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イギリスと泥棒・・・その3

今回は「イギリスと泥棒」の3回目です。

ある時、ロンドンで親しくしていた同僚に辞令が出て帰国することになりました。彼は、ロンドンから東京に引っ越すことになります。

後任者が赴任してきて引継ぎを行い、引継ぎが終わり次第引っ越すことになります。彼にはあまり時間がありません。

そんな慌ただしい時期に、早朝、彼から自宅に電話がありました。
何かと思ったら、「車を盗まれたから、証人になってくれ」とのこと。

当時のロンドンでは路上駐車OKでした。
私もそうでしたが、彼も自分の車を路上駐車していたんです。
(今でも路上駐車がOKかどうかは知りません)

その車を盗られたというわけです。

証人と言っても、私が盗難現場にいたわけではありません。
しかし、保険会社は当然事実関係を調べる筈です。
もし、保険会社に質問されたら、盗難直後に彼から電話連絡があったという事実を伝えてくれとのことでした。

しかし、彼は全然慌てている様子がありませんでした。
何故慌てていなかったのか、その理由は後で分かりましたけど・・・。

もちろん証人の件はOKしましたが、保険会社から私には何も連絡はありませんでした。というか、保険会社はほとんど調べなかったと思います。

彼の車はイギリスの大衆車(メーカー名は忘れました)で、はっきり言ってボロ車。

だから、引っ越しに当たって売却しても二束三文にしかならなったところを、彼は、盗まれたおかげで保険金を満額受け取れたんです。

彼が慌てなかった理由は、こういうことだったんです。
泥棒も、たまには被害者の役に立つことがある(?)んですかね?


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