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ADHDの診断が降りた人間の、社会で生きていく心得

前回の記事で(だいぶ前だが)退職勧奨を受けて頭真っ白、ということを述べた。

いや目の前が真っ暗って書いてた(下図)。そうだよねそりゃ。
退職勧奨受けてから2週間ほど、不眠と何も食べられない日が続いていた。今も睡眠障害と不安障害のダブルパンチにやられています。シンプルにクソ。

目の前は「真っ暗」になるのに頭は「真っ白」になる

現在どうなっているかというと、無事、退職日ギリギリに転職先を決めることができた。
きたる入社日まで、静養しているところだ。

転職活動を3ヶ月ほどやっていた中で、自分に対して、転職活動に対して、社会に対して、労働に対して色々と思うことがあったのでそれを書いておく。
私はまた同じこと(=パフォーマンスの悪さで退職勧奨を受けること)を繰り返してしまうのではないかというぼんやりとした不安がずっとある。不安のせいでいてもたってもいられなくて、近所を夜中に徘徊している。この不安は人生を降りることでしか解決されないのだろうなと思っている。
でも降りるわけにはいかない。なんで私が降りないといけないんだよテメー(社会)が降りろ。
2度とこうなりたくないけどなってしまった場合のために、もしくは、似たような境遇にいる人のために書いておきたい。私の苦しみが無駄ではなかったと思いたいので。


まず自分の心身を調えろ

これ。これに尽きる。
退職勧奨受けてからもう不眠と不安が大爆発して、主治医に眠れてないし不安がマジやばいので薬処方してください無理です!!!!!!とお願いした。まずこの不眠と不安をどうにかしないとなんもできん。
あと今も睡眠障害と不安障害は残ってるから地道に付き合っているところ。最悪。

同時期に、認知行動療法(研究参加)を受ける機会があり、同時並行で行っていた。(これも前回の記事参照)
退職勧奨を受けると思っていなくて、スケジュール的にも難しくなりそうだと感じ、認知行動療法を受けるか悩んだが最終的には受けることにした。
なぜなら、退職勧奨を受けた遠因はADHDの不注意特性や、コミュニケーションに難があるところだと思っていたからだ。これを変えなければ、働き続けることはできないと強く思っていた。
自分がどういう認知の癖を持つ人間であるのか、嫌な思考のループに入った場合はどうしたら良いのか、ということを知ることができたのは大きかった。

何より、自分が抱える苦痛や困難を他者に伝え共有し、改善するということには意味があると自覚できたのが良かった。今まで不満があったら何も言わず転職するという人生を送ってきたので・・・・・・・。他人に相談するってなんでじゃい、自分の苦痛は自分だけのもんやぞ。と強く思っていたので相談して心が軽くなるとかが意味わからなかったんだよなあ
これ、まさに多分自分の認知の癖や特性で、自分が思っている以上に他者と協調する、共有するというのに抵抗感があったんだなあとしみじみ思う。
セッション中に転職先を決め転職活動を終了することになったので、その旨を担当心理士の方にお伝えしたら、拍手して喜んでくれたのが本当に嬉しかったのをよく覚えている。
あとね、少なくとも未来のADHDに苦しむ誰かの役に立つんだと思いながら参加するのは、地にめり込むほど下がった自己肯定感をなんとか保つのに良かった。そういうの大事。
苦しむのはもう私の世代で最後にしてほしい。こんなことで苦しまない世の中になってほしいんだよマジでさあ。

使えるものは全て使え、頼れ、生活がかかってるんだ(ただし自分で管理できる範囲内で)

退職勧奨を受けてすぐにしたことは、病院の予約もそうだけど、まず各社のエージェントサービスに登録・面談をすることだった。
まず某R社に登録して一番早い面談の日取りで調整してもらった。
転職するのはなぜかを聞かれて、退職勧奨を受けた旨をエージェントに説明したときに号泣したのはいい思い出。
だってまだ整理できてなくてさあ。30代で転職するのも無理だと思ってたからさあ。

その後、エージェントサービスD社、ITに特化したエージェントサービス、wantedly、リワーカーなどに登録した。
同じような求人に当たることも多いけど、全く違う求人を掘り当てることもある。だから、複数登録した方がいい。もちろんエージェントに寄りかかることはせず、自分で求職情報を探してガンガン応募していくのが大事。
転職は縁とよくいうが、縁ってのはどれだけ応募してヒットしたのかという数だと思っているので、気になったらとりあえず応募してみる。母数をデカくするの大事。
応募中にヤバそうな会社だと気づいたら、じゃあ面接の練習に使わしてもらいますわ、ぐらいの気持ちでやる。あるいはマジで気乗りしなかったら辞退でもいいと思う。(辞退はなるはやでやりましょう)

何がしたくて、何が嫌なのか。何ができて、何ができないのかを整理

めっちゃ重要。ちなみに私は右往左往、試行錯誤しながら下記の通りに転職する軸を整理した。
1.フルリモートはやめて、ハイブリットワークができるところを探す(リモート週3は絶対死守)
2.事務職は絶対辞める。なぜなら、阿吽の呼吸だの、察して何かやるということに圧倒的に向いてないから。
3.過去在籍していた企業での経験(IT業界)を活かしてなんとかそこからリスタートを図れる業種に行く。SESは絶対避ける。
4.副業OKのところを探す
5.もう絶対辞めたくないし潰れても欲しくないので、設立が若すぎる企業は避ける

1.について

フルリモートを辞めた方がいいと思ったのは、私のように不注意が多く仕事が遅い人間の場合、信頼貯金を貯めるのが大変すぎると思ったからだ。自分の雰囲気や仕事している様子を見せた方が色々話が早い時はある。
だとしてもリモートは絶対週3以上でないと無理だと思った。人がずっといる環境に耐えられないし気が散るし、通勤だけでへとへとになることを避けたかった。
続けられる仕事を見つけるのが大事なんであって、転職先を見つけることがゴールじゃない。という意識はあったのでこれだけは譲れなかった。

2.について

これはもう絶対そう。向いてないってわかってるのでできるだけ避けた(いくつか応募はしたが、面接対策なんかもやる気が出なかったので大変だった)。転職するなら、直前の職歴と同じ事務職で探すべきだったが、もう絶対避けたかった。
でもこのせいで、ジョブホッパーに見られたり、何がしたいのかわからないという理由で、面接で落ちることがかなり多かった。

3.について

今後のキャリアや年収、生活を考えたときに、自分の中で一番仕事をしているイメージがつきやすいのが、過去IT業界にいた時の仕事を活かしてステップアップする、ということだった。
なので直近ではないものの、IT業界でのわずかな経験を元手にキャリアを形成する方向で、社内SEや自社サービスを展開している企業のヘルプデスク、テクニカルサポート職を探していた。
ちなみに、過去在籍していたところはSESだが、SESは(未経験で採用して貰ったので悪様に言いたくないが)ピンキリだし、キャリア形成とか安定して働くとかそういったものからは程遠いので外した。配属される案件で差がありすぎるので、働き方をコントロールするのはかなり難しいと思う。

4.について

私は副業をしている(まあク⚫︎ウド⚫︎ーク⚫︎とかちょっとしたやつ)ので、堂々と伝えておきたかった。
理由としては、自分が仕事以外にどのように使えるスキルを持っているのか、何に興味があって勉強しているのかというのを積極的に社内の人に伝える方が、いろいろ仕事を回してもらえて社内での立場の形成に一役買うのではないかという目論見があったからだ。
かつ、副業OKにしている会社の方が何かと柔軟そう・風通しが良さそうと思われるので、副業OKかどうかチェックしていた。
寧ろ昨今の企業で(大企業や公務員でもないのに)副業禁止にしている会社は、ちょっと・・・・・・古風すぎるのでは?という偏見もある(実際いくつか面接させて貰って、副業禁止の会社はちょっとやばそうだった)。

5.について

退職勧奨を受けた会社は設立が割と新しい会社で、しかし入社してから業績が下がっていき、退職者も増え始め・・・・・という感じで無くなってしまった。
会社がなくなる経験をして身に沁みたが、今後の生活の心配をするというのは想像以上に精神に負荷がかかる。だから、スタートアップで色々やりたいとか刺激的な環境に身を置きたいとかそんな願望がない限りは、設立20年ちょいぐらいの会社を狙っていくと良い。
20年残る会社は稀有だ。どこかの記事で見たが、会社が10年残る確率は10%程度で、20年残るのはさらに確率が低くなる。設立が若すぎる会社は同じことを繰り返す可能性があるので、私は避けた。
会社がなくなるなんて経験は人生で1回でいいんだよ。2度としたくない。

転職サイトには登録し続けておく

転職活動をしていて、テクニカルサポートや社内SE職などのマストの応募条件として
・TOEIC700以上
・英語の簡単な読み書きができる
・中国語の簡単な読み書きができる
・基本技術者情報の所持 etc…
上記のような語学や基本的な技術的知識を持っている証明をできなくてはならない、というのをしばしば見かけた。
転職をいざするぞとなったときに、目指す業界的にどのような経験・資格を要求されやすいのかを大まかに知っておくために、転職サイトに登録して時々応募条件をぼんやり眺めるというのはやり続けたほうが良さそうだ、と今回痛感した。
大まかな指針を失わなければ、大海の真ん中で迷って死ぬということもない。

興味があることはちょっとでもいいから触れ続ける

これ。ほんとこれ。
上記にもつながるのだが、TOEICを要求される技術職が意外と多い印象で、語学はやっぱりできるに越したことはないんだよな〜〜〜としみじみ痛感した。英語はずっとやりたかったので、今ちまちまTOEICを勉強している。
勉強することは嫌いじゃないしいいか〜〜〜という軽い気持ちでやっている。
LANGAKUとmikanおすすめ。

他にも、こういう機能が欲しいからプログラム書いてみるかとかAIで生成させてみるかとか、HTMLチョットカケルからサイトコーディングやデザインを勉強してみっかとか、副業と同人活動のついでに表紙を作る技術向上のためadobeソフト一通り触れるようになって画像編集とか自主制作のデザインやるか、とか、ちょっとでも興味があるやつは触り続けている。
触り続けているだけなので、永遠に浅瀬でチャパチャパやっていて、
浅く広くになっちゃっているのは良くないとは思っているが、でもとにかく、興味を持ったことはやってみるつまみ食い精神(ADHDの多動と衝動がバリバリ出ている気もするが)、これは忘れたくない。
私の好きな言葉は「芸は身を助く」と「裾野の広い山は高い」だ。

ちょっとでもいいから「ビジネス書」というものに目を通す

私は「ビジネス書」が苦手だ。
努力しないで困窮しているやつは愚か、努力しないのが悪い、というような、新自由主義的かつ自己責任論的な思想を「ビジネス書」に感じるので、苦手なのだ。
ビジネス書を読むくらいなら、この世にわんさとある面白い哲学書とか新書とか小説とか漫画を読みたいんだよ!!!!!!!!!!!!!!!

だが、世間の(それなりに)社会人をやっている人は多少、おそらくビジネス書を読んでいる。なので、ビジネス書の概要を纏めた本(例えば堀元見さんが出しているような)でいいから、思想の片鱗に触れておいた方がいい。(でいいから、というのは失礼だけど、堀元さんのは読みやすかった)
今、社会で働く人はこういう考えを持っている人もいるのだ、と知っておかなかったこと、つまり、ビジネスマンの中に浸透している思想を嫌って全く馴染もうとしなかったその頑固さが、今回退職勧奨に至った遠因と考えているので、やっぱりある程度読んだ方がいいな、と反省している。
何も最初から最後まで読み通す必要はない。無理そう、と思ったらやめて違う本を読めばいい。ビジネス書は大量に出ているのだから。たかが本だ。

声に出して本を読んでみる

ADHDパワーソリューション、みたいなタグがTwitterで(私はずっとTwitterと呼ぶぞ)だいぶ前に流行ったと思うが、
そこで、声に出して本を読むとなんかいい感じする(何もかも曖昧)といった内容の投稿を見かけた。
私はこれをほぼ毎日しているが、いい。何がいいかというと主に下記である。
・毎日本読める
・大声を出すのでスッキリする
・口を大きく動かすのでスッキリする
・早口が若干マシ(当社比)になった気がしなくもない
ここで読む本は自分が読みたくて仕方ない本(私の場合はビジネス書以外の活字)にしておこう。
1日の最後は面白い本を読んで終わりたいじゃん・・・・・・・。

互助会に参加してみる

これ結構大事。
退職勧奨を受けた後、一人で落ち込んでいるのが耐えられず、互助会に参加してみたのだが、同じ特性で困っている人しかいないので、話しやすいのなんの。
私は不注意特性に困っているので、どえらいミスをした時のリカバー方法を聞いてまわるなどしていた。そういうことを、気兼ねせず聞ける場があるというだけで本当に楽になる。
互助会は色々あるので探してみるといいかも。また行きたいなあ。

追記(24/5/5)

今、無事に働いている。
今までの苦しみはなんだったのかというくらい、働きやすい。
環境が違うだけでこんなに働きやすいことある??????????

まだ入って1ヶ月ちょいで、まあまだまだ転職者はお客さん扱いの時期だからなという感じもするが、でも、コミュニケーションが雑だとか冷たいとかで注意されないし、チャットの返しをスタンプで終わらせても注意されないし、作業締め切りが間に合わなくて怒られるとかないし(なぜなら間に合わせられるので)、あと仕事内容自体が興味深くて飽きないので、今のところすごく快適に働かせて貰っている。
この環境をまた地獄にしてしまうかどうかは私次第であるが(絶対に避けたいのでめちゃくちゃ頑張ってる)、頑張りすぎて燃え尽きて疲れ果てて不安大爆発、というのがないようにしたいと思っている。

あと、上司がいい感じに緩い人なのが私の性に合っているのかもしれない。上司との相性大事。一生そのままでいて。

未来の自分か、または同じように困っている人の多少の参考になったら嬉しい。

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