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依存する

私は依存体質だと思っていた。

でも、最近依存されやすい人でもあるということに気づいてしまった。

依存するというテーマで書いてみた。
次回は依存されるで書いてみる。

先日私はある中学生時代から3年間ずっとお世話になり、ともに競争しあってきた友人に相談をしていた。
彼には、恋愛感情など微塵もない。
私を中学時代にドン底から救ってくれた。
学校へ行く理由を作ってくれた。
本当に親友だと呼べる存在だ。
私がぐちぐちと弱音を吐いても、前向きな言葉をその倍以上に投げかけてくれる。時に寄り添い、時に勇気づけ、時にただただ話を聞いてくれる。高校生になってから、住んでいる場所がいくら遠くても月に何度か連絡をしていた。

その人にまた弱音を吐いていると
「まあ、いつでも話は聞いてやるって言いたいところだけどよ」
そこで、文章が途切れた。
塾に行こうと外へ出るとそこにはちょうど同じように塾に行く仲良くしてもらっている男の先輩がいた。
「お疲れ様です」
いつものように声をかけるとまたいつものように話しながら塾へ行く流れになった。

あの言葉の続きが気になってチラチラとスマホを見ながら歩いた。
すると、続きの文章が目に入って思わず読み上げていた。
「俺、彼女できたんだよね」
一瞬にして涙が溢れた。声を抑えることもできなかった。
私には、本当の意味で弱音を吐ける人はお前しかいないのに。
すると、その先輩は頭を撫で自販機へと続く脇道へ連れて行った。そこで私に「冷たくてごめんな。」と言ってロイヤルミルクティーの缶を渡した。
私はずっと泣きながら先輩が歩く後ろをついて歩き、先輩はまた頭を撫でて「なんもできんでごめんな」と言った。
紅茶が嫌いな私にはやっぱりロイヤルミルクティーは美味しくなかった。とてつもなく甘くて甘くて仕方なかった。でも、これくらい甘いから心がほどけるような気がした。
いきなりごめんなさい。と謝ると、「俺にはええねん」と返された。
「そいつはずるいな。こんな親友と彼女手に入れて、それなのに女一人泣かせて。まあ、彼女ができたからって言えるところは立派な人間や。だからずるいやつやな。」
本当にその通りだ。
そんな風にけじめがつけられるかっこいい男だ。
それでも、私にとっては一生親友でいて欲しい存在だ。
私は彼に依存していた。
ダメだダメだと思いながらも彼がいつも話を聞いてくれるから甘えていた。
私から、甘えられる存在がなくなった。

依存して、依存していたものが目の前から消えると人間は恐怖感と焦りのようなものに襲われる。

私は飴が精神安定剤なのだが(特にパインアメ)あの日から持ち歩く飴の量が異常に増えた。
不安感と飴の量は比例するみたいだ。

自分が恐ろしい。

依存されるに続く

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