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僕が漁師だったときの話(更新を終了しました)

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真鯛の養殖・定置網漁、海の上の仕事風景(※漁師を辞めたため、更新は終了しました)。
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2019年1月の記事一覧

自然は強くて怖いから、偉大だ。

出荷作業の写真はほとんどない。 撮る余裕がないからだ。 養殖の仕事は、忙しいタイミングというのがある。 生き物・自然相手だから、こちらがそのリズムに合わせないといけない。 出荷作業というのは、まさに「忙しい」の象徴。 基本的に僕が写真を撮っているのは、 船での移動時間だったりする。 今回は、出荷作業の合間の休憩時間にパシャリ。 1日のサイクルのなかで忙しいタイミングがある。 それと同じように、 一年のサイクルのなかでは忙しい時期がある。 漁村に来て1年が経つけれ

人間と機械と自然と、雲漏れ日の美しさと。

新年というには月日が流れすぎた。 それを知りつつもあえて今年の豊富を言うなら、 健康第一。 一晩中吐き続ける病気の病み上がりです。 健全な精神は健全な肉体に宿る。 熱が39度を超えたあたりで境地に達して、 「ああこの人生、夢・志に生きた良い思い出だった」 なんてブツブツ言いながら、 もうじぶんには元気がないから ただ平穏に布団にくるまって生涯過ごしたいと思った。 海上安全。 健康祈願。 個人的な振り返りはこれくらいでして。 これは船用の給油タンク。 家と見

漁村で、なくなったものを数える。

新年になってからまた、何日か経った。 あっという間に時間は過ぎる。 かわいそうなくらいに早いものだ。 冬は水に濡れると、冷たい。 手が凍えると作業に支障が出るから、 濡れないために長い手袋を使っている。 完全に身体のサイクルが朝方になった。 21時以降、眠くて仕方がない。 特段やることがないなら、眠気に逆らわずに夢のなかへ。 この前友達が遊びに来てくれたのに、 晩酌に付き合えなかった。 その代わり、朝は早く目が覚める。 もちろん、二度寝の誘惑は尽きない。 僕は

自然のど真ん中で生きている。

いつでもニーズに応えてコンスタントに出荷する。 それが養殖漁業の売りだから、 年末年始もずっと仕事がある。 僕の会社は1日から4日まで休みということになっている。 ただし仕事はあるから、 そのあいだに出勤するとお年玉がもらえる。 仕事始めは、1月2日。 渡鹿野島へ配達。 船でしか行けない場所。 かつての阿曽浦を思わせる。 そういう土地にはやはり、 独特の文化が根づく。 あこや貝。 貝柱だけでなく、貝殻にも価値がある。 貝柱はバターや醤油で和えて食べるか、