ラノベ感想:『貴族令嬢。俺にだけなつく』ハーレムものがなぜ存在するのか、朴念仁の僕にも分かった気がする
ハーレムもの(逆ハーレム含む)がなぜ存在するのか。僕には分からなかった。触れる機会が無かったからね。「そんなシチュエーション、あり得る?」とも思ってたし。恋愛沙汰には縁がない人生を送っているので…
たまたま読んだこの作品で分かった。
「ある世界観、ある社会の中で、いろいろなタイプの登場人物が、共通の恋愛対象に対して、それぞれの個性にもとづく恋愛感情を抱き、それぞれの状況に影響された行動をとる」。読者は、登場人物それぞれの感情や行動に共感したり違和感を感じたり、ときに嫌悪感を掻き立てられたりする。
そういうのが面白い、ということなんでしょうな。
そんな作者と読者の共犯関係が成立するのは、共通の恋愛対象が、異様なまでに鈍感だったり、優柔不断だったりするから。作者が物語を書き続けるためには、彼/彼女は決定的な決断を避けさせられる(正編とは別に、IFストーリーを描く場合もあるそうだけど)。
そんなメタな事情のゆえに、彼/彼女は、場合によっては読者から大変に憎まれることもある。
出来のいい物語は、その鈍感さ、優柔不断が、きちんと説明されていて、読者が納得できるように作られている。
掲題の本作は、キャラクターの描き分けがあって、どのヒロインもそれぞれの魅力があります。
主人公の鈍感さの原因も、とりあえず説明されている。「異世界転生」ってこういうとき便利な仕掛けなんだなあ、と思いました。
2巻までは楽しく読めました。もうすぐ発売される第3巻、どうなる??
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