魚と海水を運ぶトラックの運転手
だんだんと日の出の時間が遅くなっている。
早朝に海へ出ると、まだ薄暗い。
ライトの灯りが灯っている。
都会のイルミネーションほど派手じゃないけど、
こういう人工的なものだって、季節感はちゃんとある。
もう何ヶ月かすれば、満点の星空を眺めながら出勤できる。
船に乗る。
筏を漕ぐ。
今日は雨模様。
いつの間にか海で泳ぐこともなくなった。
残暑が続いたけど、水温は下がっている。
海にはもう落ちたくない。
来たばかりの頃、2月の海に落ちたことがある。
しかも早朝だった。
急いで家に戻ってシャワーを浴びたけど、
あれは陸に上げってから凍えるくらい寒い……。
先月から4トン車に乗り始めた。
今日はこれに乗って配達の日。
配達するのは、海水。
海洋深層水のプールに使うらしい。
水槽を乗せたトラックにはいろいろなコックがついていて、
どれを回すとどうなるかがなかなか覚えにくい。
これはブロワをといって、ひねると水槽の中に酸素を供給する。
回し忘れると、もちろん魚は死ぬ。
配達先に着いたら、海水を入れた水槽に吸水ホースを突っこむ。
タンクの中へ流れていく。
空になったら、再び阿曽浦へ帰る。
悠々自適なドライブは無事、終わりました。
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