現実世界における侵入検知システムを作った話 その1
ものづくりのモチベーション
わたくしごとながら 2016年4月に新居をかまえまして、それに伴ってホームセキュリティというものが欲しくなりました。
要件
自分で作るにあたって、以下のことを考慮しました。
1. 扉の開閉をセンサーで察知したい。
2. 配線が大変なので電池駆動にしたい。
3. 同様の理由で無線通信にしたい。
4. 普段の操作は簡易に。できればスマホから操作したい。
5.侵入を検知したら、大音量のアラームを家中に鳴り響かせて、侵入者に逃げていってほしい。
使えそうな要素技術
センサー
まずはとにかく扉の開閉をセンシングしなくてはいけません。
幸いなことに、実際のホームセキュリティサービスでも使われているのとほぼ同等品が購入できます。
ドアセンサースイッチ(リードスイッチ) SPS-320
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-13371/
こちらは、永久磁石とセットで販売されており、回路自体は磁石が近づいていると通電状態(ON)・磁石が離れると絶縁状態(OFF)になります。
(図は http://cobaden.net/?pid=13351091 より)
そこで今回は、このセンサーの状態を監視し、ONからOFFになった瞬間を捉えることにします。
無線
つぎに電池で駆動する無線通信機器を探してみました。
モノをつなぐ無線マイコン TWELITE-トワイライト
https://mono-wireless.com/jp/products/TWE-LITE/index.html
こちらのモジュールは、ZigBeeと呼ばれる無線技術を使ったマイコンモジュールです。
特徴として、低消費電力動作が挙げられます。
コイン型電池で年単位での動作(設定によります)が可能です。
また、アナログのI/OやデジタルのI/Oも簡単に扱うことが出来るようになっています。
モジュールも色々なタイプが販売されており、DIP構成のもののほか、USBスティックタイプのものもあります。
今回は、これを使っていこうと思います。
スマホからの操作
家族に操作してもらうシチュエーションもあるので、普段はスマホで簡単に操作できるようにしておく必要があります。
今回は、Webインタフェースを用意して、これをWebアプリとしてスマホに登録して利用することにします。
大音量のアラーム
Amazonで適当な大きさのスピーカーを購入することにしました。
ポイントは、Analog入力ピンを持っているものを選ぶことと、電源は独自にACコンセントから供給されるものにすることです。
独自の電源を使う理由は、次節のシステム構成にあるとおりRPiに接続して使うので、電源をRPiのUSBを使うようにしていると、大きな音を出した瞬間に電源容量不足でRPiが再起動するなどの動作不安定に陥ることがあるためです。
システム構成
下図のようなシステム構成にしてみます。
中央にはRPiを配置して、センサーからのデータ集約やWebアプリの駆動、発報動作を担います。
家中の各扉には、TWELiteとリードスイッチを取り付けます。
次回は、各扉に取り付けるセンサー部分の制作をご紹介しようと思います。