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ラノベ原作漫画とラノベを読んでみた

おそらく若い人向けに書かれている作品を、アラフィフのおっさんが読んで、感想を書こうというのだから、キモい。でも読んだし分析もしたし、感想はあるし、なので書いておく。

設定は面白い。設定はタイトルに掲げられていることが多く、序盤はその説明に費やされる。同時に、主人公やヒロインの性格、そして登場人物それぞれが抱える課題が提示される。
主人公もヒロインも、それなりにこじらせていて、彼らがどうなるか関心を惹きつける魅力がある。

この「主人公の課題」は、作品の中でちゃんと解決される。ご都合主義だったり唐突だったりはするけど、解決無しで終わることはない。この一点だけでも、エンタメ作品として完成させてあると言えるわけで、書いてる作家さんは立派だし、読むに値する作品になっていると思う。

人気が出ると続編が書かれる。ここからは、かなり作家の力量の差が出るように思う。タイトルに掲げられている課題は解決済みなのに、それでも話を語るのだから大変だ。
新しい問題を示さなければならない。
新しいキャラクターを登場させなければならない。元々いるキャラクターの別の面も見せないと、読者は飽きてしまう。
キャラクターたちを巻き込む大きなイベントが無いと、ドラマが動かない、広がらない。
こうした新展開がうまく出来ないで、テンションが下がっている作品は多いんじゃないだろうか(たまたま僕が読んだ作品がそうだっただけかもしれない)。
元のキャラクターがつまらなくなり、新キャラクターに魅力が乏しく、イベントが説明的で、展開に意外性が無い。

そもそもラノベを読んでいて、おっさん読者が違和感を持つのが、「大人」や「組織」、ないし「制度」の描かれ方だ。端的に言って、雑すぎる。
大人たちが意味の分からない、一貫性の無い行動をする。
組織が組織の体をなしてない。
制度が取材されていない。まるでリアリティが無い。
主人公たちをなんとなくドラマチックな場面にたどり着かせたい、細かいことは知らん、という作者の都合や不勉強が透けて見えてしまう。
これらの点で、大人のガチの鑑賞に耐えられない。

ワンアイデア、ワンテーマの作品で、気楽に読める良い暇つぶしなんだけど、そこまでだな、というのが、以上の短いまとめです。

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