アラサー、王子様よりも優しい男性に出会う
今日も本業後に好きな人の工場とは別のリネン工場で働いた。
明日は朝から好きな人の工場へ行くので、
夜22時までの勤務はマジで辛い。
在宅勤務の本業よりも1時間早起きしなきゃいけないのに。つらぁ。
憂鬱過ぎて家を出る前本気で暗くなってしまった。
こんなふうに憂鬱になる仕事はなるべく入れないように心がけているのに、
来週の平日も同じスケジュールだ。つらぁ。
そしてなんでこのクソ暑い時期にクソ暑いリネン工場をハシゴしてるんだわたしは…!
今日はここで初めて投入のほうに来たけれど、
作業場の温度計を見ると32.6℃あった。
しかもここ冷風機とかないし!ひどい!
初めて見るわたしと似たような年であろう男性社員らしき人に仕事を習った。
彼はもう汗だくで、顔が汗でびしょびしょになっていた。
そういえば好きな人がこんなに汗をかいているのは見たことがない。
あの子やっぱり代謝悪いんだろうなと思った。
朝は顔むくんでるし。
男性社員はゆっくりとにこやかにシーツの入れ方を教えてくれた。
好きな人の工場とは入れる向きが違うし、
入れ方も全然違う。
たぶん機械のメーカーが違うのだ。
しかし何よりも、
この人、王子様よりも優しくないか?
いやいや「王子様より優しい」って何よ?
そんな日本語ねえよ!
「地獄より辛い」みたいな?
そんなわけない、そんなわけないぞ。
…と自分に言い聞かせるけれど、
好きな人はタイミーにこんなに笑いかけないし、
こんなにゆっくり丁寧には教えてくれない。
わたしそういえば初めて運送会社に行ったときも、
ドライバーさん達がみんな優しくて驚いたよな。
王子様も優しいとは思うけれど、
彼は結構波がある。
優しいときは優しいけれど、
挨拶しただけで嫌な顔をされるときもある。
そんなのあの人くらいだよな。
やっぱり彼ちょっと変わってんのかな。
よくよく考えてみると、
好きな人よりも優しい男性にわたしはいっぱい会っている気がしてきた。
やっぱりこれは恋ではなく固執なのか?
もしかしたらわたしの「優しい」の基準はおかしいのか?
でもこのお兄さんは間違いなくわたしの王子様よりも優しい。
頭ではわかっているけれど、
それでもやっぱりこうやって隣で作業するのが彼だったら、
同じシーツを取りそうになっただけでも、
いやもうシーツを手渡しするだけでも、
わたしはときめきすぎて死にそうになり、
またご機嫌でケーキを買って帰って、
noteも3000字くらい書きそうな気がする。
それくらいあの声はわたしにとってはもう魔力なのだ。
ここは汚れたシーツもそのまま入れていいんだとか、
自動でどんどんシーツが出てくるんだなとか、
彼の工場とは違うところに驚きながら作業をしていると、
途中機械のエラーで30分くらい暇になった。
隣の女の子が話しかけてきたのでお喋りをする。
彼女は髪に緑のハイライトが入っていて、
丸顔で目がぱっちりしていて胸がめっちゃ大きい。
学生さんだろうか。
きっとわたしと違ってモテるんだろうな。
黙っていても男の人が寄ってくるんだろうな。
うらやましい。
わたしなんて11年も男の人に相手にされていないのに。
…と無意識に僻んでいたけれど、
よくよく話を聞いたら同い年だった。
え?わたしもハイライト入れていい?
別にそれで怒られる仕事はしてないぞ。
昔パスピエのライブに行ったとき、
大胡田なつきちゃんになりたくなって、
わたしも赤のインナーカラーを入れてみようか悩んだことがある。(単純)
当時の職場でその話をしたら、
おじさんに「お前にそれが似合うと思うかぁ?」
と呆れられて、
わたしは自分が老け顔の地味女子であることを思い出して目が覚めたのだ。
いいなー30過ぎてもああいう髪型してもいいのか。
でも彼女童顔だもんな。
彼女はフルタイムで働いていて、
さらにタイミーをしているそうで、
「お金が必要で…」と言っていた。
なんかわたしより大変そうだ。
好きな人と話せたときのネタにしようと同業他社に忍び込んでみたなんて絶対に言えねえよ。
わたしってやっぱり気楽なんだな。
今月のカード代18万だけど。
でもこうやっていろんな人と話せるのがタイミーのいいところだと思う。
わたし本業じゃ喋り相手なんかいないし。
間違いなく社会勉強にはなっている。
ありがとうタイミー。
そして彼女が言うには今日のポジションはここで一番キツいところらしい。
あとはピローとかタオルとか薄手のシーツだから、
ここの機械に入れるシーツが一番重たいそうだ。
わたし明日好きな人の工場に行って、
またシーツを入れる仕事だったら腕やばくないか?と
アラサーは地味に焦っている。