展覧会を仕組んでいるようで、雑談を仕組んでいる【インドア目線】
●雑談のおこる展覧会
●美術展で、いかに雑談をデザインするか
●場作りは「場作り前」が大事と感じたり
観光にしても食事にしてもギャラリー巡りにしても、
単独行動の多い自分なのですが
先日、鳥取西部のギャラリーやアートイベント等を、友人と予定を合わせてウロウロしていました。
主催をさせていただいている深夜の美術展in鳥取も
6月に控えていますので、
作品も見るのだけど、
美術商や画廊主でも、作り手でもない
でも鑑賞者でもない
そんな視点で見ることが多くなりました…。
このイベント、名目は「美術展」ですが、
自分は展覧会を仕組んでいる、というより、
人の雑談が起こるのを仕組んでいる…
というイメージでやらせていただいています。
東京の本家の方から鳥取での主催の話を聞いた際、
やります!と決めたのには、
以前、県内のギャラリーで、
そんな雑談のおこる展覧会に
参加させてもらった時の記憶が残っているからです。
(ギャラリーそら交差展 vol.10 2018年)
●雑談のおこる展覧会
大学の同期や先輩が以前に出展していたことがきっかけで、
鳥取市内のギャラリー主催の「交差展」という公募展に参加しました。
公募といっても、
絵画だけ、写真だけ…というものではなく、
出展作品のジャンルが覚えきれないほど多彩。
自分に腕や受賞歴があったから参加できた…というのではなく、
申し込みはプロアマ問わず先着順。
(代表展 2019年)
額や紙に描いた作品しか知らなかった頃の自分には
「守備範囲外」のジャンルや、
段ボールや見知らぬ素材に描いた作品が
新鮮に見えたり、
自分の横に並んだ作品も
みんな自由すぎるから、
単なる技術の巧拙だけじゃなく、いろんな物差しで自然とそれを見るようになる
「どういうときにそんな発想が生まれるの?」
と、作家さんに聞いたら、
そのまま自分の作品に向けて聞き返された。などなど。
あの展示で会場に在廊している時は、
とにかく、
雑談が生まれまくっていたことを覚えています。
深夜の美術展in鳥取は、
決して規模も大きくないですし、
技術を競う意味での、腕試し的な展示ではないのかもしれません。
(むしろ、同じ時期に鳥取市美展や米子市美展などもありますから、5~6月は鳥取県民にとっては腕試しのシーズンなのかもしれません。)
しかし、
ジャンルが別々の作品が並んで、
観る側も作る側も予想の斜め上をいく発見があったり、
アートや表現活動に縁遠い方にとっては
別世界の人のようなイメージのする出展者さんが
間近に感じたり、
もしくは来場者が出展者だと間違えられたり…。
そんな場で生まれた雑談を、
今度は自分が仕組む番であります…。
●美術展で、いかに雑談をデザインするか
…なんて、カッコつけた題をつけてますが、
どうぞ聞いてやってください
このイベントの場合、
単に人と人とが話す場ではなく、
作品やポートレートなどが
セットで相対するシチュエーションです。
日常会話だったり、なんでもない場で
自分の土俵の話ばかりしていると、
人によっては、気難しいイメージを持たれてしまうかもしれません。
しかし、こういうイベントの場で、
実物(作品やポートレート)があると、
見る方は、出展者の世界に入り込みやすい
→今は出展者の世界の話を求められている
≒出展者は自分の土俵の話をすればいい
という風になります。
絵がリアルだから、芸が細かいから、
エピソードが面白いから、
普段なかなか見る機会がないから、などなど、
入り込める理由は様々にありますが、
いちど案内すると、
変に自分がオンタイムでコーディネートしなくても、
雑談が会場のそこらじゅうで勃発していたりします。
※もっとも、
「観る側がまず作品から何を感じたか」も
大事にしていただきたいので、
直接作家さんと話すことで
「問題を解こうともせずに解答を見る」
みたいなことにもなります。
そういうことに気を付けている作家さんもおられますから、
こちらから雑談を強制しているわけではありません。
また、来場者で「作る」側の方も来られたり、
ご自分の作品を見せてくださる方もいるので、
それでまた話が二重三重に広がることもあります。
…え?その頃自分は何をしているか、ですか?
ほかの来場者の方が「世界に入り込む」までの
エスコートをしていると思います…(*´-`)
●場作りは「場作り前が大事」と感じたり
また、これはトーク式ワークショップの企画側をしていた頃の感覚もふまえてなのですが、
1day(5時間)のイベントのため、
作品や出展者さんが揃う、準備の段階で
「初めまして」の方だって多いので、
そういう方を狙って話しかけたり、話を聞いたり…という空気作りも
イベント成功のためには何倍も重要です。
(個人的にはこっちのほうを意識したいくらいです)
開始前から、運営側や会場の方と
緊張をほぐすために話しこんだりもします。
(野球の試合をする前のキャッチボールみたいなものです)
イベント中には、
ギャラリートークと称して、
出展者さんを紹介する時間を設けています
(これも交差展からのアイデアです)
つまりは私、インドアなのに、
話の進行役もしています…。
前回まではアドリブでやっている面が多かったので、
番組の流れをつくるかのように、
少しずつフォームを固めをしている途中です…。
小中学校の先生が、授業での発表の後に、
拍手する習慣をつけている理由を、
こういうことをする側になって、
いま痛感しています…
~終~