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新卒で始めた漁師を辞めた。これからどうしよう。(自分史#1)

平日の月曜日、僕は昼過ぎに目を冷ました。否、とっくに目は冷めていたのだけれど、布団から出る理由が見当たらなかった。ようやく観念して起き上がり、身体を起こすためにシャワーを浴びて、ご飯と味噌汁を食べる。ずっと前から山積みになったままの漫画に手を伸ばして、読み終わった頃に時計は15時を知らせていた。ああ、もうすぐ1日が終わるのだ。

大学を卒業して2年が経った時、僕は新卒で入った会社を辞めた。自分で選択して辿り着いた場所だったけれど、いつの間にか僕は自分の未来を上手に思い描くことができなくなっていた。学生時代の同期たちは大企業で下積みを重ねていることを思うと、自堕落な自分が不甲斐なくなる。

24歳になって僕は、再び人生に迷っている。いや、きっとこれまでずっと悩み続けてきた。みんなが当たり前のように就活を始めたときも、僕は生きることや働くことの意味という根幹の部分に納得ができなくて前に進めなかった。世の中の薄汚さや、社会がこれから進んでいく方向に迎合できず、かといって社会から逃れる方法も見つけられなかった。

いま再び、人生を振り返る時期が訪れた。あいにく世の中に未曾有の感染症が広がり、下手に外出すらできないのだ。自分史を書いてみようと思った。

過去から自分自身を引き継いで、未来へ繋いでいくために。

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