カルマとびわ湖のモンサンミッシェル②
元旦早々父親と明け方3時過ぎまで酒を飲み、ゆっくり寝たかったが、慣れない実家&しかもソファで8時くらいには目が覚めた。
両親と初詣と墓参りに行って夕方には大阪戻ろう、と思っていたが、お雑煮を食べて、氏神様2か所に初詣をし、墓参りに行く途中、父親が突然
「最近琵琶湖の水位が干上がって、近くの小島まで地続きになって、フランスの、モン…」
「モンサンミッシェル?」
「そうそう、「びわ湖のモンサンミッシェルだ!」と有名になっている場所があるんや」と話し始めた。
ふーん、と話を聞き流していたのだが、父方の墓参りに行ったあと、父親が「このあと、その『びわ湖のモンサンミッシェル』を見にいかへんか?」とやけに勧めてくる。
「…ここから近いの?」と聞くと、近いというので、それなら車で前を通ってみるか、という話になった。
湖岸道路を通ると、正月のくそ寒い時期に、たくさんの人が琵琶湖を歩いているのが見える。
それを見たら何故か私も歩きたくなり、「ちょっと行ってきてもいい?」と聞いて、母親は車で待ってると言うので(賢明な判断だ)、父と一緒に歩くことになった。
陸続きになった、というものの、もともとは湖底だった場所。
油断すると泥に足を取られ、ブーツは泥まみれになる。
遮るものは何もなく、風がびゅうびゅうと吹きさらす中、ガタガタ震えながら小島まで歩いたところで、特に御利益だのなんだの、あるわけではナイ。
(正月早々、なんでくそ寒い思いしてこんなとこ歩いているんだろう?)と意味が全く分からないまま30分ほど費やし、その後家族でうどんチェーン店に入って遅めのランチを取った。
お腹もふくれ、「さて、姪にお年玉あげてから大阪戻るわ」と弟の家に向かう途中、地震が来た。
車に乗っていたので揺れは感じなかったが、まず携帯、そしてラジオからアラートがけたたましく鳴りびっくりする。
そして、電車が完全にストップした。
「びわ湖のモンサンミッシェル」に寄り道して、30分びゅうびゅう風に吹かれるなかを歩いていなかったら、確実にその1本前の電車に乗っていたし、そうしたら今頃、中途半端な場所で途中停車されて動けなかっただろう。
何かに足止めされたような不思議な気持ちになりながら、結局実家にもう1泊することになったのだった。
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