死ぬ気で働けアラサー!
金曜日の夜、
いつものように感じの悪いスーパーで品出しのバイトをしていると、
週末だからか楽しそうにお喋りしながらゆっくり買い物をしている家族連れやカップルをよく見かける。
帰り道に通るラーメン屋さんでも、
駐車場で助手席に若い女の子を乗せた男の子が嬉しそうに車を降りたし、
店内でも若いカップルや中年の夫婦が仲良さそうにラーメンを食べていた。
わたしはきっとああいう女にはなれない。
母子家庭で育ったからああいう夫婦の姿を見ずに育ったし、
母親も群れないタイプなのでああいう女ではない。
だからたぶん血筋なのだ。
女が1人で生きていく血筋。
誰とも仲良くならない血筋。
当たり前のような顔をして男の車の助手席でくつろぐわたしより若い女の子。
あの女の子はもし運転席の男の子と別れても、
わたしのようにその後10年以上彼氏ができないなんてことはないんだろう。呪い殺してやりたい。
昨夜は1人でチューハイと日本酒を飲みながらドラマを見て寝た。
朝起きてまだお酒の残っている身体でお弁当を作って今日もまたバイトだ。
正直めんどくさいと思う。
本当は朝はもっと寝たいし、
もっと好きな服を着てゆっくり化粧をして出かけたい。
まつ毛パーマにだって行きたいけれど、
来週もバイトがあるから遠征前には行けそうにない。
でもわたしは今月来月は死ぬ気で働いて遠征すると決めたのだ。
来週の今頃は好きな服を着て知らない街で刺激を受けながら楽しく過ごしているはずだ。
そのための苦労なら仕方ない。
今日の現場は冬しか募集の出ない食品工場で、
行くのは1月以来だ。
なんか事務の女の子とめっちゃ話した記憶がある。
あそこは食品工場なのにみんな和やかで優しくて、
雰囲気が良いから好きだ。
やっぱりタイミーと言えども雰囲気の良い現場で働きたい。
「両手使えっつってんだろ!」
と社員の男の子を怒鳴りつける怖いおばちゃんのいるパン工場に行くのはいつも憂鬱だもん。
知っている会社に行くのはつい気が緩む。
珍しく人見知りスイッチが入らなかったわたしは、
受付で事務の女の子が出てきたら、
「お久しぶりです!」と自分から声をかけていた。
しかし女の子はきょとんとしていたので、
これはたぶん忘れられている感じだ。
コミュ障つら!!!
まぁいい。
何も言わずに入ってくるより最初に言っといたほうがきっと感じは良いはずだ。
後から女の子はパソコンで名前を確認してきたのか、
わたしの名前を呼んで前はどんな作業をしたのか聞いてきた。
ちょっと思い出してもらえたような気がする。
今日の作業は単純だったので、
休憩を挟んで6時間ひたすら同じ作業をしていた。
座ってできるのはありがたいけれど、
丸椅子にこんなに座っていることもないので、
さすがにお尻も腰も痛くなった。
それでもここは室温だし、
立ちっぱなしよりはだいぶマシだ。
この寒い時期に上着無しで働けるだけでもありがたいと思う。
死ぬ気で働くとか言っといて、
こんな温かい場所で座ってひたすら同じ作業をしているのはなんか違うような気がしてしまう。
でも今日のお給料はわたしの本業よりも安い。
時給で言えば40円違うのだ。
わたしが家でゴロゴロしたり録画したドラマを見たりリンゴを剥いて食べたりしながらパソコンをポチポチしているほうが稼げるなんて、
普通の仕事はなんて厳しいんだろう。
こういうありがたみがわかるだけでも、
わたしはタイミーをしている価値があると思う。
本業はとにかく退屈過ぎるし、
体力的にも他の仕事ができなくなりそうで怖いので、
わたしは今の会社にフルタイムで働けと言われても、断ってタイミーを続けるような気がする。
そして仕事は無事に終わった。
事務の女の子はわたしを思い出したのか社交辞令なのかわからないけれど、
お昼休みも帰りも笑いかけてくれた。
ここはしばらく募集が出るらしいので、
また土曜日が空いてるときは来たいな。
帰りに欲しかったアウターを買い、
化粧品のサンプルももらって、
脱毛に行ってきた。
急に遠征の予定を入れたもんだから、
今週末の予定がぎゅうぎゅう詰めになってしまったのだけど、
何とか全てこなすことができた。
明日はタイミーとシェアフルの掛け持ちで、
また工場をハシゴする。
土日に3社も工場を回るワーカーは、
わたしの他に一体どれくらいいるんだろう。