居場所
海外から帰国して、住みたいと思ったのは
日本海側の海辺の街
そこに祖父母のサマーハウスがあった
基本、夏を過ごすお家
祖父の退職金で建てた、平屋はとても立派だった
庭からは山が見え、庭園にはししおどしがあった
侘び寂びの世界が広がるお家
草むしりは、庭は砂だったからとても簡単に
出来た
ヨガのインストラクターも取得し、海外でスローライフを実践していたから日本に帰り田舎暮らしに憧れた
ただ、そこの名義は祖母で両親からの反対もあり
わたしはそれを覆す程の熱量も説得力もなかった
でも、いつも心の中にあった永遠のふるさと
中学生の時に学校でいじめられて、めげてた時に
父とふたりで祖父母のサマーハウスに訪れた
海が近くにある暮らしは、わたしに、安らぎと
癒しを齎してくれ、学校のことなどとても小さく思え元氣を頂いた夏休みの忘れられない想い出
結局、泊まったのはその時が最後になった
あれからかなりの歳月が経ち、譲ったほしい人が現れて熱心に言われ、父の姉が相続し、売却されたと聴いた時は、頭が真っ白になり、居場所が
ひとつ消えてしまったと思った
あの時なんてないのは承知だけど、そしてそこに移住をしてたら今のわたしも存在しない
その後訪れ大好きな人との奇跡のような出逢いも
今と全く同じな素晴らしい人脈もないわけで
だけど、一方でささやかな幸せがあったのかと
思ってしまうわたしもいる
ないのに。あることを錯覚して
お読みくださいましてありがとうございます