カフェタイム#26
side里桜
「良かったらこの後靴下買いたいので一緒に行きませんか?」
一緒に?私も?
「…いいですよ」
まあ予定ないしいっか
「…ありがとう」
あまりうれしそうに聞こえない…
やっぱり断るべきかな…
それともこれが普通なのかしら…
「あの…名前聞いていいですか?」
「さとうりおです」
「僕はすずきつとむです」
すずきつとむさん…
「LINE交換しましょう」
「はい」
あの時は嫌だったのに…
「…佐藤里桜さん」
「鈴木功さん…」
つとむは功って字なんだ
この人は私が苦手とする男性とは違うタイプの人なのかもしれない
こんな人もいるんだな
靴下を手に取り考える
鈴木さんには地味かしら?
こっちはどうかな、可愛いけど
仕事の時に履く靴下かしら?
誰かの物を選ぶのは難しい
でも…少し楽しいかも
誰かの事を考えながら買うって楽しい
バス停で別れて帰宅
鈴木さんって不思議な人だな
いつも外を眺めて過ごす時間が買い物になったけど楽しかった
いつもが少し変わった
いつもが変わるのはあまり好きじゃない
でも…今日は楽しかった
久々に笑った
これはこれでいいかもしれない
私の中のちょっとした変化
明日の天気予報見てから寝よう
明日からはまたいつもの日常
明日晴れるといいな
おやすみなさい
…なんでおやすみなさいって言ったんだろう?
まあいっか
つづく
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