サマータイムレンダ 歴史年表
作成:2020年10月13日
更新:2024年5月8日
1.ネタバレ前のワンクッション(サマータイムレンダとは)
皆様、こんにちは。お元気でしょうか。
お陰様で私も元気に日々生きております。
唐突ですが、皆様は「サマータイムレンダ」という漫画を御存知でしょうか。
この作品は集英社のウェブ漫画アプリ「少年ジャンプ+」で2018年から連載されていた漫画で、2022年にはアニメ化、2023年にはビデオゲーム化もしました。
また物語の舞台となった和歌山市でもコラボイベントが企画されたり、スピンオフ作品も2作リリースされ、今後は実写化も予定されているそうです。(今回これらについては割愛します。)
物語のあらすじについては「幼馴染みの訃報を聞き急遽帰省した主人公が、その死の真相を探れば探るほど、謎という謎が新たに発生して深みにはまっていく、サスペンスホラー。」です。
物語の内容は勿論のこと、初手から張り巡らされた数多の伏線が華麗に回収にされていく流れに、日本のみならず海外でも大きな感動と支持を得た傑作です。
連載当初からリアルタイムで読み、推し続けていた私としては、ここまで大ヒットしたことが本当に嬉しくて感無量です。
サマータイムレンダ(田中靖規 / 集英社) - 少年ジャンプ+
サマータイムレンダ アニメ公式サイト
サマータイムレンダ Another Horizon 公式サイト
今回は私がX(旧Twitter)で数年前に発信した、サマータイムレンダの時系列を整理した年表を改めて作り直しました。
このnoteなら、もし他に誤字脱字やミスがあっても適宜修正しやすく、何より見やすく分かりやすいかと思われます。
元々は自分が考察や二次創作の参考にしようと作ったものですが、Twitterに載せたら思いの外に好評だったので、皆様にも楽しんでいただけたら幸いです。
ただし、まだ作品を最後まで完遂していない、ネタバレが絶対に嫌だという人は、回れ右でお戻りください。
2.江戸時代
太古に隕石(影の始祖)が地球に衝突。
影の始祖はプランクトンから様々な海洋生物に至るまでコピーし続け生きながらえる。(南方ひづるの考察より。)
1692年(江戸時代前期、元禄5年)7月1日 ※1
菱形紙垂彦 誕生
※1 - 2018年7月24日の最終決戦で「事実326年と24日間、私は体を入れ替え生きて来た」と明言していたので単純に逆算。
17??年(江戸時代中期頃)
菱形紙垂彦の父親が医者の真似事を始める。(菱形医院の原点)
1732年(江戸時代中期、享保17年) 享保の大飢饉
淤能碁呂島(おのころじま。日都ヶ島の当時の名称。)にも餓死者が続出。
ある日、万年青浜に巨大な鯨が漂着。
漁師の娘・雁切波稲が近付くと鯨は発光、鯨は波稲そっくりの姿となり、波稲を捕食。ハイネ誕生の瞬間である。
そこでハイネは何百人もの島民を影にしてしまう。
その一部始終を見ていた菱形紙垂彦はハイネを「現人神(あらびとがみ)ヒルコ様」とし、島の地下の洞窟(ヒルコ洞)にハイネを住まわせた。
結果的に船や網が無くても容易に魚を獲ることができるようになり、島の飢饉を救う形となった。(オリジナルの網代透のメモより。※2)
紙垂彦はこれを機に影の圧倒的な能力を信仰、狂い始めたと推測。
※2 - 単行本7巻の記録11にある背景写真とテキストは網代透の手記オリジナルであるが、少年ジャンプ+に掲載されている記録11は背景写真とテキストの内容が噛み合っていない。(後者の背景写真はシデが改竄したと推測できる。)
紙垂彦はハイネと交わり、息子・那由他をもうけることで「神の夫」と自称、元々は波稲の姓だった雁切を名乗り、菱形家は紙垂彦の兄に任せ分家する。
以降、菱形家は医者の家系に、紙垂彦はこの同時期に人神社(当時の日都神社)を建立、淤能碁呂島も人ケ島と改名する。(明治時代に日都ケ島という表記に変更。)
上記の件は「ヒルコ伝承」という都合のいい形に改竄、後世に伝えられていく。
更に「ハイネが妊娠・出産する子は、成長するにつれ父親と瓜二つの容姿(現在でいうところのクローン人間)となる」ことを理解した紙垂彦は、ハイネに自分の記憶と人格をコピーさせ、那由他に移植させることで若返りを実現させる。
那由他は紙垂彦の記憶と人格を継承、シデとなる。
以降シデはこの秘術の繰り返しにより約300年間も生き続ける。
移植後の抜け殻は万が一のスペアとして保存されていたという。(菱形青銅の証言より。※3)
※3 - シデの秘術の正確な周期については不明だが、連載当時は一部で「40年周期説」があった。
1732年時点での紙垂彦は40歳、2018年現在の真砂人は40歳であることからの仮説と考えられるが、これを真砂人から逆算していくと紙垂彦は1692年生まれとならなず計算が合わないため、この仮説は安易で正確とは言い難い。
この点についてはファン達それぞれの想像力で補完するといい要素だろう。
3.明治時代
18??年
雁切海成(シデの体4代目)が「影の病」という名前を命名。
1868年10月23日 元号が明治と制定される。
1868年~1912年(明治元年?~明治45年)
タカノス山に旧菱形医院を設立
1894年~1895年(明治27~28年) 日清戦争
日本軍が日都ヶ島港を整備。
ヒルコ洞と海に繋がる箇所も塞がれる。(4周目の根津談。)
4.昭和(戦時中)
19??年(昭和??年)
雁切巌 誕生?(シデの体6代目)
1939年~1945年(昭和14年~20年) 第二次世界大戦
1945年(昭和20年)7月9日~10日 和歌山大空襲
シデの代々のスペアが焼失。6代目の巌は生存。
またハイネも戦禍で重傷を負い、今現在の弱体化の決定打となる。
おそらく終戦後、日都ケ島小中学校の校歌を巌が作詞する。
5.昭和(戦後)
1948年(昭和27年)
菱形青銅の祖父と雁切大樹と思われる人物のツーショット写真が撮られる。(記録10より。)
1959年(昭和34年)
アラン 誕生
1960年頃(昭和35年頃)
旧菱形医院が使われなくなる。
1971年(昭和46年)
小舟琴子 誕生
1978年(昭和53年)
雁切真砂人 誕生(シデの体7代目)
雁切巌 死亡(スペアとして稼働)
1983年(昭和58年)7月15日
任天堂よりファミリーコンピュータが発売
1984年(昭和59年)
凸村哲 誕生
6.平成
1989年(平成元年)?月?日
南方ひづる、竜之介 誕生
(最重要事項なので誕生日を敢えて伏せています。)
1990年代(平成2年)
旧菱形医院がオカルトスポットと噂されるようになる。
1991年(平成3年)
小舟琴子、留学先のフランスでアランと出会う。
1994年(平成6年)
小舟琴子、アランと共に日都ヶ島へ。結婚。
同年5月25日 洋食コフネ開店。
網代透と暁見が日都ヶ島へ移住。
1997年(平成9年)1月31日
プレーステーション用ゲームソフト ”FINAL FANTASY7” 発売
1999年(平成11年)8月10日
南方ひづると竜之介が夏休みの自由研究で日都神社を訪問。
雁切真砂人が対応。(記録19より。単行本11巻では巌と表記されているが、12巻の巻末で作者が真砂人と訂正、謝罪している。)
2000年(平成12年)5月18日
網代慎平 誕生
2000年(平成12年)?月?日
小舟潮 誕生
(最重要事項のため誕生日を敢えて伏せてます。)
2000年(平成12年)11月20日
菱形窓 誕生
2002年(平成14年)6月25日
菱形朱鷺子 誕生
2002年(平成14年)10月20日
小舟澪 誕生
小舟琴子、澪を出産後に間もなく死亡
2004年(平成16年)~
網代透、日都ヶ島の歴史の調査を計画・開始。
この時期あたりかは不明だが、ハイネがひづると出会い、仲良くなる。
2004年(平成16年)5月25日(火)
洋食コフネ 開店10周年
この時点で雁切真砂人は宮司になったばかり。
ある日、ハイネがひづるの血を舐めてしまう。
これが発端か、次第にハイネは不安定になっていく。
2004年(平成16年)夏(南方ひづる、竜之介の誕生日)
竜之介が不安定な状態のハイネの餌食になってしまう。
それを目の当たりにしてしまったひづるの一言にハイネは我に返るが、ショック状態となり強制的にリュウノスケの泥を右目と一緒に弾き飛ばす。
弾き出たリュウノスケの記憶と人格の泥がひづるにかかり、ひづるはリュウノスケを内包。
リュウノスケの体の泥はハイネの右目と共に逃走。(※4)
ハイネ退散後ひづるは野良の襲撃に遭うも、マムシ等の駆除をしていた根津銀次郎に助けられる。
またひづるの内包するリュウノスケも覚醒して野良を撃退。(根津はこの時点において自らの免疫の獲得について自覚していないが、理解するのは14年後。)
竜之介の死は「野犬による事故死」とされるが、ひづるはそれを否定。
しかし周囲はひづるの言い分を一切信じず「可哀想な子」と責めずに慰めた。
2004年(平成16年)8月31日
南方一家は日都ヶ島を離れることとなる。(記録7より。)
唯一その真相を知る根津だけがひづるを信じ、ひづるは2018年現在に至るまで根津と密かに文通を続ける。
この事件後、旧菱形医院は建物の老朽化を理由に立ち入り禁止となる。
※4 - リュウノスケの体の泥は、おそらく右目の高次元の能力も相まって、14年後の7月18日(ごみ拾い大会の日)まで逃避、劣化の回復するため潮をコピー(上書き)したと推測。
後にハイネが「リュウノスケは時間の座標が2秒先にズレてひづるにプリントされている」と言及している点からも、右目を持つリュウノスケの体の泥のベクトルは未来へ向いていたと推測。
2008年(平成20年)
網代透と暁見 死亡
死因は、表向きは海の事故とされているが、実際は透がヒルコ洞を発見・公表しようとしたため、シデが夫妻を殺害。
菱形青銅が夫妻の遺体を別人とすり替え事故と処理、本物の遺体はハイネに差し出された。
慎平は小舟家に引き取られる。
このトラウマから慎平は物事を冷静に俯瞰して考えるようになる。
日都ヶ島に関する調査結果を記した透の手帳は、ハイネとシデが隠滅(消去)したと推測。
2008年(平成20年)5月10日
ブログ「白良浜パンタローの廃墟探訪」で旧菱形医院が紹介される。(記録8より。※5)
※5 - 白良浜パンタローに関しては不可解な点が多く、私は以下の疑問点から勝手に「白良浜パンタローはシデ説?」を強めに妄想していた。
竜之介の死後より旧菱形医院は立ち入り禁止であり、また野良の影も巣食う危険な環境下でもあり、普通の人間が院内を隅々まで探索して生還、記事をアップロードすることは非常に困難であること。
記事の内容は1階の診療エリアを重点的に写真と共に紹介されているが、2階に関しては「2階から崩壊が始まっている」という一言で留められていること。
先述の点から2階への階段はこの時点で朽ちていた可能性もあるものの、何故か2階にパンタローの人形が残されている。
常識的に考えると、この記事の存在は菱形家にとって不法侵入罪およびプライバシーの侵害で訴えることが可能なものであり、影サイドにとっても世間には暴かれたくない場所であるはずだが、訴えられて削除されたという事実もない。
ヒルコの彫像は網代夫婦の海洋調査で発見したものと思われるが(記録11より)、誰が旧医院に彫像を鎮座したのか。
以上の疑問点を踏まえ、ブロガーの正体はシデの可能性がある。(その目的は、ハイネの食料確保のため、オカルトマニアや廃墟好き等といった物好きの観光客を呼び込む罠と推測。)
…などと盛り上がっていたが、その正体はAnother Horizonでついに判明したので、気になる人達は是非プレイして確かめて欲しい。
ちなみに、この上記の疑問点もゲーム版では設定が一部修正されており、個人的には「それはそれでヤベー奴やん…」と困惑したが、最終的に綺麗に謎が解けたので物語の伏線回収率100%になったと言えよう。
2010年(平成22年)
南方ひづる、南雲竜之介というペンネームで小説家になる。
2010年(平成22年)夏
菱形窓が凸村をはじめとした悪友に誘われ旧菱形医院に肝試しに向かうも、菱形青銅に見つかり未遂に終わる。
2013年(平成25年)1月3日
菱形千登勢、心不全により死亡。影となる。
2015年(平成27年)9月15日
南雲竜之介の書籍「沼男」発売。(記録2より。)
2016年(平成28年)
慎平、東京の調理師専門学校へ進学。
2016年(平成28年)7月29日
映画「シン・ゴジラ」 公開
2017年(平成29年)夏
雁切真砂人、東京ゲームショーに遊びに行く。
2018年(平成30年)5月頃
根津銀次郎の妻・薫が畑仕事に出かけた先で影となってしまう。
14年前の事件を思い出した根津は咄嗟の行動でカオルの拘束に成功。
ここで根津は「自分をコピーした影を殺せば二度とコピーされない(免疫の獲得)」、「影は本体である平面に細い鋭利な物を3本刺せば立体を拘束できる(影縫い)」等の知見を得て、ひづるに手紙で共有したと思われる。(ただし知見を得た理由については、ひづるにも伏せていた。)
2018?年(平成30年?)?月?日
南方ひづるのボイスレコーダーに謎のメッセージが受信される。
メッセージの謎を知るため、ひづるは日都ヶ島への帰省を決意。
(メッセージの主は、10周目以降の未来から来たウシオ。)
2018年(平成30年)7月14日(土)
小早川しおりが両親と一緒にタカノス山に虫取りに行く。
そこでハイネは小早川一家に目を付けて、しおりをスキャンする。
以後、小早川家の完全な影化(ハイネにとっての理想の家族化)のため、シオリはしおりに忍び寄り完全コピーの機会を伺い続ける。
しおりは「自分とそっくりの女の子」の存在を常に認知、不安な日々を過ごす。
2018年(平成30年)7月17日(火)
コバマートに潮と澪が来店。
店の手伝いをしていたしおりは潮に「わたしそっくりの女の子」について話すも、この時点において潮はその話を信じず。
2018年(平成30年)7月18日(水) 万年青浜ごみ拾い大会
過去からハイネの右目と共に逃避してきたリュウノスケの体の泥が潮をスキャン、ウシオとして上書き、それまでの記憶を失う。
ウシオはすぐ姿を消すが、目撃した澪は潮に「祖母がよく聞かせてくれた影の怪談」を話す。
潮は前日のしおりの話を思い出し、しおりのことを信じるようになる。
大会の帰り道、しおりは潮達と明々後日に海水浴へ行く約束をする。
帰宅後、風呂場で潮がウシオと遭遇。
記憶や考え方が同じと理解した潮はウシオと共に、しおりが最初にシオリを目撃したタカノス山へと調べに出かける。
立ち入り禁止の旧菱形医院の敷地にて野良の影の襲撃に遭ったウシオは、影本来の能力を発揮し野良を撃破する。
「ごみ拾い大会で潮をコピー(上書き)したところまでは思い出したが、それ以前のことは思い出せない」ともいうウシオに対し、潮はウシオを信頼するようになる。
影の存在についても実際に確認できたことで改めて二人は「しおりちゃんに迫る危険」の対策に本腰を入れ始める。
同日、書籍「沼男」のレビュー覧にshinと名乗る者が投稿。(記録2より。)
連載当時は「慎平による投稿では?」という憶測に盛り上がり、後に作者がインタビューで「慎平である」と公言した。
2018年(平成30年)7月19日(木)
大雨により、しおりは終日在宅。
潮はウシオと自分の部屋で「影は何ができるのか」色々と実験を試みる。
ウシオは密かにしおりを夜通し警備する。
2018年(平成30年)7月20日(金)
万が一に備え、潮とウシオがスマホに慎平宛てのビデオレターを残す。
その後、潮は凸村にスマホを預ける。
2018年(平成30年)7月21日(土)
学校の裏のプライベートビーチにて海水浴。
参加者は潮、澪、窓、朱鷺子、しおり、浜路俊、浜路あかり、灯台照。
しおりがハイネの手にかかり死亡。以降はハイネがシオリとして暗躍。
潮とウシオはしおりの救出に失敗し、潮はハイネに殺されてしまう。
また深刻な損傷を負ったウシオは紀伊水道を漂い消息不明となる。
その後、潮の死は殺人でなく海の事故と鑑定される。
潮の首には吉川線があるにも関わらず、不自然な鑑定を受け小舟家は納得できないながらも、アランは慎平に潮の訃報について連絡する。
2018年(平成30年)7月22日(日)
日都ヶ島への帰省途中の慎平は、潮から何かをプレゼントされる夢をみる。
(10周目以降の未来から来たウシオがハイネの右目を慎平に託す。)
夢の内容を理解できないまま我に返った慎平は、偶然にも南方ひづるとラッキースケベな出会いを果たす。(この時点でひづるは相手が網代慎平だと気付いていない。)
日都ヶ島に到着した慎平は澪と合流、潮の葬儀場へ向かう。
ひづるは独自に謎のメッセージの調査を始めていく。
その夜、菱形窓は青銅に潮の死因について問い詰めるが相手にされず。
2018年(平成30年)7月24日(火)
第61回 日都夏祭り 大祭
7.終わりに
大変長々とした形となってしまいましたが、最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました!
ミステリーものは見聞きすればするほど複雑難解になりますが、このように時系列を整理すると理解が深まり、思わぬ発見もあるかもしれません。
このサマータイムレンダのように、例えば日本の何処かであったり、または海外であったり、過去の歴史まで遡るものは史実も正しく押さえておくと、勉強になるだけでなく二次創作で解像度が増します。
併せて人物相関図や家系図も作成してみると、もっと面白くなるのではないでしょうか。
皆様も好きな作品があれば、是非とも年表や相関図の作成を推奨致します。