黒部ダムの内部を歩いた希少な体験!
剣岳と言えば、たいていの人は聞いたことがあると思います。
この剣岳ですが、私は、何度か挑戦したけど、いつも悪天候。
何度目かの挑戦で登れたのは、台風が通過した直後のことでした。
通過したんだから大丈夫だろうと思ったものの、やっぱり簡単じゃありませんでした。今回はその話です。
それはサラリーマン時代で、まだ独身だったころのことです。
9月下旬でしたが、会社の同僚と二人で室堂から剣山荘に至って一泊。
翌日、剣岳をピストンしてから剣沢雪渓を下り、真砂沢ロッジに一泊。
この剣沢の雪渓が台風でズタズタになっており、オッカナイ目にあった。
いま思い出してもゾッとする。
思い出したくないので、どんな目に合ったか、ここには書きません。
そしてその翌日、下山のために内蔵助谷から黒部川沿いの道を行くと、
途中で道が崩落していたんです。
つまり、歩いていると急に道がなくなる。
10mくらい先には道が見えるけど、そこまで行くことができない。
仕方がないから一度沢まで下り、沢沿いに歩いてから再び山道に戻る。
下りてから登りなおすことを、何度も繰り返すことになったんです。
やたらに時間がかかる。
最後は、黒部川を対岸に渡る橋があるはずなのに、そんな橋は見当たらない。黒部川の水は少なく、そのまま河原を歩いていったら、上に高くそそり立つ黒部ダムに着きました。
ほとんど放流はしておらず、水はチョロチョロと流れているだけ。(このイラストとは大分違いますが・・・。)
そして、ダムの下の方に入口があり、赤い旗竿が立っていたので、ここから入れという意味だろうと思って中に入りました。
中は真っ暗で、建築現場の足場のような階段が上に続いている。
ところどころにランプがぶら下がっているから、階段はかろうじて見える。その階段を一歩一歩登っていった。
途中で、上から下をのぞくと真っ暗。何も見えない。
ダムの一番上に着いたとき時計を見たら、ちょうど一時間かかっていた。
辺りは大分暗くなっていて、もう終バスの時間は過ぎていた。
バス停まで行ったけど、やっぱりバスはもう来ない。
こんなところで寝るのはイヤだなと思っていたら、車が通りかかった。
関西電力の工事用の軽トラックで、作業員が数人荷台に乗っている。
そこで、手を上げて止まってもらって「乗せてくれ」と頼んだ。
我々の到着が遅れたのは、途中で山道がブツブツと途切れたせいだし、事故みたいなものです。
「本当は乗せちゃいけないんだけど。。。」と言いながらも、乗せてくれました。
途中検問があるからとヘルメットを被ったりしたものの、検問所では手を上げただけで通過。そのまま扇沢まで連れて行ってもらえました。
お陰で、ホテルに泊まることが出来たんです。
本当に助かった!
剣岳の登頂は成し遂げたものの、今回も色々な目にあいました。
最後には、あわや黒四ダム泊まりになるところだったし。。。。
でも、過ぎてしまえば懐かしい思い出ですし、珍しい体験でした。
無事に帰れたし、山の神様とご先祖様のお陰だったと思う。