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自然は強くて怖いから、偉大だ。
出荷作業の写真はほとんどない。
撮る余裕がないからだ。
養殖の仕事は、忙しいタイミングというのがある。
生き物・自然相手だから、こちらがそのリズムに合わせないといけない。
出荷作業というのは、まさに「忙しい」の象徴。
基本的に僕が写真を撮っているのは、
船での移動時間だったりする。
今回は、出荷作業の合間の休憩時間にパシャリ。
1日のサイクルのなかで忙しいタイミングがある。
それと同じように、
一年のサイクルのなかでは忙しい時期がある。
漁村に来て1年が経つけれど、
1番忙しかったのは年末。
お昼まで出荷作業が続いた日もあったし。
その反動といったらあれだけど、
いまはとてもゆったりとしている。
ああ、太陽の光あったかいな、
なんていう感じで平和な日々。
これから作業の少ない時期になるけど、
網やタモなどの漁具のメンテナンスを進めるのだ。
年末の次に印象的な忙しさは、
やはり台風の季節。
これがまた長い。
7月頃からやってきて、
11月まで台風に翻弄される時期が続く。
台風が来るとわかったら、
休みの予定がズレたりなんだりで、
一次産業の世界だなと、
自然を相手にしていることを実感する。
この日も風が強かった。
そんな日の海は、いつまで経っても怖い。
この波に揉まれたら、
さすがに泳ぐに泳げないだろう。
岸辺に潮が飛んでくる。
でも、「怖い」という感覚は大事にしなきゃいけない。
一次産業の世界で働く労働者として、
最前線で自然と対峙している人間として、
自然への畏怖の念は忘れてはいけないと思う。
だいたい1年周期で取り替える網。
海のなかに垂らして、この中で養殖鯛が泳ぐのだけど、
ここまで汚くなると、
網目がなくなって密室状態に近くなる。
魚にとっても良くないこと。
海に垂らしておくだけで、
これほどの生き物が育ってしまう海って、
いったいどれくらいの生命力を秘めているんだ?
綺麗に洗って、破れを直して、
再び海の中へ戻す。
その作業が毎年、繰り返されるのだ。
事務所に変えると、真鯛の干物が干してあった。
冬の漁村の代表格、カキ。
おいしそーう。
自然に囲まれながら暮らし、働く。
季節は冬のど真ん中です。
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