タケシタシミチ...…健康回復の療法 カムナガラノミチ 7 【直観物理と相似象 その 25】
タケシタシミチ……健康回復の療法
前項(カタカムナ人の直観物理と相似象(24))のアマウツシミチ(健康保持の法)に基いて、ここでは、上古代の療法(イヤスベ)すなわち、健康回復の方法(タケシタシミチ)が、楢崎皐月によって、第41~48までの8句により表現されています(「相似象」第5号参照)。
第41句 タナマタ カタメ コトヤワセ(新しい電界の生起)
タケシタシミチの最初の句では、健康回復の根本原理を述べています。
まず、古神道においては、断片的に、以下の語が伝承されているといわれています。
ヤマヒフセノノリ(病氣の治療法)
タケシタシ(健康回復)
オヘチ(衰致)
これらの語の起源は、カタカムナにあり、それは、以下のような、カタカムナ人の電氣生理に対する直観から得られたものでした。
● 生体は、筋肉、組織、血管に関わらず、部分的に電界を構成していて、プラス、マイナスがキチンと分かれて配列し、その間の電位差が大きいほど、健康状態が活性である。プラス、マイナスが明瞭でなくて、乱れたり、一緒になって中和したりしているところは、衰弱したり、病化している(オヘチ)と判断される。
● 病化した部分に、新しく電位を与え、電界を整えることが、「オヘチ(衰致)のナヤミ」を治すスベである。
● 指又の指圧によって、体内に新たな電界を生起させ、電位差構造を置換することによって、体内電位の正常化を行うことができる。
さて、カタカムナ人は、病状を、病苦によって、
ウレヒ、
ナヤミ、
ヤマヒ(ヤマヒは「不飽和不安定」という意味を援用したもの)等
と呼んでいました。病氣観として、生体各部のサヌキやアワの電気量の減退(オヘチノナヤミ)にあるとし、環境(アマ)との関連に病因を置いていました。したがって、病人の苦しみは、アマ不足(電氣欠乏)のためにノイローゼ的になるのであるから、治病の根本も、先ずはアマウツシを盛んにして、生氣を蘇らせながら、悩み事をやさしく聴いてやることが必要である、と教示したのです。
また、大地も岩も動植物も、皆、この電氣生理の相似象として捉えていました。
楢崎たちは、微弱電位を測る電位差計として、10⁻⁸ ~ 10⁻¹⁶ ボルト程度のものを使用して、その事実を確認したと、「相似象」誌に記しています。
一般に脇の下、股等のマタは、電界の分かれる所であり、中でも指又は、マタが多くあり、全身の経絡が集まっているところです。神経系統や内臓の各位に、新しい電界を与えるには、「タナマタカタメ」の指圧は、それよりも容易で、皮膚を損傷することなく新しい電位差を生起させ、直ちに気分を快くし、元気を出させる効果があります。
ここで述べた、電位を与えて電界を整えるという考え方には、現代医療において、ドイツ発祥の「振動療法」(バイオレゾナンス療法)の中に同様の発想があります。この「波動医学」は、ノンフィクション作家の船瀬俊介氏によれば、未来を救う医学であるとも言われています。以下は、バイオレゾナンス療法の祖と言われる、パウル・シュミットに関する記述です。
つまり、カタカムナ人達は、上古代において既に、現代の最先端医学に通じるサトリを得ていたのです。
第42句 アマノタケナムケ(遠隔治療)
この句は、遠隔治療の原理を教示したものです。その基礎には、以下のような、カタカムナ人のサトリがあったと考えられます。
● 遠方の病人は、主因が孤独感にある。それは、人々の接触によるアマ始元量(カムミ)の交流が断たれているためである。
● 遠方まで出向くことができなくても、病人のイヤシフセを念じて両手を向ける「アマノタナムケ」の行為により、アマ始元量は宇宙広域を超高速で波及し、病人のアマ不足を満たし、同時に病人の孤独感を救い励ますことができる。
このように、人と人との間に交流する強い思念は、アマ始元量に働きかけて、アマハヤミ的に波及し、治療の実効を上げることができると指示されているのです。
第43句 ウナヂ ムナサキ タナホオシ(手足の麻痺や凝り)
この句による示しの基には、カタカムナ人の、以下のようなサトリがあったと考えられます。
● 麻痺や凝りの実態は、延髄部の神経反射の機能障害(電氣的分極状態―真雷凝)である。
● 延髄部と肺尖部とを両掌で挟み押しをすれば、掌による磁力線密度を増し、内部発熱の刺戟によって、神経反射が正常化する。
<タナホオシ>とは、両の掌で延髄部と肺尖部を、前後から「挟み押し」することです。このようにすると熱を持ってくるのですが、それは、熱が伝わるのではなくて、刺激が延髄部の神経系に及んで、電氣的に磁力線密度が増加するために生じることなのです。
尚、「チ」は持続という基底思念を持ちますが、カタカムナの用語では、「持続的電氣性」を表すものに多く「チ」が付いていて、後世には「雷」の漢字を当てています。
例:ヌチ、イカツチ、マチコリ、オヘチ、イヤシロチ、ケガレチ等
また、「ホ」は、「正反親和のカタチ」を意味しますから、<タナホオシ>とは、両の掌で、正反親和の形に挟み押しする意であると考えられ、高度のサトリによるものであることが明らかになったのです。
「正反親和のカタチ」によって、持続的な電氣(チ)が発生するというサトリは、正反対向発生のアマウツシ(ホ)の造字の思念を踏まえています。
第44句 カムドノツルギ(化膿した傷や腫物)
この句の教示の基には、以下のようなサトリがあったと考えられています。
● 膿み爛れた傷とか、腫物の周辺には、電氣の消耗による、著しい電氣不足の状態が起きている。
● 掌の指を強く密着させると、掌の外側(側面)に電氣粒子(サヌキアワ)の分布密度が増大し、それを炎症部に近迫させると、電氣不足の箇所に、「誘電現象」を起こす。
<カムドノツルギ>とは、「カタチの見えない無限のチカラを持つツルギ」の意で、ツルギとは、物を切る太刀ではなく、平和や親和(ツルミ)の象徴なのです。ここでは、病を癒す力を持つタナゴコロの意味であり、掌より放出されるアマのココロ(微粒子)の照射を、カムドノツルギと言っています。傷や腫物のように、痛くて触れない場合には、このような誘電の方法が有効になります。
<カゲコネ>とは、「蔭小根」すなわちハレモノの意で、それは著しい電氣欠乏状態と判断され、したがって、強力な「カムドノツルギ」を近迫させれば、誘電現象の如く、電氣が誘われて発生するということになります。
第45句 ミケクスリ(酒)
この句の示しの基には、次のようなサトリがあったと考えられます。
● 軽い飲酒は、病を回復させる薬であること(酒は百薬の長)
● 飲酒(アルコール)によって、結球表面の膜における電子が活性化され、酸素を良く搬送し得るため、休息に酸素量を増加させ、救急薬ともなり、天然の自己の治癒機能(ハグミナリ)を活性化させる効果がある。
第46句 ハムクスリ(内服薬)
これは内用薬(ハムクスリ)についての教示であり、その基には、以下のようなサトリがあったと推察されます。
● 発根毛や発芽物には、微量の生育素(ビタミン類などの触媒の役割をする物質と思われる)が多量に含有されている。
● 乾燥によって生育素の過渡物(前駆体)が生育素に発展し、有効分の濃度を増大、固定して、質的向上が為される。(例:カロチンはビタミンAの生育前駆体であり、ビタミンDは太陽光が無ければできない。光や空気に当てて乾燥させることは、アマ始元量の変遷過程を促進させることになる。その為に消失するものもあるが、大きな効果を持つものが育成されることを狙う。)
● 生育素の抽出に、熱湯振出しの方法(ユコシフリワケ)が優れている。
具体的にどのような根や葉を使ったかは不明だそうですが、重要なことは、植物の発芽した芽や根を乾燥させ、有効成分を固定させて保存し、それを煮出せば薬効があるというコトワリを、カタカムナ人の鋭い直観によってサトり得たことです。
第47句 アテクスリ(外用薬)
<カツラギ>とは、本来、木の根の組み合わさった形のことですが、大岩には大抵カツラギが入り込んでいるために、岩盤のこともカツラギと言うそうです。
<ヤマト>は、ヤ(極限飽和安定)までマ(アマ)がト(統合されている)という思念で、ここでは、生命力の豊かな大きな岩という意味です。
現在は、ヤマトもカツラギも地名として残っています。
この教示は、外用薬(アテクスリ)についてのものであり、その基となるサトリは、以下のものと考えられます。
● 砕石を直火で焼けば、それまで結晶に預かっていた(結晶軸電位に参与していた)電磁粒子が、結晶が壊れ自由電子になりやすい状態になる。
● 外用薬(アテクスリ)は石を使うが、その効果の実態は、誘電効果であり、人間の行うカムドノツルギ(第44句)と同じ効果でを持つ。
古来から民間療法として伝えられている焼塩温石や、また、里芋や薬草類のパスタで、原、頭、腰、肩等の痛みを治すという物理も、それらの物質の結晶を壊して、自由電子を多く出させる効果を狙ったものでしょう。したがって、焼き立て、おろしたて程、効果があるわけです。煎り立て摺りたてのゴマも、電子が多いので香ばしくおいしいのです。
第48句 アミクスリ(浴用薬)
この示しは、浴用薬(アミクスリ)に関するものであり、その基には以下のような示しがあったと思われます。
● モケユハナには、さまざまなイオン結合物質が豊富に含まれている。
● イオン結合物は、湯中で、陰イオン(電子を多く持つ酸素、水素、カルシウム等の原子)や電子(自由電子)を多量に放出し、浴用時に皮膚から体内に浸透する。
医療法について
カタカムナ人のイヤスベ(治療法)においては、例えばクスリを使う手段にも物理的意味があるので、その薬効の説明だけでは十分ではありません。
ミケクスリ(薬酒)
ハムクスリ(薬湯)
アテクスリ(外用薬)
アミクスリ(浴用薬)
を使用する効果も、以下のような技法を併用することにより、タナゴコロ(掌)より放射するカムミのアマウツシが、重要な役割を演ずるという直観があったのです。
● タナマタカタメ コトヤワセ(病人の手の指又を深く組み合わせて指圧しながら、当人の悩み事を良く訊いて慰める。第41句)
● アマノタナムケ(遠隔治療において、両の掌を病人の方向に向ける。第42句)
● ウナジムナサキ タナオホシ(後ろの項と胸前の上部とを、両の掌で挟み押しをする。第43句)
● カムドのツルギ(掌の指を強く密着させてツルギのようにし、その掌の側面と、指の先端を傷や腫物に緊迫させる。第44句)
イヤシロチにおける以下の方法も併せて行ったと考えられます。(カタカムナ人の直観物理と相似象 (24) 参照)
● カスミハミ(第38句)
● タムカヒマ(第35句)
● ムネニタナマタ(第36句)
● ミキザヒザ(第37句)
治療においては、当面の苦痛を除くのが第一番ですが、その方法にしても、カタカムナ人は、天然のハグミナリ(本性)に適った方法にて行うべきであるとサトっていました。この大原則を忘れ、もっぱら薬や手術に頼った今日の医療のアヤマリを正す物理もまた、カタカムナには提示されているのです。
尚、楢崎皐月は、このタケシタシミチについて、相似象学会誌の文中で、以下のような内容を伝えています。
このようなことが理解できていれば、ケガや火傷をした時など、速やかに、幹部に氣功を行った場合、何もしない場合に比べて、回復力が数倍違ってくると言われているのも、自然とわかるはずです。病状を回復させる鍵は、生命力の活性化であり、それは、いかに生体電氣を大量に身に着けることができるかにかかっているのだと言えましょう。
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