございました。
本線車道合流した後は当然そのまま本線車道を走る訳だが、一般道路では出さない速度に慣れるまで時間がかかった。
高速走行中、少しでもハンドルががたつくと車体が揺れるためなかなかの恐怖であった。
その後も大雨の中平然と爆走していくバイクに車内(主に指導員)が騒然としたり、追い越し車線でスマートに追い越して行ったSUVがめちゃくちゃかっこよかったり、人生初めてのパーキングエリアにテンションが上がるも実際は何も買う暇が無かったりと色々あったが、無事に教習を終えて教習所へ帰ってきた時は膝から崩れ落ちるほどに安堵した。
無事に運転免許を取得した現在でもこの大雨高速教習だけは忘れられない。
死ぬかボケるかまで言い続けてやろうと思う。
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