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東西お風呂事情
日本のお風呂と欧米のお風呂は大分違います。
日本のお風呂には、浴槽と身体を洗う場所がありますが、欧米のお風呂にはそういう区別がありません。
というか、欧米のお風呂は基本的に洗い場・・・つまり身体を洗うための場所だと思います。
お湯を貯めてゆったり浸かるとか、お湯で温まるという発想がそもそもありません。
欧米のホテルには、たいていシャワーかバスタブのどちらかしかついていません。
料金は、どちらも変わらないことが多いようです。
欧米人にとっては、シャワーも風呂も同じようなモノなんでしょう。
基本的には、身体を洗濯するという発想なんだと思います。
イギリスの個人の家の場合、お風呂でたっぷりお湯を使う習慣がありません。
なので、むかしロンドンに住んでいたころの話ですが、風呂に入ってノンビリ頭を洗っていて、突然水しか出なくなることもありました。
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イギリス人はあまりお湯を使わないので、タンクが小さいんだと思います。だからお湯のタンクが空になっちゃったんです。それも突然ですからね。
こういう場合は、タンクの中にお湯が貯まるのを待たなければなりません。
小一時間かかるので焦ります。
もっとも、今は瞬間湯沸かし器があるので、多分違うとは思います。
欧米のお風呂には、バスタブの上の方に穴が開いていて、余ったお湯を逃がせるようになっています。
日本のビジネスホテルでも、そうなっていますよね。
ホテルなら、逃げたお湯は下水に流れていくと思います。
しかし、イギリスの個人の家だと、お湯の出口が裏口のあたりにあったりします。
うっかりバスタブの上の穴からお湯を逃がすと、家の裏口あたりからジャージャー流れ出ることになるんです。
家の壁から蛇口みたいなもので突き出ていて、そこから流れ出るわけです。
この点は、恐ろしくズサンです。
欧米でも、シャワーとバスタブが、別個に独立して設置されているホテルもあります。
こういう時は、バスタブにお湯を貯めながらシャワーで身体を洗い、お湯が貯まったところでバスタブに入れるので、気分が良いです。
そして、ゆっくりとお湯に浸かり、好きなだけ温まることが出来ます。
これなら、フロ上がりのビールも格別です。
日本人にとってはこれが理想的でしょうね。
こういうホテルは、ふつう宿泊代も高いと思わます。
しかし、一度だけ北イタリアで泊まったホテルは、こういうスタイルだったのに安かったことがあります。
イタリアの田舎には、時々こういう信じられないホテルもあります。
まるで、趣味で経営しているようなホテルです。
こういうホテルに泊まったりすると、すごくトクをした気になります。