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航空券は無効になることもある
むかし、むかし、日本経済が好調だったころの話です。
ある時、ヨーロッパに出張することになり、ロンドン経由で行くことにしました。
選んだフライトは、ブリティッシュ・カレドニアン航空(以下BRと略します)。
BRは当時経営が厳しいという噂があり、英国航空(以下BAと略します)に吸収合併されるのではないかとも言われていました。
しかし、私はほとんど気にせず、航空券を買いました。
そして、予定通り、BRのフライトでロンドンに到着。
その後イタリアなどに赴き、仕事を終えたあと、帰国便に乗るために再びロンドンに着きました。
帰国便は翌日だったので、むかし駐在員として勤めていた会社に行きました。かつて、本社で上司だった人が駐在員をしていたので、旧交を温めてから一泊しました。
その翌日、帰国便に乗るために空港(ガトウィック空港)に行きました。
チェックインして荷物を預け、長く待たされた後、「BRの便に搭乗する人はBAの窓口に来てください」というアナウンスが流れました。
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BRではなく、BAの窓口に来なさいと言われたんです。
その窓口に行くと、バラバラと他の乗客も集まってきました。
ほとんど日本人でした。
そして、BAの女性係員が説明しました。
「搭乗予定のBRのフライトはキャンセルされました。日本に帰国するのは明日のBAの便です。今日のホテルは用意したので、今日はここに泊まってください。これから荷物置き場に案内します、云々。。。」
何だこれは?帰国便がBAになるのは構わないけど、勝手にキャンセルかよ?と思ったけど仕方がない。
案内をしてくれる女性係員の後をついて、さっき預けたスーツケースを引き取りに荷物置き場に行きました。
その途中で、誰かがその女性係員に何かを質問しました。
質問は聞こえなかったけど、その係員が「British Caledonian does not exist any more」と、そこだけがはっきり聞こえました。
エッ、BR社がなくなった!
そうか!航空券を買っても乗せてもらえるとは限らないんだ!
滅多にないこととはいえ、航空会社が潰れたら、航空券は無効。
ただの債権者と債務者になるだけなのか、と思い知りました。
これに類することは、9.11の後にも起こりました。
9.11の後、しばらくしてスイス航空が破綻したんです。
そして、日本人の乗客には全員払い戻したようですが、スイス国内には、払い戻してもらえなかった人がたくさんいたようです。
(ちなみに、今のスイス インターナショナル エアラインズは、元のスイス航空とは異なる法人です。)
フライトを選ぶ時は、キチンとした航空会社を選ぶ必要があるということです。
ところで、当時の私は、その後どうしたか?
ホテルはBAがとってくれたし、まだ明るいので、昨日会った昔の上司に電話しました。
昔の上司は私の説明を聞いて「あ、そうか。分かった、じゃあ一緒にバンメシでも食おう。今からおいでよ。」
と言ってくれたので、またご馳走になりました。
持つべきものは、良い先輩(=元上司)ということですね。