真夏の読書
真夏の読書。
小説家・庄野潤三の妻が日々、長女夏子さんに宛てた手紙を編んだもの。
庄野潤三の『インド綿の服』は、夏子さんから両親への手紙を元にした家族小説。
庄野潤三には一連の家族小説があるのだけど私はとても好きですべて読んでいる。
今回は妻の視点で、同じ日の同じ出来事が描かれていて興味深い。
この家族のなんと幸せそうで愛らしいことか。
随分と前、母が病づいた頃に、気持ちが晴れてくれたらと『インド綿の服』を贈ったことがある。
母の感想は「なんか嫌味やわ」。
自分とかけ離れた家族同士のストレートな愛情表現に驚いたのだろう。
私にとってもそのあたりは、やはりかけ離れているけれど、だから面白い。
母が他界して5年。
なんか嫌味やわ、と言っていたことも思い出しながらの読書。
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