白熊杯短歌🐻❄審査員賞👑✨十六夜賞🌖
白熊杯は、いよいよ本日が最終日です。
今大会は、俳句・短歌・川柳と3部門共に大盛況でした💐
みんなの俳句大会の短歌部門としては、宇宙杯、鶴亀杯、十六夜杯に続き、白熊杯が4回目の開催となり、短歌のレベルも格段にアップ、上質でかつ個性的な歌が集まってきているなと感じました。
とはいえ、私自身が大会に参加したのは、鶴亀杯、もっと言えばスピンオフ企画の「こっそり返歌」からでした。返歌の楽しさを知るところから短歌を詠むようになり、最初は古語を使うことが多かったです。
ここ最近は、現代短歌が主流ということもあり、白熊杯短歌の参加作品は、そのほとんどが現代短歌となっていて、詠まれる方も今までの古い型や価値観ではなく、自由な空気、作風のもとに詠まれているのが、とても印象的でした。
今回、私が白熊杯短歌審査員として選んだ公式賞である十六夜賞では、おそらく他の審査員と少し異なる観点から選んだと思います。
賞ではありますが、私は短歌のプロでも専門家でもありません。
この賞は、本質的な短歌の優劣を決めるものではなく、あくまでも各審査員の好みや選ぶ基準の違いが色濃く反映しています。そこは、ご理解いただきたいと思います。m(_ _)m
私が選んだ基準(好み)は、私設賞を選ぶ時の基準にも似ています。
まず、私がファーストインプレッションでより心揺さぶられたもの。
声に出して読むとリズミカルで、心地よいこと。
複層的な世界観、読み手によって多重の解釈の余地がある。
余韻が残る。
何よりも言の葉の使い方が絶妙である。
その先のストーリーを感じさせて、思い浮かべたくなるような奥行がある。
その世界観が好きである。
思わず返歌をしたくなる。
以上のことを念頭に、参加受付締め切り後にあらためて、白熊杯短歌149人382首(全首一覧表)より、作者を見ずに厳選しました。
この全首一覧表は、riraさんが毎日コツコツと丁寧にまとめてくださったものです。
(人''▽`)ありがとうございました☆💖
下記6首が、公式の十六夜賞です。
👑✨👑✨👑
白熊杯短歌✨審査員賞
🌖十六夜賞👑6位
どこで見る? 次の桜の話など
する人と食む年越しの蕎麦
初参加のsuzucoさん、こっそり返歌企画にもご参加いただいて、素敵な短歌を詠まれています。
実は、もう1首のオリオンの短歌と迷いました。最後まで選考に残っていて、予選の12首に両方残っていました。
こちらを選んだのは、この会話口調で始まる斬新さと、大晦日に年越し蕎麦を一緒に食べながら、春のお花見の話(予定)をする関係性と距離感をうまく表現しているなと思ったからです。
幸せな瞬間の切り取り方が絶妙です。
私の場合、将来や遠い未来の話が苦手です。
もちろん、何かを誰かと約束するのも。
だから、次の季節の話をするのが、きっとやっとの距離感なのかなぁと、勝手に想像してしまいました。来年やその先の話をするよりも、少し気楽に約束できそうです。
でも、実はすでに家族のように絆の深い関係性と読むこともできますね。
読む人によっては、いろいろなふたりに見える、想像の余白が垣間見える、その余韻もまた魅力的でした。
この2人は、桜を一緒に見ることができたのでしょうか?
🌖十六夜賞👑5位
無差別に愛を求めることやめて
着膨れるまま閉じるファスナー
こちらの短歌をまず読んだときに感じたのは、この人は、なぜ「無差別に愛を求めること」を「やめて」しまったのだろうか?
「着膨れ」ているのは何によってなのだろうか?
そして、なぜそのまま「ファスナー」を「閉じ」てしまうのだろうか?
ぐるぐると考えを巡らしながら、ふと思い浮かんだのが、こちらの首とほぼ対局になるかのような短歌でした。
両の手に持ちきれぬほど愛を受け
まだ欲するか飽くなきまでも
きっと、「無差別に愛を求め続けていた」過去からの脱却なのかな。
と、勝手に解釈してしまいました。
それが、なぜなのかは思い到らないけれども。
もっとも、これらは私の勝手な想像なので、作者の意図とは、まるで違うと思いますが💦
いずれにしても、私にとって、とても余韻が残り、想像の余白の多い作品でした。
🌖十六夜賞👑4位
初日の出錆びたワタシと太陽は
確かにそこに確かに在った
ミテイさんの短歌は、今回も参加の3首ともに個性的で、唯一無二の作品でした。どれも直接、脳髄に響くというか、覚悟を持って挑まないと読めません。感性の戦いとでも言うべきか。。。
中でもとりわけ響いたのが、こちらの1首でした。
「錆びたワタシ」からは、存在の耐えられない軽さを感じます。
(同じタイトルの小説・映画が昔ありました)
「錆びたワタシ」と「太陽(初日の出)」との邂逅
この首を読んだときに、最初に思い浮かんだのが、ランボオの詩の一節を含んだゴダールの映画でした。
もっとも、作者本人はまったく意図していないところで、私が勝手にイメージを結び付けてしまっただけではあるのですが。
そして、審査とは関係がありませんが、この画像との取合せも面白かったです。なぜ、その画像を選んだのか、理由が知りたいです。
感性の問題なのでしょうね、きっと。
ミテイさんのデジタルアートには、心揺さぶられるものがあります。
短歌の審査とは、全く関係ないのですけれども。
🌖十六夜賞👑3位
捉へしは一期一会の雪の花
いともたやすく消ゆると知れど
恋歌ですね。苗子さんの短歌は、一種独特な輝きに満ちていて、リズミカル。声に出して読むととても心地よいです。
そして、唯一無二の個性をお持ちと思います。その感性が響くのか、いつも読んだ瞬間に返歌を詠みたくなります。こちらに強く語りかけているような、お手紙のように感じてしまうからです。
1人語りのような短歌も好きなのですが、返歌し合えるような余白(隙間)があり、情緒に溢れ、慈愛に満ちたような短歌に魅かれます。
少し寂しげで寄り添いたくなるような短歌も好きですが。
コメント欄でたくさん返歌のやり取りをさせていただき、後に白熊ぽんにまとめさせていただきました。
苗子さんとの返歌のやり取りはとても勉強になります。
即興で詠む短歌筋みたいなものが鍛えられます。(^-^;
🌖十六夜賞👑2位
東雲に崩るる深雪は声も無く
思ひの色が染まり溶けゆく
1首でのご参加でしたが、この1首がとても濃くて味わい深かったです✨
普段から言の葉に敏感な方の紡がれる作品は、ほんとうに上質の絹やビロードのように、何度も何度もその滑らかさを確かめずにはいられなくなります。
(´▽`*)✨
「思ひの色」という言の葉も素敵ですが、私は上句の「崩るる深雪は声も無く」の表現に酔い痺れました。
記事の中で「すべてが愛おしいと思える」とおっしゃられていました。
そういう風に、いつか私も思える瞬間がくるのでしょうか。
まだまだだなぁ~と思いつつ。
(*^-^*)💞
👑✨👑✨👑✨👑✨👑✨👑
🌖十六夜賞👑1位
冬ざるる心あやなし思ひゆく
面影も見えぬあけぐれの空
流れるような煌めく言の葉たちが、心模様をしっとりと表現していますね。
冬になって荒れさびた情景をさす「冬ざれ」という俳句の季語があります。
この名詞を動詞化した「冬ざるる」は、本来の「冬されば(冬になれば)」の誤用だったそうですが、「ざれ」という濁音の響きがまさに冬の侘しさを音で表現していて、後に俗用ながらも定着したものだそうです。(各種文献による説のひとつ)
その荒れさびれたる様を表す「冬ざるる」と、まだ夜が明けきる前の薄暗い「あけぐれの空」が、切ない心持を上手く表現しているなぁと、思いました。
作者本人も言葉選びにこだわったとおっしゃられていましたが、「冬ざるる」「あけぐれ」、それから「あやなし」など、絶妙な組み合わせで効果的にその世界を表現しています。
思わず返歌を詠みたくなるような首でした。
そして、本当に白熊ぽんで詠んでしまいました。
(´▽`*)✨
🌸🌸🌸
以上が、白熊杯短歌の公式審査員賞 🌖十六夜賞👑✨の6首でした。
👑✨受賞された皆さま🌟👑
㊗受賞🎊🎉おめでとうございます💐
(´▽`*)✨
その他、最終候補に残った6首は、また別の機会(記事)にて紹介させていただきます。
💎💎💎
他の審査員賞の記事は、こちらです。
⛄⛄⛄
私設賞の「勝手に賞」もたくさんの方々が記事を出してくださいました。
こちらもぜひ、楽しんでくださいませ。
(*^-^*)💞
【追記】2023/2/3 22:00
白熊杯グランドフィナーレのエンドロールです✨
ぜひご覧くださいませ💐
(*^-^*)💞
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