藪漕ぎでも山は楽しい
普通の山登りは、大体尾根を登ります。
それも踏み固められた登山道を歩くことが多いです。
人のこない道を歩く方が気分は良いんですが、道なき道と言うことになり、藪を歩くことになるかもしれません。
こういうのを藪漕ぎと言いますが、ピッタリの呼び方だと思います。
たまたま雨が降った後に藪漕ぎをすると、雨に濡れた葉っぱの水滴を、全部シャツが吸うことになります。当然、全身びしょ濡れになります。
また、藪の種類によっても、その歩きにくさが異なります。
例えば竹藪(根曲竹など)だとザックが引っかかって前に進めません。
昔のキスリング型の横長のザックは特に引っかかりやすく、無理に前進しようとしても動けません。
こういう時は焦らず、ザックに引っかかった枝を、一本一本手で取り除かなければなりません。
当然ながら、歩くには時間がかかります。
また、こういう藪では眼鏡を飛ばされることがあります。
目とメガネの間に枝が入ってきて、飛ばされるんです。
普段メガネをかけている人が、眼鏡なしで草むらで探し物をするのは簡単じゃありません。余計な時間もかかります。
枝が目に刺さる危険もあるので、こういう時は、ゴーグルをかける方が安全です。
竹藪でなく、丈の高い草むらの藪の場合は、イバラなど、トゲのある草が生えていることがあります。
こういう草は、ズボンやシャツの上からでもトゲが刺さるのでたまりません。
軍手をしていても刺さるので、手袋も選ぶ必要があります。
こういう所を歩くと、シャツがキズだらけになります。
知り合いの女性で、新品のシャツを着てきて、一回でオジャンにした人もいます。
誰でも歩ける普通の山道ではなく藪漕ぎをするなら、見通しもきかないし、地図を読めなければなりません。
地図も、慣れてくれば立体的に見えるようになるので、順番としては、まずは地図に慣れることです。
こういう道なき道を歩くのが好きな友人がいて、私も何度か経験しましたが、やってみると意外に楽しいものです。
もっとも、こういう山は、最初から頂上なんか目指さない方が良いと思う。
頂上なんて、ただの通過点ですからね。
それよりも、人が少なくて静かな山行を楽しめるので、
どこかでゆっくりとして、帰りに温泉にでも入って、一杯やる方が良い気分だと思います。
山の楽しみ方も色々とあるものです。