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Virtual エベレスティング体験記

この中で早起きして一日中ヒルクライムするの嫌だなって思ってるやついる?

やる前から俺には無理だなってひよってるやついる?

いねぇよなぁ!! ”Vエベ” 達成するゾ !!!

名称未設定

 こんにちは、ナカムラです。2021/06/20にチャレンジしたZWIFTでのエベレスティングについて色々感じたことなど書きました。

Virtual エベレスティングとは

 そもそもVirtual エベレスティングって何?という方向けに少し説明。

エベレスティングとは自転車やランニングでエベレストの高さ (8848m)と同じだけ山を登るチャレンジです。ただし、場所に拘りなく単に獲得標高を稼げばいいというわけではなく、同じ峠を何度も往復し、1回のアクティビティで達成しなければならない。

 さらにVirtualとついてますから、このチャレンジを仮想空間上で行うことを指します。Zwiftという自宅でトレーニングが可能なアプリケーションを利用することが一般的である。

 そんなことして何になるのっていう話は次。

きっかけ

■ 今回、エベレスティングにチャレンジしたきっかけとして一番大きかったのは 2021/06/01~2021/06/31の期間内に達成するとLE COLからサイクリングジャージを無料でゲットできるキャンペーンの存在をSTRAVAを通して知ったからだ。

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 結構デザインかっこいいんだよね。しかも8848mって背中に書いてあって祈念にもなるし。

■ 2つ目のきっかけとしては、Hells500というCycling Tipsの記者であるアンディ・ヴァン・ベルゲンが創設したクラブにいつか名を刻みたいという目標があったから。ちなみに、エベレスティング達成者に認定された人のことを"HALL of FAME"と呼ぶらしい。要するに殿堂入り。あと認定されると記念ジャージを購入する権利が与えられる。買おうか悩むね。結構いい値段だし。

 HALL of FAMEは一体何人いるのって気になって調べてみると2021/06/22現在では、世界中で17,623名 (内Virtualでの達成は4,906名)だった。

 僕自身エベレスティングの存在を知ったのは2年前。その当時はチャレンジしたいなと思いつつも一歩踏み出せなかったが、この機会逃したらもう一生やらないのかもなと思った数時間後には挑戦することを決意した。

前準備

Ⅰ. カーボローディング

Ⅱ. 補給の用意

Ⅲ. スケジュール計画

 この3点を行いました。それぞれについて書いていきます。

■ カーボローディング

 カーボローディングとは、長時間持ち前のパフォーマンスを発揮したいときに行う食事法のこと。今回のチャレンジは12時間を超える長期戦になることが明らかなため効果的なのは間違いないです。むしろやらないとハンガーノックになりやすくなるのではないかなと思う。

 特に自分は運動中にモノを食べるのが苦手できつくなってくると固形物を受け付けなくなることがある。実際に過去の山岳耐久レース(部内レース)でハンガーノックになりかけてるのにゼリーしか食べれないことがあった。あとはサイクリング班の合宿(福井~金沢~富山~長野~岐阜コース)でも同じことがあったかな。雨の乗鞍では地獄を見たよ本当に。

 なので、チャレンジの3日前から高糖質、高炭水化物の食事を心がけた。ほんとにただただ食べるだけ。その食べるだけが少食の自分には難しくて、たくさん食べることができるのも才能やなって。

■ 補給の用意

 チャレンジで消費するカロリーは6400kcalくらいだろうと予測した。そのため、これ以上のエネルギーを取らないとハンガーノックになると思う。

 3食+5000kcalで約7500kcalなので補給はツイートの量にした。

 実際にヨーグルト、プリン、ゼリーなど嚙まなくていいものが多い。

 このほかに塩分チャージのタブレットも食べました。これは烏丸半島で行われた学連のレースを観戦しに行ったときに後輩に「塩分チャージ食べたら練習中に手のしびれとかがなくなった !!」とお手本のようなおすすめをされたため初導入。汗をかく量は異常だし。実際こいつにめちゃくちゃ助けられた。達成後の今、考えてもスポーツ飲料だけでカバーできる感じの運動量じゃなかったかな。高強度で長時間練習したときのようなのどの渇きは終始感じず、翌日も快適で効果抜群だった。塩分チャージ貼っときます。

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■スケジュール計画

ヒルクライムの場所はAlpe du ZWIFT

距離 : 12.2km/平均斜度 : 8.5%/獲得標高 : 1035m

他の挑戦者もここでチャレンジしている人が多く、9本登れば間違いなく達成するよなってことでここに決定。

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この計画通りにやれば余裕で達成できるだろ

って思ってた。

チャレンジ当日

 午前4時30分に起床。朝ごはんにヨーグルト200g、食パン1枚、ゆで卵2個、バナナ1本、BCAAの粉1本、水500mlをチャージしてローラーへ。

 ネオスマートの負荷を100%になっていることを確認して、ウォーミングアップがてら1本目を登る。なるべく足を使わないように意識するもやはりAlpe du ZWIFTはどんなペースでも登るだけで消耗する。タイムは68 :46 (Ave.165W)。この時はまだまだ余裕で登頂後少し足を回しながら下山。そして2本目へ。

 2本目も1本目と同様に足を守る走りを意識した。のんびりとYouTubeを見ながらゆっくり登っていると気づかないうちにすごく垂れて120wくらいまで落ちることがあった。そうこうしてるうちに登頂。タイムは80:22(Ave.142W)。気持ちも足もまだまだ余裕でやっと目が覚めて、エベレスティング始まってるんだなって実感した。下りは完全に自転車から降りて補給を食べた後にシャワーへ行った。汗冷えが本当に不快で、これは気を付けないと体の調子わるくなりそうだなっていう感じ。新しいウェアに着替えて3本目へ。

 3本目の開始時はシャワーを浴びてかなり身体が休まったせいで足がものすごく重い。序盤はゆっくり登って後半からしっかり踏めた。タイムは2本目とほぼ変わらず、79:19 (Ave.142W)。しっかり踏んでいるはずがタイムは遅いため実は全然踏めてなくて、足が疲れているのかなあと少しテンションが下がった。3本目の下りは少し足を回してクールダウンした。補給を食べながら50~70Wくらい。そして4本目へ。

 まだまだいけるよなぁって感じのテンションで4本目に突入。これが終わったら長めの昼休憩を取る予定なので出し切ってやるぞと意気込んだ。もう後のことは考えずに序盤から飛ばす。ほぼ21回のつづら折りごとに区間のタイムが表示されるんだけどほぼ全区間で自己ベストを更新していく (ここまで平均200Wくらい)。そしてラスト6回目のつづら折りで急に足が動かなくなって80Wくらいまで落ちる。一瞬ハンガーノックか?と考えたがそんなはずはない。

 なぜなら消費カロリー以上の補給を取っていた自信があったからだ。あと可能性があるとすれば足の疲労しかない。仕方なく5分ほど100Wで耐えて回復させてラスト10分は精一杯踏みまくった。そして登頂。正直かなり疲れたな、タイムは71:01(Ave.160W)。でも案外いいタイムでまだまだやれるなとやる気が出た。下りは完全に自転車から降りてお昼ご飯とシャワーへ。

 いつもよりガッツリお昼ご飯を食べたけど、なんだか空腹を感じる。でもお腹はいっぱいなんだよね。謎の感覚だった。結局30分休憩して5本目へ向かう。この時点で時間は12:30。当初の予定から30分遅れている。まあ許容範囲かとか思ってた。休憩で身体ががちがちになったためまったく踏めず終始ダラダラ登った。しんどいなあと思いつつもまだ集中力はあった。そして登頂し、タイムは100分 (Ave.112W)。

 ん?遅くね?なんだこれ。ただただ虚無。正直かなり疲労を感じる。チャレンジを通してこの5本目が心身ともに一番しんどかった。しかし、登り切った時点でメンタルとの勝負は終わっていてリタイアするとかそんな考えは一切なかった。ここまで来たんだからあとはやりきるしかないんだわ。そして6本目へ。

 6本目からは未知の領域で自分の限界を突破していた。序盤から先ほどと同様に足に力が入らない。補給もこの辺から固形物を取りたくなくて無意識にゼリーだとかヨーグルトといった低カロリーのものばかりになってしまう。そのためとてつもない空腹に襲われていたが塩分チャージ (10粒くらい食べた) のおかげで喉の渇きは全くない。異常な量の汗をかいてたんだけどな。タイムは97:23 (Ave115W)。

 だんだん終わりが見えてきたなあ。時間は16:38とすっかり夕方になっていた。時間の経過はとても早く感じたなぁ。朝から10時間もやってるのにまだ2/3しか終わってないのかって思いながら7本目へ。もう当初の予定の事はどうでもいいくらいに忘れてとりあえず今日中に達成したい。そんなことを考えていた。

 7本目はもうひたすら耐えるしかない。これまでに感じたことのない疲労との闘いだった。しっかり踏んでるのに140Wくらいしか出ない。だけど達成してジャージが欲しいっていう意思が強く、心が折れることはなかった。タイムは89:27 (Ave.126W)。

 途中で諦めて投げ出せる事って多分達成したいってそれほど思ってないんじゃない?目的意識低いんじゃない?ってそんなわかりきったことを感じていた。これまで自分は楽なほうへ逃げたり途中で諦めて辞めたことが色々あったなあって。何かにふけっていた。

 夜ごはんを食べて、8本目突入。時間は19:30くらいだったかな。この時、ある思いが頭をよぎった。ラストの9本目は自分の限界までもがききりたいよねって。これまで5本目からタレにタレ続けてもはや乗ってるだけ状態の自分だったが、これほんとに自分のこと追い込めてるんかって。このチャレンジはただただ消化するだけで終わっていいんかって。こんなことを考えていたらいつの間にか8本目は終わっていた。

 タイムは99:43 (Ave.112W)。もう限界来てるし燃え尽きてる感があった。タイムこそ遅いが次でラストって考えたらやる気が出てきた。しかも8本目の序盤にはとある方と遭遇し少しの間一緒に走った。本当に助けられました。ありがとうございました。やっぱり誰かと走るだけで元気って出るもんなんだよなぁと実感した。普段は基本ソロで練習してるけど誰かと走ったほうが追い込めるし、集団練習って本当に貴重だよなとつくづく思う。

 ラスト9本目 !! 目標は60分。どんだけきつくても死ぬことはないんだから気絶する勢いでもがくぞと意気込んでスタート。序盤は4本目に出した自己ベストとほぼ同じタイムで登った。たまに自己ベストを更新する区間もあった。いい感じのペースで登れてるし案外行けるぞと思ったが、デジャヴーを感じる。ラスト7回目のつづら折り区間で力尽きた。この時、なんか悲しくなった。結局ラストまでもがききれないんかぁって3分くらいレストした。 

 でもそんなこと言ってられんからなって気合を入れなおす。最後まで170Wくらいでいってラスト500m。350Wくらいでスプリントして終了。チャレンジを達成した。タイムは71:05 (Ave.160W)。目標からは10分遅れたが、それより最後までやり抜けたことに喜びを感じた。

 もしかしたら部内ではじめてエベレスティング達成したんじゃない?って思った。正直やってそうなOBさんはいそうだけど達成のお話を聞いたことはない。

 何かを達成すること自体が久々だし、これまでの人生の中でも上位なくらい嬉しかった。実際にLe Colのジャージももらえて、一生忘れることない経験ができた。

挑戦してよかった

これに尽きる。

Hells500での認定

 晴れてVエベレスティングを達成した私は、お風呂に入ったあとすぐにLe ColのジャージとHells500の申請フォームを記入した。Le Colの方は認証に1週間くらいかかるっぽくてメール待ち。楽しみね。

 次の日の朝にはHells500にてその成果が認証されていた。STRAVAのログにはチャレンジ創設者の方がコメントをくれていた。

 え!?もう認証されたんか!!早いな。そう感じた。

 認証後はHALL of FRAMEとして名前と記録をwebページに残すこととなる。非常に感慨深い。

 記録は17時間13分

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おわりに

 最後まで私の稚拙な文章を読んでくれた人はなかなかの強者だと思う。本当にありがとうございます。

 これまでモノがもらえるチャレンジ (主にFestive500)には何かと参戦してきたが、今回のチャレンジは群を抜いてきつかった。本当に予想もできないような疲労感 (完全に回復するまで3日間かかりました)。

 でも達成感と充実感もこれまでとは比べ物にならないくらいあった。先述した通り、"挑戦してよかった"

 あと、趣味であるロードバイクだがまだまだ続けたい気持ちがある。いつまでできるのかわからないけど、続けられている現状を当たり前だと思わず、常に感謝すると長く続けられるのかもなと思う。

 あと、何事も飽きたらおしまい。飽きたらなんでも続かなくなるよね。結局飽きるってこと自体抽象的で「なぜか飽きた」。そんな経験したことはありませんか?

 私の大好きなプロゲーマー"梅原大吾"がこんなことを言っている。

一日ひとつだけ強くなる

 飽きるっていうことは、その事柄自体に飽きているのではなく「成長しない自分」に飽きている。じゃあ、どうすればいいか。毎日試行錯誤をし、強くなる。すなわち成長するということだ。これを胸に刻みこれからも色々なことに挑戦していきたい。最後にお勧めの本貼っときます。


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