男性タイミーにキレたアラサー
とんでもないことをしてしまった。
やばい。
今日は1週間ぶりに本業後に運送会社に行った。
1週間ぶりの力仕事…やばい絶対筋肉痛になる。
今日は当日でも募集が埋まっていないので、
いつもの女の子が仕事帰りにふらっと来ないかなとわたしは密かに期待していた。
いや前に近くの会社で仕事を教えてくれた男性タイミーでもいい。
変な男と働くのがとにかく嫌すぎる。
電車で爆睡しながら運送会社へ向かった。
募集はいつの間にか埋まっていたけれど、
わたしが着いたときまだタイミーの人は来ていなかった。
彼女はいつもギリギリに来るからやっぱり今日彼女だといいなと思っていたら、
事務所の外に芸人みたいな金髪の男の人が歩いていて、
誰も使わないドアを開けようとしていた。
今日あいつか…がっかり。憂鬱。やだな。
外で困っている彼と目が合ってしまったので入口をアイコンタクトで教えた。
事務所に入ってくると、
いつも一緒にトラックに乗っているおじさんが教えてやってと言うので、
わたしはQRコードの場所を教え、
ついでにお手洗いの場所も聞かれたので教えた。
今日は荷物が多くて時間になっても始まらなかったので、
彼はまた「18時からですよね?」とわたしに聞いてくる。
めんどくさいからいちいちわたしに話しかけないでほしい。
そしてトラックで現場に移動して作業を始めた。
今日はわたしも久しぶりだし、
いつもは見かけないような行き先の荷物もあったので、
わたしも正直よくわからない。
タイミーの彼とはなるべく目が合わないように離れて1人で忙しそうに作業するようにした。
すれ違ったときに彼がぶつぶつ言っていても気にしないようにした。
そいつは2メートルくらい離れたところで何か言っていたので、
わたしは聞こえないふりをして咄嗟に段ボールの影に隠れて作業を続けた。
それでもわたしの周りに他の人はいないので、
彼は明らかにわたしに向かって話しかけていて、
さっきよりも声が大きくなった。
話したくない男の人が無理矢理声をかけてきて、
わたしの頭の中はたぶんパニックになっていた。
なんでここに来るタイミーの人って、
いつも社員じゃなくてわたしに聞くの!?!?
わたしだってよくわかんないのに。やめて!!!
「ここごちゃごちゃなんですけど」
と彼は言ってきたので、
わたしは思わず突き放すように、
「わたしに聞かれてもわかんないんで!!!」
とキレてしまった。
パニックのあまり、
ちょっと大きい声が出てしまったので、
チャラい男の子にはたぶん聞かれた。
やばい。怖いおばちゃんだと思われたかもしれない。
彼なら後でこっそり後輩の男の子に、
「今日タイミーさんキレてたよね」とか言いそうだ。
やばい。ここではそんなキャラじゃないのに。
わたしただのタイミーだし。
穏やかなババアでいさせてよ。
大体あんたがわたしに聞いてくるから悪いんだよ!!!!!
わたしの印象が悪くなるようなことしてこないでよ!
わたしは人の世話をするのが大っっっ嫌いなのだ。
添乗員時代もそうだった。
わたしの顔を見る度に質問してくる客や、
つまんないことでいちいち話しかけてくる客には、
必ず嫌な顔をして本気でキレていた。
大っ嫌いなのだ。
近くに寄ってくるだけでピリピリイライラする。
わたしがさっき軽くパニックになったのは、
たぶんこの名残だ。
あと春に手を握ってきた気持ち悪い男も、
いつもすれ違った後に1人で何か話していて怖すぎるからそのトラウマもある。
添乗員時代、
わたしはいつもちやほやしてくれて可愛がってくれるドライバーさんやホテルマンにはとても懐いていたけれど、
自分が面倒を見なければならない客には笑顔なんて一切見せずに冷たく事務的に対応していた。
だって仕事だし。
わたしはそういう女なのだ。(最低)
ここのドライバーさん達はいつもわたしを気にかけてくれるし優しいから、
わたしはいつもニコニコしている。
でもそれを知らない男性タイミーにすると、
彼らはここの社員ではなくわたしにいちいち質問してくるのでその度にわたしの手も止まる。
わたしだってここの社員じゃないから仕事なんてよくわかっていないのに。
添乗員時代もよくわからないことを客からしつこく聞かれるのがとにかく苦痛だった。
わたしはバスガイドじゃない。
社員のふりをしているけど、ただの派遣の添乗員だ。
地理のことも歴史のことも素人だから聞いてこないで欲しいのに、
客の老人達はわたしの親と同年代のバスガイドではなく、当時20代のわたしによく絡んできた。
答えられないと勉強不足だと叱られ、
嫌な顔をするとクレームを入れられ、
「バスガイドじゃないので〜」と最初にアナウンスするとアンケートに不満を付けられた。
もう嫌で嫌でたまらなかった。
わたしは旅行は大好きだけど、
他人の世話や話し相手なんかしたくない。
コロナのおかげであんな仕事を辞めることができてよかったと今でも本気で思っているのに、
ただのパートのおばちゃん、タイミーのおばちゃんになっても他人の世話は付き物なのか。うんざりだ。
わたしは本業後に2度と会わない人に愛想笑いなんてしたくない。
肉体的にも精神的にもそんな余裕はない。
運送会社は今日も忙しそうだったのでわたしは残業してきたけれど、
彼は時間になると逃げるように帰って行った。
きっとわたしのせいだなと思った。
でもわたしも1人になると、
もう知らない男に話しかけられない安心感が半端なくて、
いつものペースを取り戻せた。
レビューに何か書かれたら嫌だなと思ったけれど、
何も書かれてなくてホッとした。
あいつ40代だったのか…やば。
ここほんと変なやつしか来ねえな。(※わたし含め)
タイミーにいつも嫌な顔をしないで仕事を教えてくれる社員さんや、
「初めてなんです」と言うといろいろ教えてくれる先輩タイミーさんはすげえなと思う。
人間ができている。わたしとは人種が違う。
器の小さいわたしにできるのは、
初対面の人に不快感を与えない身なりでいることくらいだ。