初対面を、考える。④【インドア目線】
行きつけの鳥取のギャラリーたちも、本格的に動き出す季節になりました。
先日は、
鳥取にご縁のある、13人のイラストレーターさんの作品展を見に行きました。
久々にお会いした作家さん、
初めましての、作家さん…。
学校の同級生と会うのとは
また違った、この感覚、
自分も歩みを続けなければなぁと、思わずにはいられません…
初対面を、考える(全4回)
①「自分が話しやすいこと」と
「他人やその場が話しやすいこと」は違う
②自己開示も忘れずに
③初対面だからこそ、「異分野」「わからない」を活かす
④「盛り上がる」=「安心感」
第④回
「盛り上がる」=「安心感」
出会いの多いこの季節
歓迎会や、レクリエーションのセッティング…
インドアな僕でも、その役を担ったり
お手伝いをすることが、多々ありました。
部内や学科内、
身内での親睦を深めるものから、
開始時間になるまで
参加者の全容がわからない
年齢や肩書を超えた、異業種の集まりまで…。
集まりが終わると、主催側で、
(時には終わった後一人でも)
反省会が始まります。
その会が、盛り上がったかどうか。
自分が参加者側なら、
他の参加者と話せるような
立ち居振る舞いができていたか。
自分だけでなく、
周りの人が心地よい時間を過ごせたか。
会の主旨に背くような言動を、
やらかしてなかったか…。
主旨については、
それぞれのコミュニティの
考え方によるものが大きいと思いますので、
ここでは
場や会話が『盛り上がったかどうか』について
思うことを書きます。
なにをもって、
「盛り上がった」と考えていますか?
騒音測定器を使って、会場の音量が
○○デシベル以上なら、盛り上がった!
ということなのでしょうか?
用意した、お菓子や飲み物の減りが早かったから
盛り上がった!
ということなのでしょうか?
フツーに人とお話ししていると
大多数とは話の合わない
(なので、ひたすら食い下がることの多い)
僕の些細な体験談を話しますと
自分の話したいことだけを話していると、
話が一通り終わったタイミングで、
大体その場には、
気まずそうな沈黙が生まれます。
「なにか、相手に言葉を返してもいいのかな?」
「今は、口を挟まないほうがいいかな…」
「喋りすぎちゃったけど、そういえばあの人、
どこの所属か、聞いてないままだった…」
あとで振り返ったときにも、
「もうすこし、掘り下げてみても良かったなぁ」
「あの時は思いつかなかったけど、
こういう方向にも話を広げられたじゃないか…(泣)」
…とまあ、
自分がリアルに後悔したエピソードは
この辺にして。
自分のしたい話なら、
誰でも、いくらでもできると思いますが、
それは相手が飛び付きたい話かどうかは、
別物です。
話を膨らませる・逸らせるのが上手かったり、
何にでも飛びつくような、好奇心の強い人以外は、
初対面の場で、いきなり話を切り出すことに、
緊張を覚えると思います。
(僕はどちらかというと冷めている人間なので、
だいたい前者の「話を膨らませる」方向に走ります。)
また最近は、
会議やワークショップなどで参加者の緊張をほぐす、
アイスブレイクなる手法を、
ことある毎に耳にします。
自分から喋る、
喋っている人の話を聞く、
人に対して、話しかけてみる…
対話やアイデアの交換を円滑にするための
準備運動として、
いろいろなアイスブレイクのやり方が、
ネットにも載っています。
「自分の話を、聞いてもらえている!」
「自分はこの場で、意見を言ってもいいんだ!」
「あの人の発想、聞いてみると意外と面白いな…!」
アイスブレイクを通じて、参加者一人一人に
安心感
が生まれることで
(僕のようなビビりの人でも)
結果的に喋りやすくなりますし、
結果的に雑談や議論も盛り上がり、
結果的に騒音測定値の値も上昇するでしょう。
…ただ、
僕が2年間関わった、学外のコミュニティには、
アイスブレイクは存在しませんでした。
基本的に、参加者間で自由に話している間に
相手の話を聞くようになって、
初対面のはずなのに、
いつしか深い話をするようになって
口下手な人でも、
ちょっと口を開くようになって…。
1回あたり、年齢・職業様々な
35人が参加する集まりで、
僕は何度もそんな光景を見てきました。
これはあくまで
インドア人間の個人的な実感・確信であり、
努力目標なんですけれど
小道具なしでも、初対面の人とは話せるし、
小道具なしでも、「話題をストック」しなくても、
「貴方の話を聞こうとしていますから。ゆっくりしゃべっていいですよ」
という体勢は、
インドア人間でも、取るとこができます。
(普段は本を読まない僕の、愛読書です)
話のテーマや、茶菓子など、
「小道具」もいくつかはありましたが
(…さっき、用意してないって言ったじゃん!!)
カウンセラーに興味があった僕からすると、
「アイスブレイクを使わないと、人と打ち解けられない」
「アイスブレイクをしたから、場が盛り上がった」
というのは、
ちょっと、違和感を覚えます…。
むしろ、僕が今までウォッチングしてきた、
人や場の中には、
「アイスブレイク」を盾にして、
自分自身に鎧を付けてしまっているなあ、
勿体ないなあと、感じる場もありました…。
(ちなみに、社会人の集まりだから「鎧」がない、
学生の集まりだから「鎧」がある、というわけでもありません。)
絵にしないと言いたいことの言えなった
かつての僕も、
絵を、美術部の活動を、
言い訳、鎧にしていましたけどね…(笑)
なので僕は
強いていえば「一人アイスブレイク」
と呼んで、
初対面の人に敢えて近寄ってみたり、
年下の人と相対するときには私見を殺して
「話してもらいやすい体勢」を作ったり、
自分を開くのが苦手そうな相手なら、
話してもらうためにも自己開示をしたりして、
安全第一ならぬ
「安心感第一」
を取るのがクセになっています。
ただ、みんながリラックスして、
「安心感」が充満している場合、
僕は共通の話題から
外れてしまうことも多々あるので、
静かに、その場から立ち去ります…
マラソン大会の、ペースメーカーのように…(笑)
僕は行動範囲や、
大学での所属上、
地域を盛り上げる
こういうトピックに直面することもあります。
互いの話を、
互いが聞ける関係になることが、
互いに安心感を抱けることが、
一番の、「盛り上がる」方法なのかなと、
田舎に住むインドア人間だからこそ、
思いますけどね…。
~初対面を、考える~
終
読んでいただきありがとうございます。いただいたサポートは、鳥取のアートシーンで活動されている方々を応援する際に使わせていただきます。