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医療保険の適用と国保組合の特徴

鹿島 「医療保険制度について大雑把につかんでおきますか。出雲さん、医療保険制度で知っているものありますか?」

出雲 「隣町で公務員をやっている叔父さんが去年大病しまして、共済組合でよかったというようなことを父と話していました。祖父は実年齢よりかなり若く見える人で、親族の葬式なんかに行って年寄り同士で年齢の話になると「俺はもう後期高齢者だ」などとにやにやしながら自慢げに話していました。」

鹿島 「おもしろいお爺様ね。そう、叔父さんは地方公務員共済組合共済組合でしょうし、お爺様は後期高齢者医療制度の被保険者です。日本の医療保険制度は年齢によって強制的に適用される後期高齢者医療制度、事業所によって強制的に適用される共済組合や協会けんぽなどの被用者保険制度、住所によって強制的に適用される国民健康保険制度があります。実際には共済組合の組合員は短期給付の対象から外れて後期高齢者医療制度の被保険者となったり、後期高齢者医療制度の被保険者で、かつ、国保組合の組合員だったりする人もいます。組合員・被保険者・被扶養者という語句も制度によって内容が異なっていてややこしくもあります。必要な知識はおいおい身につけていただくとして、健康保険制度には構造性があるということを知ってください。医療保険制度はどれも最終的には人に適用しますが、後期高齢者医療制度は年齢によって強制的に、健康保険などの被用者保険は事業所の形態と規模で事業所を媒介として強制的に適用します。それに対して国民健康保険は後期高齢者医療制度と被用者保険が適用される人を除き、住所を通して網をかける形で強制的に適用します。国民健康保険という名称にはなっています、住所を持つ外国人も対象になっています。さらに国保組合は住所を通じて強制的に適用する国民健康保険制度という枠内において「事業または業務」という仕事の内容分類で組合員を組織できる任意制度ということになります。様々ある公的医療保険のなかで国保組合は、公営国保か国保組合かを加入者が任意選択できるという特徴を持っています。」

(2024年11月18日)

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