![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/10871317/rectangle_large_type_2_c31f588ca3d7da19202d5cb8c0dc9db2.jpeg?width=1200)
春、桜、ヒロメ。
春の海の日常。
桜が所々に咲いている。
野生の桜は日本に十種類。
山桜はそのひとつに過ぎない。
桜は桜でもいろいろあって、
できればちゃんとフルネームで呼びたいのだけれど。
海から集落を眺めている。
ここの地域の沿岸沿いは落葉樹ははえてない。
だから年中景色は大して変わるものじゃない。
けれども毎日少しず緑の色が変化する。
春は鮮やかな緑だ。
山の話のついで。
沿岸部では塩に強い塩生植物しか生き残れない。
風が強くあたる斜面の木々は茶色く塩枯れしている。
マツ・ウバメガシ……。
あとはなにがあるのだろう。
今まで発見された地球上の生物は約175万種で、
植物に限っても約27万種だと聞いている。
とてもじゃないけど覚えきれないのだ。
山から海に視線を変えてみると、
足下になにやらユラリユラリ。
これがヒロメ。
食べ方はワカメとほぼ同じ。
ワカメの三重県版といったところ。
採るタイミングがとても重要で、
遅すぎると「たけっている」と言って、
硬くてあんまりな感じ。
触り心地がヌルッとしていて柔らかいときに、
さりげなく採って袋に入れておく。
それを持ち帰って真水でひたすら洗う。
そして食べやすいサイズにちぎっておいてから、
鍋に入れて茹でる。
茹でると色が変わるのも、楽しむ。
余ったら冷凍しておけば、
年中ヒロメが食べられる。
モズク・アオサノリ・ヒロメ・アカモク・ヒジキ。
このへんの海で採れる春の味覚が、食卓に賑わせてくれる。
春とは、豊かな季節なものですね。
いいなと思ったら応援しよう!
![橡 峻希 | kunugi shunki](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134740855/profile_56e6a27906f9e8bb790f6c5e7639bbc1.jpg?width=600&crop=1:1,smart)