山で早く歩く方法はあるか?
山形県に朝日岳という山があります。標高は1870.8m。
標高が2000mに満たないので、決して高い山ではありません。
しかし、緯度が高いせいか、頂上付近にはハイマツが生えており、
その風景は、北アルプスや南アルプスの3000m級の山みたいです。
とても良い山だと思います。
そして、頂上直下に大きな山小屋があり、普段は無人ですが、夏には登山者が多いので小屋番がいます。
私が朝日岳に登ったのは夏だったので、小屋番のオジサンがいました。
このオジサンと話をしていると、歩くスピードがメチャクチャに早いことが分かりました。
「どうして、そんなに早く歩けるんですか?」と私は質問しました。
すると、彼はこう返事しました。
「右足を出したら、その右足が地面に着く前に左足を出す。そして、左足が地面に着く前に右足を出す。こういうつもりで歩けば早く歩ける」
この答えには、思わす笑ってしまいました。
「それは無理でしょう」と私は言いました。
だって、こんなことが出来れば水の上だって歩けます。
まるで仙人みたいじゃありませんか。
彼は、「いや、そういうつもりで歩くんですよ」とすましています。
さらに、彼はこうも言います。
「早く歩きたかったら休む回数も減らさなきゃ。歩きながら休むことも出来るんだから。」と言うんです。
多分、彼が言いたいことは・・・歩いているときだって、全ての筋肉を使うわけじゃない。使っていない筋肉は休ませているのと同じだ・・・多分、こう言いたかったんでしょう。
歩きながら休むのは難しいと思ったので、早く歩く方法は、要するに右足と左足を出すタイミングを早めることだろうと、私は解釈しました。
そして、翌日、そういう積りで歩いてみました。
つまり、足の動きの回転数(?)を上げたわけです。
平らな道でやってみたら、確かに早く歩ける。
そりゃあ、そうだ。でも、・・・結構疲れるんです。
疲れることが分かったので、しばらく試しただけで止めてしまいました。
出来るとすると下り坂の場合です。
そして、考えると、若いころは私もこんな感じで下っていたことを思い出しました。しかし、上り坂でこれをやったら完全にバテると思う。
結局、早く歩くには、普段から筋力を強化し、体力をつけることだろう ・・・ 全く当り前で、身も蓋もない話ですが、これが私の結論です。
そして、しょっちゅう山を歩いて、身体を慣らしておくことが大事なことだと ・・・ これもまた当たり前の結論です。