男を軽く見ていたら怖い目に遭った日

昨日はやっぱり寝るのが0時になってしまった。
でも心配していた筋肉痛がほとんどない!
わたしもだいぶ慣れてきたのかもしれない。



本業は今週はめちゃくちゃ暇だ。
なぜか本業と運送会社の繁忙期は似ているので、
運送会社に行っても最近はほとんど早上がりだ。


わたしはどこに行っても給料泥棒だ。



運送会社は来月も暇らしいので、 
来月は募集が出るかめちゃくちゃ怪しい気がする。
もし出なかったらわたしは一体どこで働くんだろう。
今さら夜もずっと家にいたって、
わたしはきっと邪魔者になるだけだから、
どこかで働かないといけない。


人手不足人手不足と簡単に言うけれど、
一応会社に雇われていても、
実際は持て余されてる人も多いんだろうなと思う。

お昼も食べられないくらい毎日忙しく働いてる人もたくさんいるのだろうけれど、
わたしのように勤務時間中に録画したドラマを見ている暇人も意外といるのかもしれない。
本業のお給料に文句は無いので、
わたしは何も言わない。



毎日暇すぎて最近は遠征の計画ばかり立てている。
一応行ってみたい観光地があるところばかりなので、
それとライブの時間を基準にして、
乗り換えの時間を調べてノートに書いている。
大体出来上がったら清書して、
わたしは遠征中いつも持ち歩いているのだ。
こういう事前準備は、
始めるまではとても腰が重いけれど、 
気分が乗ってくるとめちゃくちゃ楽しい。


やっぱりわたしは旅行が好きだ。



わたしの人生の優先順位は、
まずは推しのライブ、
その次が大好きな産業遺産を見に行くイベントで、
いつもそういうイベントの日程を基準にして、
わたしは自分の予定を立てる。
 
だから好きな人に会いに行くのも、
バイトをするのも、
美容室やまつげパーマや脱毛に行くのも、
全部そういうイベントのない日に詰めている。
この習慣はきっとそう簡単には変わらないだろう。



そこでわたしはふと思った。


もし今突然彼氏ができても、
わたしは彼氏の誕生日や記念日にイベントがあったら、
間違いなくイベントを優先するだろう。



だってイベントはその日にしかないのだから。
人間の誕生日は毎年来るけれど、
推しが地方に来るのは、
数年や数十年に一度だったりするし、
普段は非公開の施設に入れる機会があったら、
わたしはそんな貴重なチャンスを絶対に逃したくない。
2人の予定は2人で調整できるけれど、
イベントは1日ズレたら何の意味もないのだ。



でも記念日に自分の趣味のイベントに行く彼女は、
きっと世間的には完全にアウトだろう。




そういえば以前わたしの大好きな博物館の館長さんと話していたとき、
他県の産業遺産の話をしていて、
「〇〇はすごいから絶対研修で行くべきですよ!!」
とわたしが推したら、
館長さんは、
「その県には奥さんの実家があるから、
帰っても絶対に行けない」
と嘆いていた。
結婚したらそういうものなのか。
じゃあ絶対したくねえ。



わたしは好きな人を思い浮かべた。
大好きなカッコいいあの彼が、
推しのライブの日や、
楽しみにしているイベントの日に、
絶対にわたしに会いたいと言ってきたら…





「わたしその日は地元にいないから無理!

埋め合わせは必ずするからごめんね!」






と間違いなく言うだろう。
ヲタクとはそういう生き物なのだ。
わたしは何年何十年と続けている趣味を、
来年は一緒にいるかわからない男のために棒に振れる女じゃない。



この12年間ずっと彼氏もできず、
女としては完全に終わってる人生だけど、
わたしがこの12年、
好きなときに好きなところに1人で自由に行くことができたのは、
何のしがらみも無かったからなのかもしれない。





そんなことを駅で考えていたら、
足の太い女子高生に、
1つしかない女性お手洗いを占拠されてしまい、
わたしは初めて運送会社でのバイト前に、
お手洗いに行きそびれてしまった。
でもまぁ今日も早く終わるだろうから、
1時間半くらいの辛抱だ。
大丈夫。
最悪事務所に和式トイレはあるし、
もし他の現場に行くならそちらのを使わせて貰おう。


しかしいつも紅一点で働いている現場の男性に、


「お手洗い行ってきても良いですか?」




と言うのは、
わたしにとっては至難の業だ。無理。
誰なら言いやすいだろう。おじさん?
うーんでもやっぱりできれば言いたくないから、
わたしはきっと我慢するだろう。
男性ばかりの職場で働く女性は、
こういうとき本当に大変なんだろうなと思う。



運送会社に着いたら、




去年の夏に来た、
ここで一番苦手な男性タイミーがいた。

過去記事参照




なんでこいつまた来たの!!!
わたしは怖すぎて直視できない。
しかも今日も暇なせいで、
わたしだけ他の現場に避難ができず、
2人で集荷手伝ってきてと言われてしまった。


わたしがドライバーさんに声を掛けて、
伝票を貰って台車を取ってくると、
キチガイみたいな男はわたしの後を黙って付いてきた。
わたしは頼むから他のところに行って欲しくて、
見えないふりをして1人で仕事をしたけれど、
ボソボソとどの荷物かと話しかけてくるので、
わたしは目を合わさずに「〇〇と〇〇です」と言う。
わたしが荷物を積んで数えていると、
1人で「台車もう1ついるかなぁ」とか言っていて、
怖すぎるので無視した。
台車を押すとき、
荷物が多くてグラグラしていても、
キチガイは押さえようともせず、
ただ黙ってわたしの後ろを付いてきた。


マジで要らないこんなやつ!!!!!



なんとか荷物を運んで、
几帳面なドライバーさんがいたので、
いつものように話していたら、
キチガイが近くに来て話しかけてきた。
何を言っているのか全くわからないし怖すぎたので、
わたしは事務所に戻って、
勤続25年おじさんに助けを求めに行った。


事務所に入ると勤続25年おじさんが、

「一番来てほしくない奴来たな!」



と開口一番に言った。
わかってんなら2人で作業させないでくれよと思いつつ、
わたしは、
「わたし本当にあの人無理です」
と泣きそうになりながら言った。
前に来たときもずっとわたしの後をついてきて、
わたしがラップ巻きをしているときまで、
キチガイは一緒にぐるぐると回っていたのだ。
そんな話をしながら、
「わたし今日本当に無理です」
と事務所で愚痴っていたら、
普段あまり話さないドライバーさんが来たので、
なんか仕事無いかと聞いてくれたけれど、
やっぱり今日も暇なので、
わたしが手伝うことはないらしい。


わたしが涙声で訴えても、
なぜかおじさん達は笑っていた。



わたしはいつまでも事務所でサボっているわけにもいかないので、
とりあえずいつものように同い年かもしれないドライバーさんのところに行って、
事情を話して彼がフォークリフトに乗っている間だけでも2階に避難させてもらおうと思った。
もう視界に入るだけでも怖い。
怖いしか考えられない。



しかし向かう途中で司令塔おじさんがいたので、
わたしは「何かやることありますか?」
といつも通り聞いたら、
いつものように15キロ以上ある油の移し替えを頼まれた。
今なら1人でできる仕事なら何でもする!!!
司令塔おじさんにも事情を話せば、
キチガイと一緒にならないようにしてくれないかなと一瞬思ったけれど、
いつも忙しそうな司令塔おじさんには、
やっぱり言えない。



そのうちチャラい男の子も戻ってきた。
彼の戻りが遅いせいで、
いつも指示をちゃんと出せない勤続25年おじさんに、
わたしはキチガイと2人で作業させられたのだ。
わたしが睨むような縋るような目で、
チャラい男の子をじっと見ると、
彼はどうしたの?という顔をした。
「わたし今日のタイミー無理です。
〇〇さんも苦手な人です。」
と言うと、
「あー、あのケツ触られた人?」
と彼は軽く言ってきた。



外で作業をしていたら、
勤続25年おじさんがやってきて、
「あの人どこ行った?」と聞いてきた。
「わかんないです!
わたし見つかったらずっと付いてこられるから、
もう見ないようにしてます!」
と言うと、
「こうやってかー?」
とおじさんがわたしの後を追いかけてくるので、
わたしは思わずきゃあきゃあ騒いでしまって、
他のドライバーさんも見ていたけれど、

わたしがきゃあきゃあ言っても、
遊んでいるようには見えるけれど、
怖がっているようには見えないんだろう。


本当はふざけてやられるのも怖いのに。
わたしは絶対にそういうふうには見られない女なのだ。



事務所にラップを取りに行くと、
キチガイと2人で作業をしているドライバーさんがいたので、
「〇〇さん、今日のタイミーさん怖くないんですか?」
とわたしは聞いてみた。
すると彼は、
「大丈夫、だと思います。」と言うので、
わたしは「強いですね!すごい!」と返した。
男の人は怖くないのかもしれない。



この男性ばかりの会社では、
うちの会社みたいにハラスメント研修なんて、
ろくにやっていないのだろうし、


男の人に男の人の怖さはわからないのかもしれない。



わたしが恐怖を訴えても、
誰かが仕事を手伝わせてくれたりもしないし、
全っ然助けてくれない。
こんなもんなのか。
もしかしたらわたしが、
好きな人に恐怖のハイタッチ男の話を涙目でしても、
「あー、あの手握ってきた人?」
と軽く返されて終わりなのかもしれないと思った。


男の人にこういう恐怖はわからないのだと、
わたしは今日生まれて初めて知った。



今日もやはり早く終わったので、
事務所で勤続25年おじさんが、
「申し訳ないけど今日これで終わりで…」
と切り出すと、
キチガイは一言目にボソっと「あぁ?」と発した。
とても雇われている人の態度じゃない。


やっぱりあいつ普通じゃねえよ!!!



わたしはまた勤続25年おじさんに、
修正依頼教えてやってと言われる前に事務所を出て、
几帳面なおじさんのトラックに走って行って、
「すいませんわたしあのタイミー無理なんで、
あの人が帰るまでここにいさせてください!」

と言って事情を説明すると、
几帳面なおじさんは、
「隠れてていいよ」と言ってくれたので、
わたしはフォークリフトの陰に隠れて、
キチガイが帰るのを待って、
ついでに丸めてあったラップを捨てた。



キチガイが事務所を出たのを確認してから、
わたしも事務所に行き、
「あの人また来るってわかったら、
わたしもうキャンセルします!!!」
と言うと、
勤続25年おじさんが、
「また来るって言ってたぞ」と言ったので、
わたしが「えぇー!」と悲鳴のような声をあげると、
おじさんは冗談だと笑った。


地獄のような1時間が終わり、
まだ帰り道にキチガイがいないかビビりながら帰ろうとすると、
同い年かもしれないドライバーさんが珍しく、
「今日仕事がなくてすみません」と声を掛けてきた。
今日こそいつも通りラップ巻きを残しておいてくれればわたしは2階に避難できたのにと思ったけれど、
わたしは「来月募集出ますかねぇ」と言って笑った。


駅までの道に、
キチガイがいないことを確認しながら歩いていたら、
今日は本当に怖かったと泣けてきた。


わたしは日曜日も好きな人の工場の最寄り駅で、
恐怖のハイタッチ男にバッタリ会ってしまったので、


なんでわたしは、

週に2回も頭のおかしい男に怯えなきゃいけないんだろう。


なんで34歳にもなるのに、

こんなに怖い思いをして泣きながら家に帰らなきゃいけないんだろう。


と絶望しながら帰った。
どうせ母親に言ったって、
「そんなとこ行かなきゃいいでしょ」
と言われて終わりなのだ。
わたしの恐怖は誰にもわかってもらえない。