![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18521761/rectangle_large_type_2_72a7ff1b14a9cdcf03b4ac17ce50c098.jpeg?width=1200)
主体・主語の意識と問いのデザイン
問いのデザインについて考える前に、まず日本語の特徴として、主語や主体が省略されるということについて、考えてみましょう。
主語・主体とは
皆さんは、日常のコミュニケーションで主語や主体を意識して会話をしていますか?
多くの場合、主語や主体を言葉にせずに会話をしています。
日本語は性質上、主語や主体を明示しなくても、意図が通じるようにできています。
たとえば「多くの場合、主語や主体を言葉にせずに会話をしています」という文章の中には、主語は書いてありません。
でもこれを読んでいる皆さんの多くは、無意識のうちに「私たちは」という主語を補足して読んでいるのではないでしょうか?
もしかすると、その先の「日本語は……」という部分から「日本人は」という主語を補足された方もいると思います。ここでは「私たちは」「日本人は」でも、どちらでも意味が通じますし、大きな問題にはなりません。
文章と会話の違い
文章よりも会話の方が、さらに主語や主体が省略されることが多くなります。また、直接的・具体的な言い方をすることが失礼とされる場合もあります。そうなると主語や主体をあいまいにして、相手に「察してください」ということになってしまいます。いわゆる忖度するということですね。
限定的で変化の少ない関係やコミュニティなら、その場の「察してください」という暗黙のルールにのっとって、あいまいに話すことがスマートかもしれません。たとえばお父さんが「あれ取って」と言ったら、お母さんが「はい」と阿吽の呼吸で新聞を渡すというような状況は、その関係に双方が満足していれば、円滑なコミュニケーションだと言えるでしょう。
現代に求められているコミュニケーション
しかし変化のスピードが加速している現代では、多様な経験、価値観、バックグラウンドを持つ人々とコミュニケーションを取っていく必要に迫られています。
会話する相手、問いを投げかける相手は、「自分とは違う」のですから暗黙のルールは存在しません。「察して」もらえるとは限らないのです。あなたの投げかけた問いや言葉は、相手にどう届くのでしょうか?
たとえば、誰に何を考えてほしいのか? 誰に何を行動してほしいのか? 主語・主体を意識することで、スムーズなコミュニケーションを取ることができます。また、自分の中の考えも明確になる効果があるでしょう。