<仕事術>大事なのは見えない部分!
以前、数人で、有田焼の焼き物の工房を見学したことがあります。
有田焼の卸売会社の専務に案内してもらったので、
普通の観光客とは一味違う見学ができました。
その工房を訪れた時、その工房の社長は轆轤(ろくろ)を回しながら壺を作っていました。
我々が黙って見ていると、粘土の塊が形を整えていき、
鶴の首のように細長い壺が出来ました。
10分か15分程度経過したと思いますが、真っ白で左右対称、
表面が滑らかな細長いきれいな壺が出来上がりました。
感嘆しながら我々が見ていると、社長は何も言わずに、
出来たばかりの粘土の壺の口に糸をあてて、
縦に真っ二つに切ってしまいました。
そして、我々に壺の裏側(つまり壺の内部)を見せてくれたのです。
その壺の裏側(内部)を見て、私は驚きました。
裏側(内部)も、表面と全く同じように完璧な形をしていたのです。
凹凸もなく、滑らかさも光沢も、全く表側と遜色がありません。
粘土の肉厚も左右対称、凸凹なんかどこにもありません。
誰の目にもふれない部分も完璧だったわけです。
それを見て、私は、壺の表側が完璧だから裏側(内部)も完璧になっているのではなく、裏側(内部)が完璧だからこそ表側も完璧になったのではないか・・・と思いました。
つまり、目に見えない細かい部分を完璧にしなければ、
目に見える部分も完璧にはならないのではないか?ということです。
これはおそらく全ての仕事に通じるような気がします。
目に見えないところこそ完璧にしなければならないのではないか?
目に見えない部分だからと手を抜いてはいけない。
見えない部分にこそ気を配り、完璧に仕上げれば、おのずとすべてが完璧になるのではないか、という気がします。