南伊豆町・白水城址〜発掘調査①
先日散策してきた石廊崎漁港の東に聳える標高60mの天然の要塞・白水城址。その後、地権者や南伊豆町の教育委員会はじめ関係各所の承諾を得ることができ、いよいよ本日より白水城址の発掘調査開始です。
天気予報では、今年に入ってから最高気温となる16°となっています。しかし、風が強いようなので防寒着も用意して南伊豆にいざ出発です。
伊東市教育委員会の金子浩之先生と合流して南伊豆へ。東伊豆海岸沿いに走る国道135号線を南下します。トイレ休憩を兼ねて、展望も良い無料駐車場を備えた尾ヶ崎ウイングに立ち寄ります。
大海原を望むビュースポットです。天気に恵まれると伊豆大島、利島、新島、三宅島、式根島、神津島など伊豆諸島が、右方向は爪木崎、白浜海岸が見えます。今日は伊豆七島のシルエットさえ見えず。
南側には爪木崎までなだらかな稜線を見ることができます。はるか昔に活動を終えた海底火山が、伊豆と本州の衝突で隆起・浸食。火山の中心にあったマグマの通り道が姿を現した特異な地形をしています。爪木崎では太古の海底火山のなごりである柱状節理を見ることができます。
石廊崎港に到着。南伊豆町の町史編纂している南史会の小林憲利さんと合流し、白水城址の現場へ。今回は調査対象となる曲輪(くるわ)の発掘前の事前準備をします。
まずはトレンチ調査をする場所を選定します。トレンチ調査とは発掘調査や遺跡の性質を判断するための調査手法です。どの時代の遺物が、どこに埋まっているか。調査用の穴を一定の幅で掘ります。
前回来た時、金子先生は「このヤブツバキは一定の間隔で植林されてる。木の成長から推測すると50年くらい前だろう。」と分析されていたので、事前に一部のヤブツバキの伐採も了承を得ました。
なるべく伐採の少ない位置をトレンチに採用し、ヤブツバキを伐採します。カットされたヤブツバキのは蘖(ひこばえ)にして持って帰りたいけど、根こそぎ掘り返すのは難儀しそうです。。
現場の足元にある倒木や落枝、絡まる蔓をキレイに取り除いていきます。そんな中、早速見つけました。遺物です。焼き方や断面、淵の巻き方などから時代を特定できるそうです。
発見した出土品は見つけた場所がわかるようビニル袋に入れて、竹串で刺しておきます。掘らずして見つけたので、この辺りは手付かずだったことが想像できる。期待が高まります。
15時すぎ 周囲の草刈りも終え、調査区画の準備は完了。いよいよ来週から発掘調査開始がはじまります。
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