タイミーのわたしがタダ働きをした
今日は朝6時に起きて50キロ離れた街に向かった。
昨日21時まで働いていたのでちょっとキツい。
でも仕事じゃないから文句も言わずに行ける不思議。
午後からは好きな人の工場に行くので、
途中で上がるつもりでまち歩きのイベントに行くか、
いつもお世話になっている団体がお祭りのお手伝いを募集していたのでそちらにしようか。
時間的にはお手伝いになりそうだ。
とりあえず行ってみて考えるか。
まぁどちらにしても会う人は同じだからいいのだ。
いつもタイミーで働いているわたしが、
2時間タダ働きするなんてちょっと笑える。
いつもお世話になっている団体のイベントとはいえ、
いつもその場にいるだけで素性の知れないわたしが、
突然お手伝いに現れて仲間に入れてもらえるものなんだろうか。
ちょっとビビる。
いや無理そうだったら大人しくまち歩きのイベントに参加すればいいのだ。
往復1500円くらいするけれど、
お祭りだってやっているのだから、
手持ち無沙汰にはならないはずだ。
そんなわけで高速バスに乗って向かった。
ここはわたしの地元よりもだいぶ田舎の街だけど、
事務所やイベントに行けば必ず話せる人がいる。好きな人よりずっと確実だ。
着いてからお手洗いを済ませて、
念のため髪の毛をまとめて会場に向かった。
まち歩きのイベントの受付の時間と被ってしまったのでめちゃくちゃ混んでいる。
これでやること教えてもらうのは申し訳ないような。
もう1本早いバスで来ればよかった。どうしよう。
1人でオロオロしていたら、
顔見知りのおじさんを見つけた。
いつも遠くから来てご夫婦で参加している人だ。
…わたしの理想の夫婦!
このおじさんはなぜわたしの名前を知っているのかわからないけれど、(1度も名乗ってない)
いつも名前で呼んでくるし、
なぜか写真を撮られたこともある。
たぶんアラフォーで、
いつも可愛い奥様を連れてまち歩きのイベントに参加していて、
まち歩き中も奥様の飲み物や荷物を持ってくれていたりするとにかく優しい旦那様で、
まち歩きの帰りには日帰り温泉に寄ったりするらしい。いいなぁ!うらやま!
たぶん奥様のほうがこういうイベントが好きな感じだけど、
いつも優しく付いてきてくれる素敵な旦那様。
わたしも結婚するならこんな人がいい!
(…お前の好きな人は絶対そういうタイプじゃないけどな!)
奥様も明るくて話しやすくていい人なので、
どこでこういう人を見つけたのかぜひ聞いてみたいのだけど、
いつも現場で会うからお互いヲタ活で忙しくて、
とてもそんな話をする暇がないのだ。
そんなおじさんがやっぱり話しかけてくれた。
奥様はお手洗いに行かれているそうだ。
なぜか名刺をもらった。
「はっ!あの酒蔵の部長さん…?」
わたしも向こうに行ったら寄ったことのある有名観光地の酒蔵だ。
パートとタイミーしかしていないわたしは、
普段は名刺なんて頂くことすらないけれど、
こうしてたまにヲタ活の現場で名刺を頂くと、
なんかみんなすごい人なのだ。(語彙力のなさ)
同じことをしているからと言って錯覚するなよ、
お前はただのフリーターだ!と言い聞かせる。
「今日はお手伝いに来たんですけど忙しそうで…」
とおじさんに話してみたらちょっと勇気が出たので、
わたしはスタッフさんを捕まえて話してみる。
とりあえず落ち着いたら混ぜてもらうことにした。
早速お役に立てなくて申し訳ない。
こんなんでいいんだろうか。ちょっと不安。
まち歩きの集団を見送り、
わたしはようやくブースの中に入れてもらった。
お祭りのブース内に入ったのって初めてかもしれない、こういうふうに見えているんだと思った。
見たことのあるスタッフさんが、
なぜか普通に「◯◯さん手伝ってくれるそうです!」とわたしの名前を呼んでいた。
わたし彼にも名乗ってないぞ。
話したこともほぼないような。
そしてわたしは彼の名前を知らない。まずいかな?
さっきおじさんにも、
「なんでわたしの名前知ってるんだろうと思って…」
と話したら、
「みんな知ってるよ!」と言われてしまった。
若い女はまずいない界隈なので、
わたしは目立っているとは思うけれど、
気にしないようにしていた。
でもやっぱりいろんな人に覚えられてしまっているのかもしれない。怖いな。
わたしが驚いていたら、
おじさんは「新聞に載ってたから」と言った。
そういえば春にこちらの地方版のインタビューを受けたけれど、
1行くらいしか載っていないようなやつだし、
わたしの地元では読めない記事なので全く気にしてなかった。
地元版には載らないから、
わたしは安心してなんとなくインタビューに答えたのだ。
そういえば他の地方紙のも答えたかも知れない。
わたしはさっき名前で呼んでいたスタッフさんに、
物販の値段やお釣りの場所を教えてもらった。
いつも見ている品々だ。これなら区別がつく。
横では子供向けのイベントもやっていた。
昨日は300人も来たらしい。
人が増えてきたらこちらのイベントのほうが盛況で、
わたしは子供から100円玉を受け取って説明をし、
景品を渡したりゴミを捨てたりして、
手が空くと呼び込みをした。
…いやもうこれ完全にバイトやん。
2時間立ちっぱなし。ほぼ喋りっぱなし。
なんか面白い人来ないかな、
ここならヲタ活の話できるしと期待していたけれど、
ほぼほぼ子供相手で終わった。わたし子供大嫌いじゃなかったっけ?そしてまた地方紙の記者が写真を撮っていたので、
わたしはまた写ってしまったかもしれない。
会員じゃないからネットでも見れないのだけど。
スタッフさん達は優しいので、
たいした仕事もしていないわたしに椅子を勧めてくれたり、
せっかく来たんだからお祭りも見ておいでと声をかけてくれた。
わたしは2時間しかいないし、
去年も一昨年もこのお祭りには1人で来たので、
「見たことあるから大丈夫ですよ〜!」
と言って客の相手をした。
タイミーでも工場や倉庫に行くことが多いので、
こういう仕事をするのはとても久しぶりな気がした。
休みなく客が来て結構忙しかったせいか、
わたしはふと好きな人のことを考えていないことに気がついてすごくホッとした。
これでいい、これがいいのだ。
このままいけわたし。
途中孫を連れたおばあさんと、
わたしのヲタ分野の話になった。
わたしはさすがにガイドはできないけれど、
どこが現役で動いているかくらいの話ならできる。
わたしがおばあさんと普通に話していると、
いつもガイドをしているスタッフさんが、
ちらちらこちらを見て頷くような仕草をしていた。
間違ったことは話していないようだ。ホッとした。
まち歩き組が前を通ると、
顔見知りの人達が笑ってわたしを見ていた。
わたしも一瞬子供から目を離して笑って手を振る。
時間前にちゃんとスタッフさんが声をかけてくれたし、
帰りに飲み物やお菓子まで頂いてしまった。
さっきのスタッフさんはちゃんと説明までして…と褒めてくれた。
お役に立てたのかわからないけれど、
とても楽しかったし来てよかった。
帰りにわたしのヲタ分野のポスターやのぼりが当たり前のように並ぶ駅前やお祭り会場を見て、
わたしはやっぱりこの街が好きだと思った。
自分にこんな場所があって本当に幸せだと思う。
明日はまち歩きのイベントに行く。
今日会った人達も来るらしい。とても楽しみだ。